2010年06月03日

アメリカに侵略されている

日本の大規模な米軍基地.jpg沖縄の基地をめぐる驚くべき展開はまだ続いている。この問題は終わっていないだなんて、沖縄の人にとっては当たり前のことなんだが、こういう事態に直面すると、我々はアメリカに半ば侵略されているんじゃないか、と考え込まざるを得ない。

その一番わかりやすい例は、もちろん米軍基地だ。しかも我々は、アメリカのアジアへの軍事拠点を提供しているばかりか、「思いやり予算」などという巨額のカネまで毎年支払わされているのだ(註1)。

アメリカが侵略に使っているのは、武力だけではない。

我々が戦後パンを食べるようになったのも、アメリカが小麦を日本に売り込むためだったのは定説になっている(註2)。アメリカの歴代の農務長官、農務次官は「世界支配の近道は、世界の人々の胃袋を支配することだ」と主張してきたのだ(註3)。

マクドナルドやケンタッキー・フライドチキン、コカ・コーラ、フィリップモリスなどのアメリカ発のグローバル企業も、アメリカという国と別々に動いているわけではない。まずアメリカがレストラン資本、コーラ飲料、タバコ等の自由化を迫り、日本が受け入れて環境が整ったところに侵入してくるのだ。

日本に対してこんなことをやってきた国は、他にない。

アメリカはこういう“ソフトな(経済の)侵略”も世界中で行なっている。例えば、エジプトのムバラク政権がアメリカの操り人形になったのも、主食の小麦をアメリカからの輸入に頼ってしまったからだ(註4)。どうして、我々だけは例外だと言えるだろうか?

これを、映画や音楽、ファッションなど文化全般にまで広げて考えると空恐ろしくなるが、一応それも侵略なんじゃないかと疑ってみることはできるし、完全に切り離して考えるのも難しい。少なくとも、今までが無頓着すぎたとは言えるだろう。

明日宮下公園で、米軍のヘリ発着場建設に反対している沖縄・高江の映画上映会とトークが行なわれる(註5)。別に相手がアメリカの代表的なグローバル企業・ナイキでなくても、トヨタでも東芝でも、一企業が公園を私物化(プライバタイズ)するのはとんでもないことなのだが、このイベントをそういう視点で見てみるのもいいかもしれない。

こちらが対等の国同士だと思っていても、向こうがそう思っているとは限らない。

(註1)アメリカの侵略については、今回の基地移設に関する雁谷哲氏のブログ記事がとてもためになる。毎年アメリカが、自分たちに都合のいい“ビジネス環境”などを整えるために突きつけてくる「年次改革要望書」についても解説している。⇒雁谷哲の美味しんぼ日記
参考:日本政府への米国政府要望書 (2004年、冒頭で小泉構造改革を絶賛している)

(註2)参考日記:日本人はなぜパンを食べるのか?

(註3)参考:『穀物をめぐる大きな矛盾』 佐久間智子著、2010年

(註4)参考:『世界の半分が飢えるのはなぜ?』 ジャン・ジグレール著、2003年

(註5)宮下公園野外上映会vol. (『心〜くくる〜UAやんばるライヴ』他、A.I.RのHPより)

図の赤い部分は、日本にある大規模な米軍基地。沖縄だけが真っ赤に染まっている。ここに書かれていないより規模の小さいものも含めれば、日本に米軍基地・施設は135もあり、その7割以上は沖縄に集中している。

posted by 鶴見済 at 13:12| 人間界の経済 | 更新情報をチェックする