『完全自殺マニュアル』を切り取らないで

最近はYouTubeなどの動画で本を要約して紹介するのが流行っていて、自分の本も取り上げられるようなりました。そのなかで『完全自殺マニュアル』について、お願いがあります。 単刀直入に言うと、自殺の方法を切り離して紹介するのはやめていただきたいのです。これは動画だけでなく、文字情報でも同じです。すでにいくつか削除のお願いもしました。 この本には、自分の主張はもちろん、自殺に関する生理学的な知識、たくさんの事例、統計など、様々な情報が雑学的にまとめられています。それらすべてがそろって、ひとつの作品になると考えています。 この本を書いた30年前の、本がまとまった形でしかなかった頃、こんなことを言うことになるとは想像もしませんでした。 この本の趣旨は「いざとなったら死ぬこともできるのだと思って、気楽に生きていこう」というものです。それを理解して紹介していただいているのは嬉しいです。ただ、そうした主張や様々な情報と離されて、自殺の方法だけがどこかに紹介されるのは本意ではありません。その点はよろしくお願いします。 そして蛇足ながら、訂正も。例えば「この本が出た時には、連日のようにテレビで取り上げられていた」などとしている動画もありました。が、この本がテレビで取り上げられることは、ほとんどありませんでした。30年も前の本なので、発売当時のことについては、事実とはかなり違っている情報が流れていることもあります。そのなかでも多いのは、発売後に大バッシングが巻き起こったかのような誤解です。 有害(不健…

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5月の居場所も公園の林のなかで

5月の居場所は、またしても代々木公園の緑のなかでやりたいです。4月5月は安心して公園でできるから気が楽。問題はこのあとだ。 日時:5月28日(土)14時~18時 (雨天の場合は翌日)場所:代々木公園の三本きのこの休憩舎近く(図の赤いハートのあたり)。正確な場所は、当日決まり次第Twitterの鶴見アカウントで発表します(もしかすると左上の噴水池のほうでやるかも)。持ち物:各自の食べ物、飲み物(酒OK)。おいしい食べ物は、カンパ制でおそらくそこそこあります。対象:ひきこもりがち、フリーランス、労働週4以下、心の病、社内ぼっちなど、様々な理由でつながりをなくしがちな人。注意:・参加者へのハラスメントや攻撃などはやめてください。支援活動ではないので、おたがい様の気持ちがないと成り立ちません。・途中で座る場所を変わったりするのは、こういう集まりでは普通。せっかく来たので、なるべくたくさんの人と話すのもいいです。逆に席を変わられても、がっかりすることはありません。・ずっとは長いので、少しだけいるのもいいと思います。せっかく外でやっているので、途中公園を散歩するのもよし。・ほとんどの方はひとりで来られてます。 参考までに、自分がよく使う見ず知らずの人との会話のきっかけ作りの質問。・どこに住んでいるか? ・こういう集まりによく行くのか? ・暇な時は何をしているか(趣味)?そんなことを話しているうちに、どこかの点で「ああ、それ知ってますよ」みたいになってくる。 では、一年のうちで最高の気候と眺めを楽しみ…

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ユダヤ陰謀論が作られる簡単な理由

たまにはちょっと変わったテーマで書こう。本の作業が終わったので、ブログを書く余裕が出てきた。 「少しは合ってるところがやっかいだ」少し前に友人と、ユダヤ陰謀論についてこんなふうに話した。 ユダヤ陰謀論というのは簡単に言えば、ロスチャイルド家、ロックフェラー家といった、ユダヤ系の金融資本(金貸し)が陰で世界を自由自在に操っているというものだ。これについても、いつかは考えを書いておきたかった。 例えば、日露戦争の時、ロスチャイルド家は日本にもロシアにもお金を貸していた。これをもって、「ロスチャイルドは日本とロシアに戦争をさせて……」のように言われる。貸していたのが確かだと確認できたら、「少なくとも日露戦争は支配していた」なんて思ってしまうのではないか。そして、ロスチャイルドやロックフェラーが世界を操っているという説の根拠も、大体こんなものだと思う。 お金を貸せば貸した相手にある程度は影響力を持てるのだから、確かに少しは支配している。けれども彼らの仕事はお金を貸すことなのだ。それをすべて「支配した」「〇〇をやらせた」ととらえるから、世界を操ってきたように見えてしまう。 〇〇産業界に資金を出せば、「〇〇産業を支配」なんて簡単に言ってしまう。✕✕にお金を貸していたことを「✕✕と陰でつながっていた」「結びついていた」なんて見ることもあるだろう。それも同じだ。たしかにつながってはいるけれども、グルになっているというわけではない。 もちろん「もうお金を貸さないぞ」と強く出れば、相手…

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春の公園居場所の報告

今回はメモ的に。 昨日の代々木公園での居場所には、これまでに公園でやったなかでも一番たくさんの人が参加してくれた。コロナ前に比べても。特に初めての人が多かった。とは言え、初めての人に理由を聞いてみても、初めて知ったという人も多くない。こちらも特にこれまでとは変わったことはない。すると、あれかな。意識的にしろ、無意識にしろ、コロナに対する感覚の変化かな。 昨日は17時台には寒くなってしまって、かなり厳しかった。晴れていたけれども、最高18℃、最低7℃、そして風速が3~4メートルもあったのだ。昼の天気から木陰を選んでしまったが、寒さを気にするべきだった。あるいは14~18時でなく、13~17時にしておけばよかった。 それでももちろん、やってよかったのだが。新緑の色を浴びるようだった。春の力は大したものだ。

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4月の居場所は代々木公園でどうか

4月の「不適応者の居場所」は、ふたたび代々木公園でやりたいです。4~5月はこれまで屋外で居場所をやってきた経験からしても、一番気持ちのいい季節です。 日時:4月29日(金)30日(土)14時~18時 (雨天の場合は翌日)場所:代々木公園の三本きのこの休憩舎近く(図の青丸)。正確な場所は、当日決まり次第Twitterの鶴見アカウントで発表します。(行ってみて噴水池のまわり(図の左上)が開放されていたら、そちらでやるかも) 持ち物:各自の食べ物、飲み物(酒OK)。おいしい食べ物は、カンパ制でおそらく多少あります。 対象:ひきこもりがち、フリーランス、労働週4以下、心の病など、様々な理由でつながりをなくしがちな人。 注意:・参加者へのハラスメントや攻撃などはやめてください。支援活動ではないので、おたがい様の気持ちがないと成り立ちません。・途中で座る場所を変わったりするのは、こういう集まりでは普通。せっかく来たので、なるべくたくさんの人と話すのもいいです。最近国も、孤立はよくない、つながりだ、居場所が必要みたいなことを言いだしているのだが、それなら広い和室を、飲食飲酒OKにして無料で貸し出してほしい。すぐに予約が埋まるよ。そういう場所をレンタルするのはものすごくお金がかかるので。そこで飲みも含めた宴会が行われると思うけど、つながりってそんなもんだろう。行政って、真面目で実直なものばっかりチヤホヤして、そうでない人たちを締め出すことで、大変な過ちを犯してないだろうか!?

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死んだらどこへ行くのか、見田宗介追悼最終

見田宗介氏追悼記事の最後は、「波としての自我」の話をぜひしておきたい。ただこういう話、ガッツリやろうとすると、仕事みたいに大変になるので、適当にやりたい。我々は生まれる時にどこからやって来て、死んだあとどこに行くのか?いきなり何言ってんだと思うかもしれないが、これは多くの地域の神話・民話に見られる、人間が持つごく普通の疑問だ。 その答えになる見田氏の言葉を少し、『現代との対話 見田宗介』というインタビュー本から。 「〈私〉は自然の波頭のひとつだと。宇宙という海の波立ちの様々なかたちとして、個体としての「自我」はあるのだと」。「海が宇宙だとすると、波というのはある数秒間の形としてあるわけです。自我というのは宇宙の海の波みたいなもの」 この「自我=波」という例えは、本のどこかに書いてあっただろうか?本来は『自我の起源』に書いてあるべきことなのだが、ここにはない。(ただし、この本の表紙を見よ!)。それでもこれは見田氏の論のなかでも、最大レベルの重要事項だと思う。 そんなわけでこれから書くのは、自分がその骨格に勝手に肉づけしているものと思ってほしい。 まず、自我は「自己意識」と言いかえることができる。「自分で自分を意識している」ことで、これは生物のなかでも人間にしかないものとされる。自己意識の誕生は、生物進化の流れのなかのひとつの大きな山と言える。(このあたりは『自我の起源』から)。 では、自我が波とはどういうことか? 波は海の水の高まりで、海が盛り上がっては波(あるいは波頭…

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見田宗介作品ベスト3、「我々はみんな死ぬ」ことの価値

先日死んだ見田宗介氏の作品や考えも、せっかくの機会なので紹介せねばと思う。まずおすすめ本を挙げるけれども、そういうものはマニア向けなので、よくわからない人は飛ばしてもらっていい。それでもぜひ、後半の彼の考えのところは読んでほしい。 鶴見個人が選ぶ見田作品ベスト3はこうなる。 ①『自我の起源』(93年)②『気流の鳴る音』(77年)③『時間の比較社会学』(81年)(すべて真木悠介名義) 以下は補足的に。・『現代社会の理論』の「4章2項と7項(単純な至福)」(96年)・『社会学入門』の「6章 人間と社会の未来」(06年)・『〈現在〉との対話5 見田宗介』の「4章 波としての自我」(86年) さて、まず②の『気流の鳴る音』のなかの、自分としては絶対に読んでほしいところについて書く。それは本文ではなく、巻末にボーナストラックのように入っている「色即是空と空即是色」という短い文章だ。ここで言っていることは、4章「心のある道」の結論にもなって出てくる。つまりこの本のなかでも、一番か二番目の主張と言える。 何が書いてあるのかというと、、、、 戦後南の島の収容所でつかまっていた戦犯たちが、死刑判決を受けてまた収容所に戻る。その帰り道。何度も見ていたはずの通っていた道や小川が鮮烈に美しいものに見えたと、みんな同じように書き残しているのだそうだ。なぜそういうことが起きるのか?それまで先のことばかり思いわずらっていた意識が、先がなくなったとたんに、「今生きている世界」に向いたのだ。よく見れば美しいもの…

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見田宗介の死、「ほんとうに切実な問い」

有名な人が死んだ時にやる追悼表明は、ちょっと苦手だった。追悼のためと言うより、その話題に便乗しているように見えてしまうことが多かったので。 けれどもさすがに、ザ・スターリンの遠藤ミチロウ氏が死んだ3年前には、追悼の記事を書いた。その時に、「自分としてはこれ以上に追悼すべき人はいない」みたいなことを書いたのだが、実はひとりいるなと思っていた。それが見田宗介だった。 誰かを英雄視したり偶像視したりするのにもまた、自分には大きな抵抗があると言っておきたい。それでもやはり、見田宗介が死んだら何か書くだろう。 見田さんは、日本を代表する社会学者と言っていい。そして自分は大学で5年間(笑)、見田ゼミに出ていた。単位は3年までにほとんど取ってしまっていたので、4年目5年目は授業に出る必要もなかった。その間、このゼミ以外に大学で何をやっていたのか、よく憶えていない。 見田さんが授業で言っていた言葉で、心に残っているものがある。「大学に入ってくる時には、みんなとてもいい問題意識を持っている。けれどもあれこれ学んでいるうちに、その問題意識が拡散してしまって、つまらないテーマで卒論を書いて出ていってしまう。それがとてももったいない」といったことだ。 「自分にとって本当に切実な問題を考える」。そういう言い方もよくしていた。 さっそく同じく見田ゼミだった友人と、あれこれ話していて気づいたことがある。自分の問題意識や研究分野を限定しなかった見田宗介の理論は、少なくともいくつかの分野に大きく分かれる。そ…

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風のなかの居場所@二子玉川河川敷の報告

昨日は大変だった。一度はもうだめだと思うほど大変になった。 当日の天気を気にすると言えば、まずは雨、そして気温。風なんて眼中になかった。風のことまで読めるわけない、、、、、 予報の風速6~7メートルを見て、嫌な予感はしていた。会場に行ってみると、まず予定していた芝生のエリアは工事中で立ち入り禁止。そして普通にかぶっている帽子が遠くに飛ばされていくほどの強風。 風が避けられる橋げた近くにシートを敷いたのに、それでもシートも何もかも風で飛ばされてしまう。シートをしっかり石で固定しても、何度も何度も遠くまで飛ばされる状態。この時点で、「しまった!今日はできない」と思った。(この時点で、持ってきた水筒いっぱいのお茶が、リュックの中にすべてこぼれたのを発見!)(うわーやばいやばいとリュックから出したびしょ濡れの物たちも、当然すべて飛ばされた)。 それでも前々から呼びかけをしていて、もう向かっている人もいる時間なので(開始15分前)、とりあえず今の地点の告知をした。「とにかく風が強くて場所も不本意で最悪ですよ」と。居場所をやっていて、ここまで追い詰められたのは初めてだ。そんな時、近くで一人だけずっとラクロスの壁打ち練習をしていた人が帰った。その人がいたあたり、しかも壁にぴったりとつくほどの壁際に行くと、風の影響をあまり受けないではないか!最悪の景観だけど、そこに壁にぴったりくっつけて横長の居場所を設置。(下の写真のグラフィックのあたりに移動した)。 そんな告知をしたのに、参加者は30人以上や…

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3月の「不適応者の居場所」はまた川で

3月の居場所は、去年と同じく二子玉川の河川敷エリアでやりたいです。暖かくなり、まん延防止措置も終わり。都の公園ではピクニックを制限しているところもあるけれども、ここなら桜がないのでそれも無関係。今年もまた兵庫島公園でやろうと思っていたところ、しかし! 兵庫島公園は今工事中で肝心の川沿いのエリアが立ち入り禁止になっていると判明。しかも週末雨予報もあり、何重もの苦難をかかえてしまいました。 それでもまあやってみようと思いました。なんとかなるでしょ。現地がどうなっているかは行ってみないとわかりませんが、さすがに下見までする気はありません。その近辺のどこになるかわかりません。少し遠いピクニック広場まで行かねばならないかも(そこならOKと確認済み)。あるいは、二子橋の向こうのエリアに行くかも。せいぜい春を楽しみましょう。 日時:3月26日(土)13時~17時 (雨天の場合は翌日に延期。寒くなったら早めに終了) 場所:二子玉川・多摩川河川敷の兵庫島公園かピクニック広場か、二子橋より下流のエリア。   正確な場所は、当日決まり次第Twitterの鶴見アカウントで発表します。 持ち物:各自の食べ物、飲み物(酒OK)。おいしい食べ物は、カンパ制でおそらく多少あります。 対象:ひきこもりがち、フリーランス、労働週4以下、心の病、様々な理由でつながりをなくしがちな人。 注意:・参加者へのハラスメントや攻撃などはやめてください。・当日の気温は高いですが、去年も昼は暑いくらいだったのに、夕方近くになると風が…

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