我々の日常生活は、資本主義経済というやつに深く深く侵食されてしまっていて、“楽しみ”なんて金で買わなきゃいけないような気がしている。
知的好奇心とかいうものを満たすために、電車に乗って街に出て、書店やCD屋をまわってくるのを趣味にしている人も多いだろう。
が、その回数を減らして、地域の図書館に行ってみるのはどうか?
確かにCDやビデオやDVDはそんなに品揃えがいいわけじゃない。雑誌もそれほどあるわけじゃないが、でもそこそこある。新聞もあるし、本については、書店より充実している。借りることしかできないが、そのほうがむしろ、資源のムダも省けていいかもしれない。
なによりも、タダだ。街中のように座るだけのために、茶代を払う必要もない。
こういった社会福祉施設は、我々の払った税金で運営されているんであって、基本的に書店やCD屋とはまったく別のテリトリーなのだ。税金の元を取るためには、ないCDは入荷するまでリクエストするくらいの気持ちで、最大限に利用したい。
そして図書館には、無料の法律相談(いじめ相談も含む)や各種教室、講演会、自然観察会みたいな(やや渋い)行政サービスの案内もかなりある(役所に行けば完璧に揃う)。
より多くの人が、こういった地元の行政サービスを最大限に利用して、ないものは要求していって、より充実させていくことは、この先重要だ。
今の段階でも、“楽しみ”に限らず、我々が生きるのに必要なサービスは、民間企業にゆだねられすぎてるのだ。我々も知らず知らずのうちに、企業・資本主義経済に食い物にされている(出版物や音楽の情報だと思って手にしているものが、単なる新商品の宣伝のチラシ同然だったりする)。
ある程度は、消費自体が生きがいなんてことになってるかもしれない。
逆に、行政サービスが生活の隅々まで行きわたったら、それは社会主義国家みたいでもあるが、実際に今は、少し社会主義国家(あるいは福祉国家)化しなきゃいけないんだと思う。
まあ、そんなに大げさなことでなくても、外出する口実くらいの感じで行くのには、図書館は絶好なんじゃないか。
自分で本を売る商売してて、こう言うのもなんだが。