ストレスを人にぶつけて解消しない方法

ストレスがたまらない人はいないし、気に入らない人がいない人もいない。聖人君子なんてどこにもいないのだから(そういう顔をしている人がいるだけ)、それはないことにしても始まらない。
そして時には、両者の回路がつながって、ストレスがたまると、気に入らない人に悪意をぶつけることでそれを解消してしまう。些細な失態や犯罪を犯した芸能人や犯罪者を攻撃する心理も、そんなところだろう。

それが常態化している人もいる。
ある著名人に10年近くもネットで誹謗中傷を続けた末に、告訴され有罪になった人の話を聞いたことがある。そういう人は、

ストレスがたまる→その著名人を中傷して解消

という回路が、習慣化していたに違いない。そうでなければ、10年も同じ人を中傷し続ける動機があるとは思えない。


インターネット登場前なら、身のまわりにいる「やり返してこなさそうな人間」が、そのストレス発散の対象だっただろう。
ムカムカする、カッとした、などと言って、いじめ、DV、ハラスメント等々を行って解消していたのだ。そうした人がまわりにいなければ、そういう解消法は不可能だった。

けれども今はネットがあって「書き込み」ができる。こうして「たまったストレスを人間にぶつけて解消」という不幸な回路が、全盛期を迎えてしまったのだ。

なぜいじめをするのか? ハラスメント、マウンティングは? そんなことをこのブログでは書いてきたが、その仕組みは大体こんなところだろう。


それなら、この両者をつなげないことは、ネットの書き込みによって人が死んでいる今、特に重要な課題だ。
ストレスがたまった時に、嫌だなと思う相手への嫌悪感が高まることは当然あり得ることだ。けれどもそれらをつなげないこと。さらに嫌悪感が高まっても、他害を実行することで鬱憤をはらさないことだ。

聖人君子なんか実際にはいないのだから、これは我々全員が自分自身に言い聞かせるべきことだ。


ストレスがたまったら、人間ではない物にぶつけたり、大声を出すなど、何か他の方法で発散する術を持つこと。これは決定的に重要になる。
自分の場合は、畑に行って鍬を土に振り下ろすのがこれに近い。土に触ったり雑草を抜いたりするだけでも相当の発散効果があると感じている。カラオケなんかも、割と定期的に行くようにしている。
耐え難い時には抗不安薬を飲むし、長く続く時には抗うつ剤を飲んで効果があり、「うつだったのか」と驚いたこともある(イライラが止まらないタイプのうつもある)。


自分のストレスの発散に他人を利用しない。これは頑張らないとついやってしまうようなことだが、そこはまず頑張るべきところだ。一番上の課題だ。
では食べ物に向かったら? ギャンブルに向かったら? というのはそれ以降の話だ。

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