対人恐怖症は「大人になれないせい」と見なされていた

吃音(どもり)の原因が、かつては家族や本人のせいとされていたことを、ひきポスというひきこもりのサイトの記事で知った。記事を書いた人はそれをこのままにしたくないと語る。不登校と吃音の共通点 これを読んで、対人恐怖症(社交不安障害)にも似たような過去があったことを書きたくなった。 対人恐怖症は少なくとも80年代まで、本人が「大人になれないせい」で生じる病理現象とされていた。「本人の未熟さのせい」と言いかえてもいい。当時の精神病の本には、「友人とはたがいに信じあうものなのに、その友人が怖いなんてなんと子供なのか」なんて書いてあるのだ。アホか。 いや、対人恐怖症だけではない。たいていの恐怖症(強迫神経症)や不安障害も「大人になれないせい」だった。うつや怠惰まで「アパシー」と呼ばれ、「大人になれないせい」にされた。「不登校(登校拒否)」ももちろんこのくくりのなかに入る。自分も以前に少し書いたことがある。「大人になれない若者」批判が流行っていた ではどうすれば「大人になった」と認めてもらえるのか。それは「社会性を身につけること」なのだ。具体的に言えば就職する(社会に出る)ことだ。「社会に適応できる」こと。学校に行けないなら、行けるようになること。「内向性から外向性へ」みたいにも言われてもいた。自分の内面世界に閉じこもって、営業マンっぽくなれない人はダメなのだ。これは内面世界全般を否定されているようで空恐ろしかった。そしてそれができない者は「精神病」という病気であり、治療をして「社会性を持っ…

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人が少なかった新年の居場所

今年一回目の「不適応者の居場所」は、また後楽園のレンタルスペースでやった。 この日気になっていたのは、直前に朝日新聞にこの居場所についての記事と写真が載ったこと。新聞で大きく紹介されるのは初めてのことだったので、人が来すぎてしまったらどうしようと思っていた。前回はただでさえ、これまでで最多の参加者数だったのだ。公園でやるなら人数の心配はいらない。今のスペースも、以前に利用していた場所の倍くらいの広さに拡大した。けれども屋内ではやはり入れる数に制限はある。そのために告知も抑えめにしていた。 けれども蓋を開けてみれば、参加者は20数人。新聞を見て初めて来たという人は一人しかいなかった。雨だったせいなのか、なぜなのかはよくわからないが、これまででも特に少ない人数だったのだ。よりによってこの回がそうなるのか。 これはこれでなかなか感慨深かった。心配なんて実際には当たってないことばかりなんだし、理由だってなんだかわからないことのほうが多いということだ。おかげで距離も十分に取れて、いつになく気楽な会になった。 ちなみにここでは、レゲエの話ができたのもよかった。自分が話したのは日本のレゲエなのだが、レゲエディージェイ(レゲエのラッパー)は生き方について歌うことが多いので、元気がもらえる。そんなに詳しいわけではないが、例えば変態紳士クラブのVIGORMANとかTHUNDER(とんだ)など、最近注目しているところだった。

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最初の居場所はまた屋内で新年会

あけましておめでとうございます。今年1回目の居場所は、また後楽園の貸しスペースでやりたいです。少し早めなのは、その翌週が予約で埋まっていたため。でもこのほうが新年会らしくていいのではないかと。まわりがめでたいめでたいと言っている時に、こういう集まりをやるのはいいと思います。 日時:1月14日(土)14時~17時半。    (予約などいりません。当日直接会場に来てください)。場所:後楽園駅近くの会議室 (もし当日場所がわからなくなっても、会場運営者には問い合わせないでください)。   机は隅に片づけて床に布を敷き、そこにいつものように座りたいです。なので最初と最後に会場を作る・元に戻す時間がかかります。持ち物:各自の飲み物(飲酒も可)、食べ物も必要なら。おいしい手作りの食べ物は、カンパ制でおそらくそこそこあります。    敷く布は持っていきますが、広い部屋なので足りないかもしれず、布やシートなど持っていたほうがいいかも。 やること:花見のように座って各自勝手に駄弁るだけ。簡単な自己紹介タイムだけはあり(パスも可)。費用:会場代が1万4千円かかっています。それから食べ物もあるので、2万~2万5千円くらいは全員(35人くらいの見込み)のカンパでまかないたいです。カンパは必ずしてください。    対象:ひきこもりがち、フリーランス、労働週4以下、心の病、社内ぼっちなど、様々な理由でつながりをなくしがちな人。注意:・参加者へのハラスメントや攻撃などはやめてください。攻撃をする/危害を加える人の参加は…

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