2010年10月03日

なぜ野宿者は攻撃されるのか?(追記2件あり)

宮下公園での無理矢理のナイキパーク建設は続いている。

渋谷区は、マスコミを使った反対者のイメージダウン作戦(註1)に続いて、公園内にまだ残っていた野宿者の小屋も壊し、荷物も撤去した。そこは唯一立入禁止区域からも外されていたし、予告もなく、行政代執行の手続も取っていないのに。
これに対して、4日には渋谷区に抗議行動が行われる。その他のアクションも続々と予定されている(註2) 守る会


宮下公園 有刺鉄線.jpg野宿者の存在自体が嫌な人も多いようだが、それなら行政に「ハウジング・プア」問題の解決を要求すればいいのだ。ナイキ・パークを作ることは本来、野宿者対策でもなんでもないのだから。

そもそもこんなに家賃の高い国で、持ち家を持たない全員が、毎月毎月何万円もの家賃を払えるわけがない。家賃を払えない、払いたくない人が出てきて当然なのだ。

生活するうえで家賃が高すぎること、カネのない者に優しい社会でないことは、この国で多くの人が感じている「生き苦しさ」であるはずなのに、怒りはそういう方向へは向かわない。野宿者や野宿者を守っている人たちに向いてしまう(註3)。


「反対運動自体に反対」(註4)という空気を大きくすることについても言えるが、行政は怒りの矛先を、本来向かうべき自分たちに向けず、言わば“仲間割れ”を促すことに全力を注ぐ。それにいちいち乗ってやることはない。


(註1)念のためにまた言うが、反対している人たちは誰でもアクセスできる状態を積極的に作りながら、やむを得ず監視行動をしていただけだ。そうしなければ着工してしまうわけだから。宮下公園は地獄のような場所だったかのようにも言われるが、自分は親子連れが監視のテントがある場所で遊んでいるのも見ている。ゴミが多かったのは、移動した野宿者が残した物が放置され、その上にゴミの投げ捨てが重なったためだ。ゲットー・ガーデンへの投げ捨てゴミの始末も大変だった。

ちなみに、【占拠】1 ある場所を占有して他人を寄せつけないこと。2 占領すること(大辞泉)、だそうだ。

(註2)12日(火)には上智大学で、宮下公園や墨田区の事例から公共空間と商業スペース等について考える緊急シンポジウムが開かれ、自分も出演する予定だ。詳細は後日。

(註3)参考ニュース:ロケット花火でホームレス襲撃 高校生3人逮捕 (産経)
こういう事件が起きる原因は、この社会の空気にあるという見方は当たっていると思う。
(註4)OurPlanetTV映像へのコメント欄YouTube)を参照。
参考映像:宮下公園を救おう!! 手作りサウンドデモ!! (これまでで最高のデモだった!)
写真は、ご苦労にも有刺鉄線まで張られた宮下公園。

追記:
自分も出演する上智大学でのシンポジウムの詳細が決まった。
宮下公園の問題は、特殊な場所で起きている特殊な出来事ではないし、自分自身の生きづらさにも深く関わる問題なのだ、ということを理解するためにも、ぜひ。もちろん無料。

<緊急企画> キラめく街、追い出される人々
テーマパーク化される都市の公共性

宮下公園・行政代執行、墨田区「資源ごみ持ち去り禁止条例」 から公共空間を問いなおす

追記2:
12日(火)、とうとう本格的な工事が始まることがわかり、早朝から阻止行動が行われることになった。
15日(金)には、ナイキ本社前での抗議行動もある。
詳細は ⇒守る会 ニュース ⇒宮下公園12日本格着工(読売)
また居住と人権に関する国連認定の国際的NGOである”HIC(Habitat International Coalition)”が、宮下公園での排除とナイキパーク建設に抗議する声明を発表し、全世界に渋谷区長、ナイキ本社、ナイキジャパンに抗議するよう呼びかけている! 世界の反応は国内とはまるで違う。
Stop the evictions at and the conversion of Miyashita Park to Nike Park! (HIC)
明日は、阻止行動に参加した後、ぜひ上智大学へ。

posted by 鶴見済 at 13:58| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする