スポーツと不況問題

オルタ 09年1・2月号.jpg『オルタ』09年1‐2月号に、「スポーツ」とグローバル経済について書いた。
今世界中で人気の、サッカーなどの近代スポーツは、一体いつごろからどうやって世界に広まり、こんなに我々の生活に浸透したのか? その裏で、アディダスの社長ホルスト・ダスラーや電通がいかに暗躍したか? そのスポーツの国際大会を支えるカネの出どころ、例えば、世界で使われる手縫いのサッカーボールの7~8割を作らされているパキスタン・シアルコットでの搾取のこと、等々。
我々ヒトがどうしても面白がってしまう「スポーツ」というものが、今どんなふうにグローバルなカネ儲けの道具になってしまったかを考える、的な内容になっている。フランス・トゥールーズでのデモ.jpg

参考サイト:Play Fair 2008 Japan
http://www.playfair.jp/index.php?option=com_content&view=section&layout=blog&id=6&Itemid=55


それにしても、今号でも特集に組まれた「金融危機」は、世界中で失業者を増やしながら、より由々しさを増している。フランスでは1月末にゼネストと全土での250万人(パリだけでも30万人)のデモが行なわれた1)が、こうした大きなデモや騒動はイタリア、ロシア、ギリシア、ブルガリア、中国、メキシコ……等々、世界各地で起きている。
日本でも、
金融危機以降の成長率の落ち込みが、本国アメリカやEU圏よりも大きかったわけだから、そういうことが起きてもおかしくない状況であるはずだ2)。

一方で危機による不況は、余計なものを買ったり作ったりする傾向にブレーキをかけ、自動車の数を減らし、貿易に依存したグローバルな経済にまで疑問を投げかけている。ある意味では、少なくとも地球環境的に見れば、この大不況はいい流れも生んでいるのだ。

もちろんまずは失業の問題をなんとかしなきゃいけないわけだが、雇用は元に戻しつつ、無駄な消費や生産や貿易はこのままやめてしまうことができるんだろうか?
こういう時こそ、エコロジーと社会(労働)運動が一緒になって、ちゃんとした「グリーン・ニューディール政策」を要求すればいいと思う(が、両者はなかなか結びつかない)。


)フランスのデモ拡大、参加者250万人に(読売)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090130-OYT1T00493.htm

2GDP:日本の落ち込み突出、輸出主導経済で傷口広げる (毎日)

http://mainichi.jp/life/today/news/20090216k0000e020074000c.html

 

『オルタ』 2009年1・2月号

http://www.parc-jp.org/alter/2009/alter_2009_01-02.html

(特集記事はもちろん、グローバリゼーションに対するローカリゼーションを提唱する世界的な論客であるヘレナ・ノーバーグ=ホッジへのインタビューも面白いので、今号は買いだと思う)


写真は10万人が参加したフランス南部・トゥールーズでのデモ

追加:12万人抗議デモ アイルランド、失業増受け(東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009022302000063.html
追加2:仏デモ、全土で120万人 1月上回る、政権に圧力
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009032001000172.html
(主催者発表は300万人とのこと)
追加3:欧州:各地でG20抗議デモ ロンドンでは3万5千人
http://mainichi.jp/select/world/news/20090330k0000m030075000c.html
追加4:G20 1万人抗議デモ ロンドン金融街 英中銀取り囲む
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009040202000062.html