外出自粛が長引いて、孤立はどんどん大きな問題になりつつある。
ただでさえ大問題とされていたのだから、当然のことだ。
やっかいなことに、人は不安が高まった時にこそ、誰かとつながって安心したくなるものだ。
けれども、こんな状況でもつながりを作ることはできる。世界的に流行っている方法がふたつある。
1
ひとつめはもちろん、Zoomなどのオンラインミーティングでつながる方法だ。
友人レベルで飲み会というのが一番盛んなのだが、では誰とやってみようかと考えてみるとなかなかハードルが高い。友達はいても、オンライン飲み会に誘うのはまたちょっと違う難しさがある。
それならもう一つ広いレベルで、参加者を募集している読書会、英会話などのオンライン集会に参加する手がある。居酒屋も含めありとあらゆる「居場所」が今オンライン化しているので、新しい人間関係を開拓するチャンスと言える。場所を問わないというメリットがあるので、この機会に地方の人や海外の人とつながっておくのもいい。
ただこれも、一度顔を出したことがある、など近い集まりから探していくのがいいだろう。
もちろんGoogleやTwitterで検索し、いきなり飛び込むのもいい。勇気がいるが、リアルのほうがもっと勇気がいる。
自分もネット上のつながりはあまりあてにしていなかったのだが、それはSNSなどでのことで、実際に顔を合わせて話すとなると、やはり会うのに近い安心感が得られる。いくつかオンライン会を試してみてそれを痛感した。
2
そしてもうひとつは、「他の生き物とつながる」方法だ。
これは世界的なブームになっていると言える。
アメリカでは擁護団体からのペットの引き取りが激増しているし、日本でもペットのレンタルが増えたと報道された。
アイスランド政府は木を抱きしめることを薦めている。
ツリーハグと言うと違和感を覚える人もいるかもしれないが、「一本の木に愛着を感じる」ことだと思えばどうか。猫や鳥や花に愛着を感じるのであれば、木に感じても何もおかしくはない。言われてみれば、幹の形や手触りなど、好みの木を見つけることはできそうではないか。
花が咲いてきた時期なので、自分で花を育てたり、散歩中に観察したり、植物に目を向けるのはとてもいい手だ。
人は何かに愛着を感じていたほうが、心の健康を保ちやすい。
もちろん「人間であり、かつ気の合う相手」に愛着を感じるのが一番いいのだろう。けれどもそのような相手が見つからない人もいれば、嫌な相手に当たってしまった経験から、人間が懲りている人もいる。その場合は「人間にこだわらない視点」も大事なのだ。
さらに言えば相手は、生き物ですらないぬいぐるみや人形であってもいいのだ。すでに人間はそうやって心を満たしているではないか。自分の子供やペットをかわいがるのと同じ心の作用なのだから、気持ち悪いことでも何でもない。
男でもぬいぐるみはありだと思う。
期せずして、人と人がリアルに接するのをやめてみるという全人類的な社会実験をやることになってしまった。
実験結果としては、人間以外とのつながりや、テレワークなんかはこのまま定着してほしいものの、全体としては「やっぱりリアルに集まるのはいい」ということになるんじゃないか。
この記事へのコメント