東京オリンピックなんかやらなくていい

石原慎太郎都知事が、今時、オリンピックをよりによって東京でやろうと張り切ってるが。
いったい何を考えてるのか……。

オリンピックにかかるカネは、石原自身の去年6月の発表によると、大会運営費3千億円、施設整備費5千億円(うち都の負担は5百億円)だそうだが、実際には道路や空港、湾岸開発なんかのインフラにかかるカネも含めると、総額7兆円を超えるとも言われる。7兆円……。
で、東京都は毎年1千億円を積み立てる計画まで発表してるのだ。
そんなカネ、どこにあるんだか知らないが、あるなら福祉にまわすのが当然だろう。この格差・貧困問題でのっぴきならない状況においては。

大体、東京オリンピックは高度経済成長の象徴みたいなものとして、1964年に行われたが、東京で一発ドカーンとオリンピックをやろうなんて発想自体が、高度成長期的でもう古いのだ。

「昨日よりも今日、今日よりも明日はより発展してるべきだ」というのが経済成長主義の思想だけれども、そんなのはもう70年代から“先進”諸国でも否定的に見られてる。
それで、「作っては壊す」を繰り返すような、建設業界がもうかるようなことはもうやめて、省エネ、リサイクル、エコロジーを推進していく時代になったんじゃなかったのか。
今はむしろ、「昨日も今日も明日も変わりばえのしない日常を、どうやりくりして生きていくか」が課題だったんじゃないのか?

「オリンピックには夢がある」とかなんとか石原都知事は言ったようだが、そんなものをやってもやらなくても、「夢」なんてものはない。