2010年04月02日

直接民主主義が工事を止めた!

「宮下公園をスボーツ・パークに変えることがいいのかどうか、正直言ってぼくには分かりません。
 しかし、渋谷区が多くの利用者の意見も聞かずに、勝手に計画を進めようとしていることが明らかで、それが民主主義に反したやり方であることは誰にでも分かると思います。
 渋谷界隈に住む人や日ごろ施設を利用する人に広くこの計画のことを知らせ、多くの人たちが納得できる形でなければやるべきではないはずです。
 市民とメディアが権力を持つ側を看視することがとても重要です。それで初めて本当の民主主義が可能になるものだと思います。(pb)
                          ──ピーター・バラカン(註1)
「市民に残された民主主義的手段はデモ行進に出ることだけだ。」
                                 ──小田実(註2)

渋谷区エリアマップ.jpgデモと抗議のための集まり(と、ここ数週間ほどの間に取られた様々なアクション)が、4月1日に行なわれる予定だった宮下公園の工事着工を止めた(彼らは工事にやって来なかった)(註3)。
その後、とりあえずの成功を祝って、この公園で野宿してる人たちと一緒に花見が行なわれ、ギターなどの楽器演奏や歌やDJプレイ(のようなもの)が、ささやかに行なわれた。
全然油断ならない状況は続いているけれども、特にデモからのこの2日間は楽しかった。何しろ、自分たちの手で民主主義をやってのけたのだ。
選挙で代理人を選ぶ間接的な民主制を取っている社会で、選挙制度がまともに機能していなければ(註4)、もう社会の決め事に参加する術はないのか?というと、決してそんなことはない。直接的な方法として、デモや集まりの権利が認められている(註5)。ここ数年強く感じていたことだが、それは意外にも、とても面白いのだ。

実質的に宮下公園の問題は、将棋で言えばもう「詰んで」いて、向こうにできることは、将棋板の上でのやり取り(つまり話し合い)ではなく、時間稼ぎをしたり、暴力的に将棋板をひっくり返したりすることぐらいなんだろう。まだ着工すらしていないのに、知らないうちに渋谷区の路上案内板上の表記だけ「宮下NIKEパーク」に変えるという、ギャグのような手段まで取られている。

これを見ただけでも全然油断できないことがわかるが、ナイキと渋谷区には、これを機会にこの計画を最初から考え直してほしいと願うばかりだ。


(註1)守る会HPより

(註2)作家小田実のホームページ 毎日新聞連載 西雷東騒 より

(註3)A.I.RのHPに詳細な経緯が載っている。

(註4)参考日記:選挙が民意を反映しないわけ (選挙区制度について)

例えば、国民の7割が貧困層と言われているフィリピンで、多数派の貧困層のための政治が実現しないのは、ひとつには富裕層がカネで票を買っているためだ。数ではかなわない富裕層が頼みにできるのは、当然カネの力だ。ここまでわかりやすい手段を取れない日本での反民主主義的なカネの使い道は、政治家への献金やマスコミへの広告料になっているんだろう。
(註5)もちろん、それ以外にもやり方は無数にあると思う。そんなやり方のひとつであると勝手に思っている「宮下ゲットー・ガーデン」も、葉もの野菜やイチゴの種が蒔かれ、ミツバが定植されるなど、拡大を続けている。イチゴを種の直播きから育てるのは難しいが…。
写真は明治通り沿いの渋谷区エリアマップに現れた、「宮下NIKEパーク」の文字。

posted by 鶴見済 at 13:31| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする