選挙が民意を反映しないわけ

今の選挙制度は、ちゃんと我々の「民意」というやつを反映できてるんだろうか? ここしばらく、自民党がやりまくってる国会での強行採決は、ひとえに2005年の総選挙で”圧勝”させてしまったツケと言える。しかしその“圧勝”ですら、当時の小泉自民党がそれほどの国民の支持を得た結果かというと、そうでもない。 小泉前首相は一昨年「突然の衆議院解散→超短期決戦」という、準備ができていない野党にはことさら都合が悪い状況で選挙を強行して、史上第2位の296議席を獲得した(民主党は113議席)。 それでも小選挙区での得票率は、自民党48%、民主党36%、比例代表区では、自民党38%、民主党31%で、過半数も票を取れていないうえ、2位の民主党との差もそんなには開いてなかった。特に東京では、得票率自民50%、民主36%だったのに、議席数は自民が23、民主はたったの1(菅直人だけ)だった。 1選挙区で1人しか当選者が出ない小選挙区制度では、2位以下の候補への票がすべて死票になる。得票率のほうがより民意に近いのに、それを議席数に反映させない、しかも大政党にばかり都合がいい制度をわざわざ採用してるのだ。 この時の“圧勝”もまた、ひとつには小選挙区制度のせいだったわけだ。 その小選挙区制度について参考になる記事を紹介しておく。 【小選挙区制改正問題】 小選挙区制改正問題の動きは、鳩山一郎内閣(1954~56)のときに、再軍備をはかるための憲法改正の実現をめぐってもちあがったが、世論の反対とゲリ…

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我々は体を洗いすぎている

肌の「かゆみ」は最近では、体を洗わないためではなく、むしろ体を洗いすぎるために起きると言われている。 皮膚の表面は、皮膚から出る脂(あぶら)と汗でカバーされているのが普通なのに、これらをあまりにも洗い落としすぎてしまうと、「バリア機能」がなくなって神経が過敏になってしまう。これが肌がかゆくなる一因なのだ(冬に風呂で全身を洗うのは、週に1~2回程度にして、あとは汚れやすいところを洗っているだけでいいという専門家もいる)。 人々が体を洗いすぎると得をする人というのも滅多にいないが、少なくとも石鹸とかシャンプーといった洗剤、ローションだの乳液だののスキンケア商品を作っている資生堂とか花王といった会社は儲かるはずだ。 人はいつからこんなに体を洗うようになったのか知らないが、自分が子供の頃はまだ、一般家庭でも必ずしも毎日風呂に入るのが当たり前ではなかったと思う。それが80年代の後半になると、もう「朝シャン」がブームになっていた。1日に2回も体のどこかを洗うようになった、と。 「朝シャン」ブームは、もともと資生堂が「朝にシャンプーをしましょう」とキャンペーンを打ったために起きたもののようだが、今では頭皮や髪の洗いすぎもバリア機能が損なわれるのでよくない、と言われている。 わざわざ体に備わっているバリア機能を洗い落とさせて、人工的に作ったバリアを塗らせて、それを2日に1回から毎日、さらには1日2回もやる生活習慣を全員につけさせることができたら、商売的には見事ということになるんだろう。そのために…

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食べものはどこから来るのか

自分が毎日食べているものは、どこで誰が作っていて、どうやって運ばれてくるのか? こういうことはあまり想像できなくさせられてるが、日本の食料自給率が40%と非常に低いのを見ると、60%は海外から来ていることになる。 例えば、バナナはフィリピンから、小麦やトウモロコシはアメリカから、キウイフルーツはニュージーランドから、といった具合に遠路はるばる運ばれてきている。コーヒー、大豆、砂糖といった日常的に口にする食品も、大きく輸入に頼っている。 一体誰がこういう途方もなく面倒なことをしているのかというと、ネスレを筆頭とするグローバル(多国籍)食品企業だ。そういう企業が世界各地の大農場から、地球上のいたるところに市場を見つけては大量に送り込み、大々的に儲けている。 特に「南」の国々には、広大な場所で特定の農産物ばかり作るように仕向けて、安く買い叩いて、世界的な格差を広げている。そういった地域の人は、自分が食べるものを自分で作らず、その農産物を売ったカネで買うようになる。こういう植民地時代のようなモノカルチャー経済をやっていると、作物の値段が大きく下がったりした時に、いきなり飢えてしまったりして非常にマズイ。 (日本も、車と家電のモノカルチャー経済にさせられてるのかもしれないが)。 そして自分だって、そんな輸入食品を食べたくて食べてるのか、あるいは食べさせられてるのかわかったもんじゃない。 戦後日本の学校給食が、なぜか米ではなくパンだったのは、アメリカの「小麦戦略」のせいだった。アメ…

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