「まだ問題であると世の中に認定されていない問題を取り上げるのはやりがいがある」という話だ。
例えばセクシャルマイノリティ(LGBTQIA)の問題が日本で広く認知されたのは、5年くらい前のことだったと思う。
例えばセクシャルマイノリティ(LGBTQIA)の問題が日本で広く認知されたのは、5年くらい前のことだったと思う。
発達障害もHSPもここ5年以内のことだろう。
それらの問題は、もちろんその前からあった。それがブレイクする瞬間を、皆が目撃したわけだ。
もちろん問題認定された問題については騒いだほうがいい。
けれども、我々が直面している悩みなんて、問題として社会に認定されているもののほうが少ないのではないか。
それに日の目を当てるのは、とてもやりがいがある。
新刊に書いたような人間関係の問題には、まだ問題認定されていないものが多い。
例えばママ友いじめのような、大人のいじめ。
そして、大人になった親子間のDV。
あるいは恋愛感情と関係ないストーカー行為。
地獄にもなり得る問題なのに、これらは特に法律があって取り締まられているわけではない。
支援なんかも受けにくい。
いったん問題認定されると、「○○ハラスメント」のようにすごいところまで騒がれるものもあるのに、そうでないとあっさりスルーされるのはなかなかに不思議だ。
そしてそんなうちのひとつが、兄弟姉妹間の加害の問題だ。
つまり夫婦間、親と未成年の子どもの間ならそれを取り締まる法律があるけれども、兄弟姉妹間はそこに入っていないので、一般の傷害罪といったくくりで取り締まるしかない。
家族の問題と言えば、毒親、親ガチャなんて言葉はよく聞くし、夫婦間のトラブルもよく出るけど、毒兄なんて言葉はまず聞かない。
兄弟姉妹の加害話は、マスコミもあまり報じないのではないか。
自分の直接の知り合いのなかにも(もちろん若い人でも)、それに悩まされた人は何人もいるのだが。
新刊には、自分が兄から暴力や嫌がらせを受けて育ったことを詳しく書いた。
このブログにも兄弟間DVについては書いたことがあるので、こちらも興味があれば読んでほしい。
この本を発表したら、兄弟姉妹間の加害に脚光が当たるんじゃないか、などとちょっと期待していたのだが、力及ばず、そんな動きは今のところ微塵も感じられない(笑)。
けれども自分が死ぬまでには、この問題も認知されてほしい。
認知されていないだけあって、親の介護や死の問題がちらつくと、「兄弟なのに仲良くできないのか」の声が飛んできたりするので。
せっかく久しく接触せず、平穏に暮らしていたというのに。
もっとも、問題のことばかり考えなくてもいいんだけど。
※写真は新刊の帯の裏。
この記事へのコメント
吉田
日本じゃ絶対にありえないセリフだと思いました
映画火垂るの墓でも実際は妹が餓死しても兄は5,000円もっていたとききました(実際わからないけど)
ちびまるこちゃんでもさくらももこの実際の家族は憎み合っていてマンガは理想を描いたとエッセイで書いてあった
人間関係は美しいものだというメッセージの高い映画やドラマを観せられて育つと現実とのギャップに苦しむこどもが逆に増えると思います
これからの時代の子供は私たちの時より偏った情報じゃなくて生きやすそうと思いました