「消費のエスカレーターから降りるための9つの原則」を、ハーバード大学教授のジュリエット・ショアは、著書『浪費するアメリカ人─なぜ要らないものまで欲しがるか』(註1)のなかで提唱している。
2.新しい消費のシンボルを作り出す──高級品をかっこ悪いものにする
3.自分自身をコントロールする──競争消費に対する自発的な抵抗
5.商業システムを解剖する──賢い消費者になる
6.「買い物療法」を避ける──消費は中毒である
7.祝い事を脱商業化する
8.時間を作る──働きすぎと浪費の悪循環に陥っていないか
9.政府介入で消費の歪みを調整する
自分ならここに、「買わずに自分で作る」「消費をあおる連中を止める」「マスメディアに踊らされない」(註2)「商品がどこから来てどこに行くのか想像する」等々を加えたい(「賢い消費者になる」という言い方にも違和感を感じる)。
11月27日(土)は、一年に一度、どうしても必要なもの以外は買わずに過ごしてみようというBuy Nothing Dayだ。どうしても必要と思っていたものでも、買わずにいると、そうでもなかったことに気づく。ちなみに自分は、一週間のうち半分以上がバイ・ナッシング・デイだが。
(註1)この本で著者は、消費が減り経済が成長しなくなることは、経済の崩壊につながらないと結論づけている。
(註2)マスメディアは、広告欄に限らず、経済・産業界のための宣伝の道具だ。例えばこんなニュースがあった。
原発受注、タイでも期待高まる 日本原電が技術協力協定(朝日)
「日本原電が協力者に選ばれたことで、ベトナムに次ぐ日本勢の原発受注にも期待が高まっている。」
この「期待が高まっている」の主語は誰か? 原発の輸出を期待する人がそうそういるはずはない。これは、例えば東芝や日立の上層部など、原発で儲けている一部の人間のことでしかない。けれども、新聞はこれが一般の感覚だと思って記事にしてしまっている。彼らにはそんな狭い世界しか見えていないのだ。
関連サイト:Buy Nothing Day Japan
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