2006年10月31日

書評:『大日本帝国の時代』

daibnihonnteikoku.jpg書評:『大日本帝国の時代ー日本の歴史8』
      (由井正臣著 岩波ジュニア新書)

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あとがきに書かれている、
「そしてなによりも、二十世紀になってから、日本ほど長期にわたって侵略戦争を続けてきた国はほかにはありません。」
の一文を読んで、そうだよなぁと思った。
この国は、太平洋戦争だけでなく、日露戦争、韓国併合、日中戦争……と、半世紀にもわたって、ずーっと途切れなく、侵略戦争をやってきたんだった。確かにそんなことは、ナチスドイツだってやってない。
ここに書かれているのは、非常によくまとめられた、その詳細な記録。

戦場や空襲での悲惨な話だけでなく、国内(銃後)で起きていた忌々しい出来事もちゃんと書かれているところがいい。
”隣組”による相互監視や密告の強要。愛国婦人会に大政翼賛会。小学校が軍事教育しかしなくなったこと。敗戦の直前に、武器もないのに本気で準備された本土決戦「全軍刺し違え戦法」。そして敗戦直後には一転して「一億総懺悔」の強調……、等々。

地獄だな、と思う。マジで狂っている。こんなことが本当に起きるのか、と呆然とする。
日本の戦争についての入門書としては、ベストだと思う。 まずどこの図書館にも置いてあるので、借りて読める。
「ああ戦争は嫌だなぁ」と、つくづく思えてくる本。
ラベル:大東亜戦争
posted by 鶴見済 at 18:35| レヴュー | 更新情報をチェックする