2007年04月15日

軍拡が批判されない不思議

fBAERg[.jpgある国が軍隊を海外に送ったり、そのための軍備を拡大したい時に、国民に対して何をするか?
反戦・反グローバリズム知識人の代表であるノーム・チョムスキーの『メディア・コントロール』という本には、こんなことが書かれている。

国民は普通平和主義に傾いてしまうものなので、そういう時には、国が敵国の脅威をマスメディアを通じて大々的に宣伝・広告し、国民を怯えさせ、世論を好戦的な方向へ操作して、その政策を後押しさせるのだ。
この方法は、アメリカが第一次大戦に参戦しようとした時に初めて使われたもので、敵国・ドイツの恐ろしさを宣伝することによって、平和主義一色だった世論をわずか半年足らずで、ヒステリックな戦争賛成論に変えたそうだ。
その後この方法は、ユダヤ人を仮想敵としたナチス・ドイツをはじめ、多くの国で採用されて、今に至っているという。
確かにそういう例は、戦時中の日本でも、911以降のアメリカでも、いくらでも思いあたる。もはや常套手段と言ってもいい。

今の我々も、ある程度そういう国策のなかにいるんじゃないだろうか?
この国では、軍備拡大の(あるいは軍隊を持ち、海外へ送る)ために、北朝鮮や中国への敵国感情をあおるような、メディアを通した宣伝が行われていないだろうか?
国がNHKに対して、北朝鮮拉致問題の放送命令を出したことも、その一例とも見れるし。

憲法“改正”の最大の目的は、言うまでもなく、戦力(軍隊)の保持だ(それ以外にも見落とせない点はたくさんあるが)。憲法が“改正”されたら、この国が軍拡に向かうことは間違いない。
なのに、国民投票法が勝手に作られたりして、“改正“は着々と進んでいても、国民の多くがただその経過を眺めているのはなぜなんだろうか。それによって増大する軍事費を、自分たちが負担させられるっていうのに、なぜか世論が普通に平和主義の方向ではなくて、好戦的なほうに傾いてしまう。
もしかしたらその国策は、すでにある程度成功してしまっているのかもしれない。


しかし、都知事選に続いて国民投票法案の強行採決と、まったくもって政治的に最悪の状況が続いていることだ。

posted by 鶴見済 at 14:24| 人間界の政治 | 更新情報をチェックする