8月の居場所はスズムシの声のなか

8月の「不適応者の居場所」は、また夜の代々木公園だった。参加者は35人くらいと野外では最大規模。初めての人がいつもよりは多めだった。自分がこの居場所の話をあちこちのメディアでしているので、今は増えているのだろう。 始まった17時にはまだ直射日光がきついので、木の下に場所を取った。けれども19時を過ぎるともう周囲は真っ暗。いつの間にかスズムシのものすごい声が反響していて、話し声が聞こえづらいと思うこともあった。隣の人が「上からの声が大きい」と言っていた。木の下に陣取ったので、確かに上から響いてくる。木の枝にたくさんいるのだろう。スズムシの声に包まれているようだった。 スズムシの声に気を奪われる居場所もなかなかおつなものだから、まあいいかと思えた。 この居場所、もちろん最初はずっと屋内のスペースでやっていたのだが、もう屋内時代を知っている人のほうが少なくなってしまった。屋内でできなくて困った困ったとばかり思っていたが、色々いい面もあったのだった。もうすぐ屋内に戻れるだろうが、ずっと屋内よりむしろよかったのかもしれない。あれはダメだったと思っていたことも、そうでもなかったりする。 ※写真がちょっと怖く写ってしまうけれども、実際はこんなに暗くない。

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「不適応者の居場所」8月も夜の公園で

8月の居場所はまたしても、夜の公園でやりたいです。 この居場所は、今の日本のつながり喪失の問題を由々しく思い、その解消を目指してやっているものです。ーーなんて当たり前と思えることも言っておいたほうがいいのかもしれない。 新刊のインタビューに答えるのでも、孤立の問題を解決しなければ、なんて言ったりしたほうがよかったりして。 そんなふうに、いかにもソーシャルグッドですと振る舞わないと、新聞のような大きなところでは取り上げてもらえなくて、損をするような。 こんな居場所ができる(集客が簡単ではないけれども)ことが広まって、そこここで居場所作りがたちあがって、孤立問題が解消したらいいのにと思っていることは本当です。********************************日時:8月27日(土)17時~21時 (雨の場合は翌日)場所:代々木公園の中央門より南側の「桜の園」のあたり(図の赤印)。正確な場所は、当日決まり次第Twitterの鶴見アカウントで発表します。持ち物:各自の食べ物、飲み物(酒OK)。おいしい食べ物は、カンパ制でおそらくそこそこあります。    夜は暗いので、ランタンのような明かりがそこそこあると便利。対象:ひきこもりがち、フリーランス、労働週4以下、心の病、社内ぼっちなど、様々な理由でつながりをなくしがちな人。注意:・参加者へのハラスメントや攻撃などはやめてください。攻撃を行う人の参加はできません。支援活動ではないので、おたがい様の気持ちで相手を思いやる姿勢がないと成り立ちま…

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まだ問題認定されてない問題を言う。兄弟姉妹の加害など。

最近新刊『人間関係を半分降りる』のインタビューを受けていて、このブログに書くのにちょうどいい話になったので書いておきたい。 「まだ問題であると世の中に認定されていない問題を取り上げるのはやりがいがある」という話だ。例えばセクシャルマイノリティ(LGBTQIA)の問題が日本で広く認知されたのは、5年くらい前のことだったと思う。発達障害もHSPもここ5年以内のことだろう。それらの問題は、もちろんその前からあった。それがブレイクする瞬間を、皆が目撃したわけだ。 もちろん問題認定された問題については騒いだほうがいい。けれども、我々が直面している悩みなんて、問題として社会に認定されているもののほうが少ないのではないか。それに日の目を当てるのは、とてもやりがいがある。 新刊に書いたような人間関係の問題には、まだ問題認定されていないものが多い。例えばママ友いじめのような、大人のいじめ。そして、大人になった親子間のDV。あるいは恋愛感情と関係ないストーカー行為。地獄にもなり得る問題なのに、これらは特に法律があって取り締まられているわけではない。支援なんかも受けにくい。 いったん問題認定されると、「○○ハラスメント」のようにすごいところまで騒がれるものもあるのに、そうでないとあっさりスルーされるのはなかなかに不思議だ。 そしてそんなうちのひとつが、兄弟姉妹間の加害の問題だ。家庭内暴力、夫婦間ではなく「兄弟間」では規制する法律がない つまり夫婦間、親と未成年の子どもの間ならそれを取り締まる法律があ…

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『人間関係を半分降りる』の紹介記事まとめ

発売からほぼ一か月の間に、新刊を紹介していただけた記事をまとめてみた。こまめに自分のツイートなど見ている方には、宣伝宣伝でもう飽き飽きかもしれないのだが、自分で必死に宣伝しないとそうやすやすとは売れる立場にないので。。 この1か月間、もしかしたら盛り上がってるように見えたかもしれないが、実はずっと悲しかった。慣れない仕事ばかりで、どれもこれも思うようにいかない。もちろんなければもっと悲しいのだから、どんどんやりたい。けれども1カ月の間いつもそんな気持ちで、なんか悲しくなっていた。ひどい鬱なんだろうなと思っていた。(海に行ったらかなり回復した)。 結局、人生の悩みの原因は人間関係――「生きづらさ」を抱えた鶴見済が到達した「こまめにあきらめていく」境地(Yahoo!ニュースオリジナル)自分のことをよく知ってくれているライターの宗像氏が、90年代からの変化、自分の人間関係歴、本のテーマまで丁寧にまとめてくれたインタビュー。 『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済が提案する“人間関係を半分休む”方法 (Quick Japan Web) この本では理屈っぽい内容はやめたのだが、もちろん自分らしく裏にはたくさんの理屈があり、その部分をうまく辻本氏が聞き取ってくれたインタビュー。 母親の子殺しや虐待のニュースに思う~「母は本能的に子を愛する」という通説への疑問 - 鶴見済|論座 これは自分が「論座」に書いた記事だが、新刊のなかの大事なテーマで、新刊紹介も兼ねている。 「半分降りる」ゆるやかなつながり …

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