宮下公園ナイキ化の真相がここに

新年早々またこの話だが、宮下公園ナイキ化の真相がおおむね明らかになっている、非常にいい映像作品が作られた。

宮下公園 TOKYO/SHIBUYA(前編) (後編) (Our Planet-TV



07年インドネシアでの反ナイキデモ.jpgこの作品は全編が見ものだが、後編14分35秒から始まる長谷部健氏(元・博報堂)のインタビューは特に面白い(この計画を中心になって進めたのは長谷部健、伊藤たけしという二人の区議のようだ)。

恐らく、同じく渋谷にある“ジョーダン・コート”について彼は、ナイキがスニーカーをリサイクルしてることを知り、「渋谷のど真ん中にナイキが、スニーカーをリサイクルしたコートを作ったらニュースじゃん」と思ってナイキにその話を持ちかけ、実現させたと言う。この「企業との癒着」に対する疑いのなさは一体何なのか? 施設の名前であれスペースであれ、皆のものを一企業にくれてやるなんてことは、本来許されない優遇措置なんだが。

それに続く後編17分15秒からの伊藤たけし区議の発言では、この人は野宿者の追い出しを念頭に置いて、宮下ナイキ化計画を進めていたことがわかる。


また後編3分49秒からは、ナイキ工場での労働者搾取と反対運動について、8分02秒からは、公共空間への市場主義(コマーシャリズム)の侵略について、各々専門家が解説していて非常にためになる。

世界でナイキへの反対運動がピークを迎えていた97年、日本はエア・シューズによる空前のナイキブームに湧いていたことは、この国に住む者として知っておくべきだろう。そんな情報鎖国状態は、今でも変わっていないからだ。



参考:PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)について

宮下公園の“民営化”戦略には、ここにも書かれているPFI(Private Finance Initiative)が使われていて、長谷部氏もその点を高く評価しているようだ。PFIは日本では小泉政権によって全国に普及した。けれどもPPPと呼ぼうがPFIと呼ぼうが、そんなものは単に「企業と行政の癒着」なのだ。民営化を大きな柱とする新自由主義は、まだまだ反省されていない。

参考2:宮下NIKEパークのスケートボード場予想図(シブヤ経済新聞)

こんな大工事を行なう予定だとは思わなかった。

写真は、インドネシアで07年に行なわれた、工場労働者による反ナイキデモ。