新刊に自分の書きづらいことを書けたわけ

_20220624_174005.JPG新刊『人間関係を半分降りる』についての大まかなことは、著者インタビューや版元の特設ページに公開されている。
特設ページやAmazonでは前書きなどのためし読みもできる。


さて、それ以外にここで言いたいことは何だろう?

この本を書くときに心がけたのは、読みやすいものにすること。
これまでのようなデータや分析ではなくて、エッセイや生き方本のように読みやすいものにしたかった。
最大の資料になったのは、自分の10代、20代の日記だ。
もちろんかなり調べてもいるが、前面には出していない。

本の帯にも書いてある、社交不安障害や兄弟間DVなどの「自分の過去の悲痛な体験」の部分が、一番興味を持ってもらえるところかもしれない。
それを書かないと、「人間は醜い」という言葉の意味がわかってもらえないだろう。

これだけ長く物を書いてきたのに、今になってこんなことが言えるようになったのはなぜか?
自分より若い物を書く人が、いや物書きでない人も、堂々とそんなことを書いたり言ったりしているのに励まされたからだ。
(アセクシャルであることを堂々とテレビで語る若い人にも、胸のすく思いだった)。
不適応者の居場所で、こんなことを話せたのも大きかった。

もっとも昔は昔で、他の誰よりも自分の言いづらいことを言うほうだったのだが。
いや、もちろんまったく言わなくてもいいのだが。
迫られても、嫌なら堂々と言わずにいればいい。

あとは、「気楽になる方法」を最終章にまとめていることか。
これも穴埋めなんかではなく、これで別に一冊書こうかと思うくらいのことを、出し惜しみせずに書いた。


この本については、こんなふうにあまり気合を入れないで、これからも軽く書いていこうと思う。
(気合を入れると書かなくなるので)。

※写真はサイン本の一例。

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