2007年09月07日

グローバル企業は種も独占する

roundup ready.bmp「金儲けをするのは簡単だ。衣食住という、生きていくのに欠かせないものを売ればいいのだから」
         ──モンサント社・シャピロ前社長

どんな植物でも殺してしまう農薬・除草剤が世界的に売れている。バイオ・グローバル企業であるモンサント社の主力商品「ラウンドアップ」がそれだ。

すべての植物を殺すということは、肝心の農作物まで殺してしまうのだから、農薬としては使えないはずなんだが、この会社は同時に遺伝子組み換えでこのラウンドアップに耐性のある大豆、菜種、トウモロコシ、綿花……、といった多くの新種を開発していて、農薬とセットで農家に売っているのだ。
そしてこの新種の特許を取って、農家が種を自分で採っておいて次の年に蒔くのを禁止している。
今では例えば、アメリカで作られる大豆の85%はこのラウンドアップ耐性のある新種の大豆なのだ。
こうしてモンサント社は今や世界最大の“種子企業”になっている。

よくこういう商売を思いつくな、と感心する。

さらにモンサント社は遺伝子組み換えによって、不稔性の種子、つまり採った種を次の年に蒔いても育たない品種まで開発して(ターミネーター技術という)、わざわざ農家に毎年種を買わせるようにしむけているのだ。
(遺伝子組み換えというのはもっとまともな技術なのかと思っていたが、アメリカの遺伝子組み換え品種の71%は、除草剤耐性のために作られてるそうだ。)

まったくバカバカしい話で、モンサント社が世界中の農民の反対を押し切ってこういう経済活動や技術開発に励んだところで、自然界はもちろん、人間界のためにもならないだろう。
しかしこうすることで、企業と世界経済は発展する。経済活動とは、もともと売り買いなどしなくても済んでいるところに、カネを介在させて儲けるという一種のアイデアとも言える。公共のもの・タダのものを、私有化・有料化していくというか(「民営化」も“privatization=私有化”という英語の訳なのだ)。

本来なら、全員がもっとカネを使わずに生きられる方向に持っていかなきゃいけないはずなんだが。

「我々は単に種子会社の合併統合をしたのではない。食物連鎖すべての合併統合だ。食べ物を作るには種だけでなく水も必要なのだから、次に我々がすべきことは水を制することだ。モンサントは水ビジネスに乗り出す。まずは水不足に直面しているインドとメキシコから始める。そこには、我々が活躍できる市場が、ビジネスチャンスがいくらでもあるのだ」
                    ──モンサント社、1998年の発表より

よくこういうことを思いつくな、と感心する。

参考:ヴァンダナ・シヴァ著、奥田暁子訳、『生物多様性の保護か、生命の収奪か──グローバリズムと知的財産権』、明石書店、他

posted by 鶴見済 at 22:58| 人間界の経済 | 更新情報をチェックする