『オルタ』と金融危機

オルタ 2008年11-12月号.jpg『オルタ』08年11・12月号が発売になった。
今回の連載では、中国のジーンズ搾取工場のドキュメンタリー映画『女工哀歌(エレジー)』の公開にちなんで、「ジーンズとグローバル化」について書いた。
戦前には日本はもちろんヨーロッパでもほとんど穿かれていなかったアメリカの作業着が、なぜ世界に広まり、そしてそれは今、どれほどひどい労働環境で作られているのか? そして文化のグローバリゼーションをどう考えたらいいのか、等々について考えている。


『オルタ』 08年11-12月号

http://www.parc-jp.org/alter/2008/alter_2008_11-12.html

『女工哀歌』HP(もう渋谷、横浜での上映は終わってしまったが)

http://www.espace-sarou.co.jp/jokou/index2.html



ただ、自分で書いておいてこう言うのもなんだが、もちろんこれはこれで十分に由々しい問題だけれども、今の「金融危機」ほど由々しくはない(大抵の問題はこの「金融危機」ほど由々しくないと思っている)。
この出来事を、何が悪かったのか、誰のせいなのかをうやむやにしたまま、「景気の後退から不況」というまるで自然災害みたいなものに見舞われたかのような形で、このまま終らせていいわけがない。
そのしわ寄せは、世界中のより弱い立場の、より不安定な人々、例えばリストラされた(る)人々に行くのだ。そうやって長い時間をかけて、そのツケを皆で支払うのだ。
バブル崩壊のツケを、日本の“ロスト・ジェネレーション”が支払わされたように、だ。*)
こんなことを今後も繰り返すつもりなのか!?
それどころかこれは「新自由主義の破綻」なのだ、などと書いていると長くなるので、これについてはまた項目を改めることにする。

*) ちなみに、97年の日本の金融危機後はリストラの嵐が吹き荒れ、翌年から50代を中心に経済苦の自殺者が増大して、自殺者3万人の時代に入った。

参考:『東京新聞』12月2日社説 雇用不安拡大 非正規から対策を急げ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008120202000092.html