日本に住む我々は、一人につき5日に2本のアルミ缶を使い捨てている勘定になる(スチール缶はもっと多い)。けれどもそのアルミニウムは国内ではまったく産出しないので、すべてを輸入に頼っている。日本は世界最大のアルミ輸入国なのだ。アルミと同じくもっともよく使われる金属である鉄も銅も、自給率は0パーセントだ。
日本はオイルショック以降、アルミの精製まですべて海外にやらせるために、ODAと称してインドネシアやブラジルに巨大なダムと発電所と精製工場を作り、今も現地の人々と自然環境に多大な負担をかけながら輸入している。それが自販機に並ぶ、あの夥しいアルミ缶になっているのだ。
で、エコポイント(つまりカネ)をあげるから家電を買い替えろ、と?(註)
金属や石油といった地下資源が掘り出されて運ばれてくる過程まで考えれば、それらでできた工業製品の買い替え促進が環境にいいなんてことはありえない。
資源の自給が無理なら、なるべく使わないように、というよりも「作らせないように」するしかないのだ。
──というような記事を、今出ている『オルタ』09年5・6月号に書いた。
http://www.parc-jp.org/alter/2009/alter_2009_05-06.html
エコポイントは、結局は国が出すカネであり、それはもともと我々の税金だ。
これほど露骨な経済界のための政策の連発をやめさせるためにも、そこと対立できる政党(自分としては社民党あたり)に躍進してほしいと常々思っているが、どれだけ自民党が人気をなくしても、決してそういうことにはならないのがもどかしい。
ちなみに都議会議員選と今度の衆院選についての感想は、以前と変わらないこんな感じ。
http://tsurumitext.seesaa.net/article/49524673.html
(註)その目的のひとつに、地デジ普及を謳っている。それのどこがエコなのか聞きたい。 http://eco-points.jp/EP/whats/index.html
参考:ノーム・チョムスキーのインタビュー(の冒頭部分)
http://www1.gifu-u.ac.jp/~terasima/interview040102jew040322hate.htm