2010年12月23日

沖縄・高江で米軍基地建設が始まった

高江の上空にぶら下がる米兵.jpg新聞の世論調査では、普天間基地の国外移設を望む人が、沖縄だけでなく全国でも最大多数を占めている(註)。それなのにまだ国は、沖縄に米軍基地を広げようとしているのだ。

UAが賛同していることで知っている人もいると思うが、沖縄では辺野古だけでなく、北部の村・高江でも、長い間米軍用ペリパッド建設反対の座り込みが続いてきた。ここでとうとうフェンスの設置工事が強行された。これに反対して、新宿でもデモが行われる。

ゆんたく高江  やんばる東村 高江の現状


「国民の意向」より「アメリカの意向」を、この国の政府は尊重してきた。この国の政策は軍事に限らず経済でも、アメリカのコピーみたいなもので、軍隊も資本も農産物も規制緩和も、アメリカの言いつけどおりに招き入れてきた。それにこのまま耐え続けるのは、あまりにもやってられない。


(註)
普天間日米合意「見直しを」6割 朝日新聞世論調査

写真は高江上空での米軍の訓練。ヘリに吊るされているのは米兵。こういうものが自分の家の上空にぶら下がっていたら、誰だって嫌になるだろう。

posted by 鶴見済 at 15:32| 日記 | 更新情報をチェックする

2010年12月20日

まずは企業を儲けさせて、というペテン

大企業の内部留保の推移.jpg「大企業が儲かれば、その儲けが下々に行き渡って、社会全体が豊かになる」という“トリクルダウン(おこぼれ)幻想”に、この社会はいつまでだまされ続けるのか?

日本で最も好景気が長く続いたのはいつだったか? それは60年代でも、80年代でもなく、2002年から07年までの69ヶ月間の間だ。「いざなぎ越え景気」とも呼ばれた。

この時期に景気がいいと実感した人はほとんどいないだろう。この時期にこそ貧富の格差が拡大し、正社員の数も平均給料も減り続け、実質的に企業には減税、個人には増税が行われたからだ(註1)。

好景気だったのだから、上のほうの一部は大々的に儲けた。けれども、おこぼれなんかなかったのだ。


日米欧の労働分配率の推移.pngそして性懲りもなくまた国は、企業に減税、個人に増税しようとしている(註2)。企業に国際競争力をつけさせることで、経済成長を促し、雇用を拡大し、給料を増やし、国民を豊かにするためだという。国民を豊かにしたければ、国民のために税金を使えばいいのだ。いつでも「まずは大企業を儲けさせてから」という話になるのは、それだけが目的だからだ。

経済界(註3)の言うことは聞く。アメリカの言うことも聞く(註4)。そして国民の言うことは聞かない。これが、この国の政府が戦後やってきたことのすべてだ、と思える(註5)。


(註1)参考:国民が「いざなぎ越え」景気を実感できない理由 (森永卓郎)

(註2)参考:法人税率5%引き下げ 個人は計5500億円増税 (朝日)

「思い切って(税率を)5%下げて、投資や雇用を拡大することで働く人の給料を増やして経済成長を促し、デフレを脱却する」との“トリクルダウン幻想”を首相が堂々と語っている。次に来るのは当然、財政危機を理由にした消費税の増税だ。これでは小泉・竹中路線と何も変わらないが、新聞がこれを応援しているのもムカつく。

(註3)経団連と言ってもいい。

(註4)参考:思いやり予算、5年間は総額維持─日米合意 (時事)

(註5)ただし鳩山内閣だけは、やや例外。
関連日記:「経済界優先」という逆コース

図上は、大企業の内部留保の推移。好景気の時期にぐんぐん増えて、今は過去最大である。下は日米欧の労働分配率の推移。労働分配率とは、つまり給料に当てる割合。こんなに給料を下げてるのだから、世界的に大企業の笑いは止まらない。

posted by 鶴見済 at 00:13| 人間界の経済 | 更新情報をチェックする

2010年12月08日

すべては経済界の望むがまま

オックスファムのボトル入りのメッセージ.jpg●今メキシコでやっているCOP16では、日本の代表がどの参加国よりも強く京都議定書の延長に反対して非難を浴びている。つまり、「北」も「南」も含めたすべての国のCO2排出を規制できないなら、いっそのこと規制なんかなくせと言ってるわけだ。
これは自動車、鉄鋼、電気、石油など、CO2をもっと出したい日本の産業界団体の要望そのままだ。こんなものが、我々の総意ということでいいのか?

そもそも「北」の国々が工業化したせいで地球が温暖化しているのだから、こういう態度は今叫ばれている”クライメート・ジャスティス(気候問題における公正)”に真っ向から刃向かうようなものだ。

京都議定書の延長に反対 「公平な枠組みを」 業界9団体が提言(産経)


●三菱重工などの軍需産業が、武器輸出規制を緩和しろと政府に圧力をかけていた。もともとはヨーロッパやNATOに日本と共同で作った武器を売りたいアメリカ(の産業界)の要請だったことが、ウィキリークスのおかげでバレたが、ここでも日米の経済・産業界の儲けの前で道理が引っ込んでいる。

武器輸出三原則の見直し 防衛相が意欲、防衛産業は期待(朝日)


カンクンでのボトルのメッセージ.jpg他にも企業減税(註1)、エコポイント(註2)、TPP参加、エコカー減税(註3)、原発輸出、地デジ移行……と、どれも経済・産業界の上層部の望むがままの、時代に逆行した政策ばかりが推し進められている。

我々は、彼ら(とそれに従う政治家やマスコミ)にもっと怒っていいのだ。彼らが儲けなければ、みんなが生きていけない、なんていうのも向こうのプロパガンダなんだから(註4)。むしろ彼らが富を独占しているせいで、皆にカネが行き渡らなくなっているのだ。


(註1)11年度税制改正:菅首相「法人税5%減」 財務省に「実質減税」指示(毎日)
国にカネがないから消費税などの大衆税を上げるしかないと言いながら、カネ持ちには減税しようとしているのだから、黙っているのもバカバカしい。

(註2)家電エコポイント特需、一部で品薄 納品遅れ長期化も(朝日)
薄型テレビに買い換えることは、何らエコではないが、そんなことはもう誰も気にしていないらしい。ちなみにエコポイントは、世界経済危機でピンチに陥ったはずの家電業界を救うために取られた措置で、ここまで儲けさせるためのものではなかったはずだ。
(註3)
エコカーに買い換えることより、クルマに乗らないようにすることがエコだが、この国ではそんな常識は通用しない。

(註4)「まず富裕層が儲ければそのおこぼれが下層まで行き渡り、社会全体が豊かになる」という「トリクルダウン(おこぼれ)説」は、経済学でもとっくに否定されている。

(参考ニュース)政治資金収支報告 企業・業界団体献金の2千万円超は半減(産経)

「トップは8470万円の日本自動車工業会で8年連続。2位は日本鉄鋼連盟、日本電機工業会、石油連盟が8000万円で並び、トヨタ自動車、キヤノンと続いた。」
これらの政治献金上位団体は、軒並み京都議定書延長に反対している。
若干関連日記:反自動車産業、反経済成長、反買い替え

写真はCOP16会場のカンクンで、フェアトレード団体・オックスファムがやった、ボトル入りのメッセージ・アクション。

posted by 鶴見済 at 13:17| 人間界の経済 | 更新情報をチェックする