2007年02月14日

「共進化」という生き残り戦略

生物の進化史上で最も成功した例は、花(虫媒花)と昆虫の「共進化」なんだそうだ。
つまり、花は蜜という貴重な栄養素を提供して、ミツバチなどの訪花昆虫をおびき寄せる。ミツバチなどは花粉まみれになって蜜を集めて回ることで、花の受粉を助ける。これがここ1億年足らずの間により盛んに繰り返されていって、今地球上は花と昆虫であふれかえってるそうだ。
こういう互いに利益を与えあって、協力者の生存の機会を増やしあう互恵的な関係が、双方の種の繁栄のためには、最も持続的でマシな関係なのだ。
大体、こういう関係のありかたが「共進化」だと言える。

では、相手を滅ぼそうとしたり、戦ったりするやり方はどうか?
がん細胞やエイズ・ウィルスは、生物ではないけれども一例としてあげれば、その寄生している宿主をどんどん蝕んで繁殖していくが、ついには宿主を殺してしまうため、その時点で自分たちも死滅してしまう。
同時に、抗がん剤やワクチンといった、相手からの対抗戦略も誘発する。
「戦う」「滅ぼす」という片方が一方的に利益を得るような戦略は、結果的にあまり利口なやり方ではない。「共進化」とまではいかなくても、せめて「共生」したほうがマシなのだ。

さて。ヒトは、ここ“数百年”の間に地球上で大々的に繁殖した生物種のひとつだが、他の生物に対してどんな戦略を取ってきたのか?
どう見ても一方的に利を得る、「戦い、滅ぼす」戦略であって、だからこそ今になって「共生」なんてことが叫ばれてるんだろう。
ちなみに、ヒトという種のなかの関係、つまり「人間関係」においても、アメリカと第三世界とか、片側利益的な戦略ばかりが取られているようだ。もっと日常的な人間関係であっても、個人的な印象にすぎないが、「労使関係」みたいに、その傾向が強いのかもしれない。
こういう戦略を続けていれば、結果的にどうなるのかは目に見えている。

現実的には、「互いに恩恵を与え合う関係」だなんて、けったくそ悪いたわ言のようであって、そんなこと言ってたら生きてられない状況だったりもする。が、やはり理想はそれであることに変わりはないし、部分的にも不可能かというと、そうでもない。
互いに戦うことのデメリットは、疲れる、という形ですでに実感してるはずだし。  
posted by 鶴見済 at 21:40| 自然界 | 更新情報をチェックする