1945年の8月9日、日本の上層部は、2番目の原爆を載せた飛行機が飛んできたことを、投下の5時間前に無線を傍受して気づいた。そこですぐに人々を避難させておけば、被害は少なくてすんだ。けれども何の対応もせず、空襲警報すら出さなかったため、被害は甚大になった。それは「アメリカがいくつも原爆を落とせるはずがない」と、何の根拠もなく考えていたからだった(!)。
それを明かしたNHKのドキュメンタリーが非常にいい。
原爆投下─活かされなかった極秘情報 (NHKスペシャル、字幕切れてるが)
まったく愚かしい。そして今の政治の愚かしさは、その頃にそっくりだ(註1)。
けれども「原爆は二発」という我々にとっての“常識”から離れてみたら、一発目の威力があまりにもすさまじかった場合、愚かにもそう思ってしまうかもしれない。
ならば福島はどうなのか? 我々はそのすさまじさに、こんなことは一回だけしかないような気がしていないか?(そうでなければ原発維持だなんて言えるわけがない。)(註2)
(註1)唯一まともなことを言っている首相を引きずりおろして行われる、レベル7の真っ最中の民主党代表選の争点は、「消費税増税」になりそうだという! 開戦も徹底抗戦も、原発維持も、やっても無駄だとわかっているのに、言い出せずにズルズルと進んでしまう。大惨事の責任を追及できないところは、戦後にそっくり。そしてこんなニュースがまた。
(註2)世界では、大事故は3回しか起きないような気もしていないか? 原発輸出先の「南」の国で大事故が起きることを想像できているだろうか?
(参考)
税金で「国民洗脳マニュアル」を作っていた「原発推進」行政(現代ビジネス)
「〈父親層がオピニオンリーダーとなった時、効果は大きい〉〈母親の常識形成にも影響が大きい。父親は社会の働き手の最大集団であり、彼らに原子力の理解者になっていただくことが、まず、何より必要〉」
『原子力PA方策の考え方』についてのより詳しい記事が出た。日本の推進派はこのパブリック・アクセプタンス(PA)を特に重視していて、アジアにも広めていた。そして「父親層」は、あらゆるPA戦略の最大の被害者だ。
図は世界の核実験場。現カザフスタンにソ連の、新疆ウイグルに中国の核実験場があり、今も放射能の被害(癌や先天的な障害など)が続いていることを知らなかった。