月刊『むすび』で連載が始まっている

正統マクロビオティックの雑誌、月刊『むすび』で連載を始めた。テーマは、つながり作りについて。マクロビオティックというのは、日本の伝統食に則った菜食メインの食事法と思想。アメリカなどで流行って逆輸入でブームになったのを覚えている。それを考えたのが正食協会で、そこが出している雑誌がこれ。食についての記事が多い。 『月刊むすび』  目次

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宮台真司による捏造記事を訂正する

宮台真司が今年出した『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』という本のなかで、自分(鶴見済)の著作活動を概説するかのような記事を書いているが、それがとんでもない中傷的な捏造ばかりなのを発見した。ここにそれを指摘し、一刻も早い訂正を要求する(引用は同書p109から)。 その捏造を一言で言えば、こちらを「まるでオウム真理教のように」見せようと躍起になっている、と言えるが、問題はなぜ彼がそうするのか、だ。それについても後述している。 また、なぜ自分が90年代を通して「同じことの繰り返しの日常」論を展開していたのかも最後に書いている。 ではやや長くなるが、まずこの文から見てみよう。 ●「1980年代後半から始まる鶴見済の著作活動は、現実リセットのツールとして、最初はハルマゲドンを称揚し…」 ここまで醜い捏造が訂正されずに掲載されているのだから、他の記述の信憑性も推して知るべしだ。 自分が著作活動を始めたのは90年代からだ。辞書によれば「称揚:ほめたたえること」だ。かつてハルマゲドンを褒め称えたのなら、誰もが「怪しいオウムのような人物」と思うだろう。ただし93年の第一作のなかで「ハルマゲドンなどない」とわざわざ書いているのだから、褒め称えるはずがない。 ●「(鶴見は)「現実」は本当にリセット不可能なのか、と問います。鶴見は1996年に『人格改造マニュアル』において、僕の<終わりなき日常>という概念を「ハルマゲドンなき世界」と言い換えた上で、「ハルマゲドンがなくてもドラッ…

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五輪による無駄な再開発激増時代に捧げる『脱資本主義宣言』関連記事

我々が今目にしているこれこそが、”ショック・ドクトリン”(どさくさ紛れの資本主義)に他ならない。 東京五輪を口実にした無駄な再開発と排除のすべてに反対する。 五輪をやるというなら、無用な施設の新設や改築、無用な道路や鉄道の整備、無用な海の埋め立て、野宿者の排除、無用な監視カメラの増設、過剰警備等々は一切なしでやってもらう。 こんなにモノが溢れているのに、さらにもっと作ることを喜んでいるなんて、頭がおかしいんじゃないのか?(下線筆者)。 何度でも言うが、いらないものを作って大企業を儲けさせ、カネを稼いで生きていくのはもうやめて、もっとエネルギーの無駄の少ない楽な生き方をするべきなのだ。「経済成長=大企業の儲け=幸せ」などというのは、もともと高度成長期だったら何とか通じたかもしれないまやかしだ。 なぜ経済成長主義では幸せになれないのかについては、最新刊『脱資本主義宣言』に詳しく書いているので、ぜひ読んでみてほしい。 さてその『脱資本主義宣言』に関して、これまで新聞やネット等に掲載され、今も読むことができる書評などを掲載しておく。かなり時間が経ってしまったので、今読めるものだけを。 ●「経済成長以外の解決策を」『脱資本主義宣言』著者インタビュー (北海道新聞) ⇒「日本のGDPは世界3位。これで幸せになれないなら、GDPが低い国は一体どうすればいいんですか。富の配分が大企業に偏って、中小に回っていないだけです。パイを大きくするのではなく配分を変えればいいだけの話なんです」(鶴…

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トークイベント・ブームと音声サイト「tsurmi's talk」

90年代に比べると、00年代以降のトークイベントの多さには驚かされる。 トークに限らず、映像の上映や音楽の演奏があり、そこにちょっとした食べ物がついているといった手作りイベントは全盛期を迎えていると言っても過言ではない。自分もこんなに人前で話すことになるとは思わなかった。 その分だけ「自律した経済空間」は広がっているわけなので、とてもいい傾向だ。あとはその料金やドネーションである程度生活できれば、それに越したことはないのだが…。 というわけで、そんなトーク仕事をフォローするために音声専用のサイトを立ち上げた。 turumi's talk 鶴見済公式音声サイト 第一弾は去年8月に行われた、桑原茂一さんのスペース、渋谷・ディクショナリー倶楽部での「脱資本主義講座」。1部、2部を通じて、今の経済の仕組みの批判と、別の経済の仕組みの模索を行っている。 以後続々とトークやスピーチの音源や映像等を紹介していく予定。 こういうものが増えることこそ、「もう一つの世界」が近づいている証だ。 (註)写真上は、今年5月の鶴見済×二木信「砂漠の思考」@新宿bookunion。下は昨年の福岡・反転地でのトークイベント(photo by Kenichiro Egami)  

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フィリピン報告会やります!

2~3月にフィリピンに行き、街や村を見て、現地アナキストが主催するエコ・キャンプに参加してきたので、その報告会をします。 自分が回ったのは、首都マニラ、セブ島・ネグロス島・ボホール島、そしてエコ・キャンプが行われたマニラ近郊のタナイ、同じくマニラ近郊の汚染された川と湖など。 フィリピンの街や村を見て印象に残ったのは、野宿者・物乞いの多さもさることながら、小さい商店や屋台が道の両脇にずらりと並んで、活況を呈していること(売れているかどうかは別として)。あらゆる食べ物と衣料品が売られ、電気製品の修理や刃物研ぎまでが路上の屋台で行われている。有象無象としか言いようのない老若男女がそこにたむろし、コミュニティを形成している。町の商店街を失うというのは、同時に何を失うことなのか痛感した。 そこには大きなスーパーやショッピングモールやファストフードも進出していて、入口には警備員が自動小銃を持って立ち、入店者全員のバッグの中をチェックする。ショッピングモールやマクドナルドにはもちろん小ぎれいな小金持ちがたむろし(自分だってその一人だった)、大人しくバッグのなかを見せ、大人しくアーバンな行動をしている。声のでかい、服の汚れた、荒っぽい路上の人々はそこに入って来(られ)ない。 大商店はいずれ路上屋台を駆逐するかもしれないが、それが駆逐されつくし、モール内部が社会全体に行き渡ったのが日本なのだろうな、と思わざるを得なかった。ここではもう、いい歳をした大人が平日にそこらへんをブラブラすることはできないし…

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鶴見済『脱資本主義宣言』 自律スペースツアー開始!

●9月1日から、下記のような新刊『脱資本主義宣言』関連ツアー(?)を敢行します! どれも個性の違うイベントなので、話す内容も変わります。 これらのイベントが行われる場所、運営のされ方、などにも注目してほしい。こういう場所での集まり自体が、資本主義後を生きようとする我々にとって必要不可欠なものです(長崎での予定を追加しました)。 9月1日(土) 19:00~ 野方・こたか商店  幸せだ大学 第2部トーク 500円 宗教がテーマらしいので、我々の死や再生、我々自身の物質循環、そして自然界から切り離された不幸、ヒトの世界・カネと経済しか見えなくなった不幸、等々について話す予定。 9月4日(火) 19:30~ 新宿の特殊書店・模索舎  ブックフェア「脱資本主義読書宣言」関連トーク・交流会 投げ銭制 ブックフェアで選んだ30冊について選者・鶴見が解説しながら交流を。鶴見の宣言文と各選書への一言コメントがついた無料小冊子はマスト・アイテム。 9月10日(月) 19:30~ 下北沢・気流舎 ワンドリンクオーダーと投げ銭制 『脱資本主義宣言』読書会(夜明け前の社会学カフェ) テキストにじっくり向き合いながら、じっくり話し、じっくり質問などを受ける会。自分としては、これが一番言いたいことが言えるスタイル。気流舎のシリーズイベント、夜明け前の社会学カフェの一環です。カフェの主催者のお話もあります。 本を持っている人は、持って参加しよう。 9月22日(土) 19:00~ 福岡市の…

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鶴見済「脱資本主義講座」が渋谷・ディクショナリー倶楽部で開催!

●桑原茂一さんによるスペース、渋谷・ディクショナリー倶楽部で、トークイベントをやります。 第1部は鶴見が新刊『脱資本主義宣言』に即して、このクソな経済の仕組みが、我々の人生をどれだけ貧しくしているか、そしてその解決策を、本に書けなかったことを盛り込みながら話します。例えば、今も社会を牛耳る経済界のこと、「経済のため」主義による洗脳、消費と輸入漬けにされる我々とアジアの貧困・環境破壊の関係、誰にでもできる対抗手段、自然界とのつながり直し方、等々。編集者の大久保さんに、聞き手役をやってもらう予定。 そして第2部は、小川てつオさん、いちむらみさこさんと鶴見のトーク。 小川さんといちむらさんは、もう10年も都内の公園で暮らしています。そのカネに依存しない暮らしとはどういうものか、食べ物はどうしているのか、いいところと大変なところなど、あれこれ聞こうと思います。他にも、公園の生活からこっちの世界はどう見えるのか、カネに頼りきった我々は何を失っているのか、等々、聞きたいことばかり。 入場料は無料! このイベントは同会場で行われている「ART PICNIC#6 ROCKN’ ARROW」の一環として行われるもので、会場も展示など見所が満載。これに来ない理由がよくわからない。 脱資本主義講座 出演:鶴見済、小川てつオ、いちむらみさこ 8/19(日) 1部18:00~ 2部19:30~(予定)、入場無料 詳細 ⇒ 鶴見済 脱資本主義講座 (ディクショナリー倶楽部HP) ●『脱資本主義宣言…

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『脱資本主義宣言』発売記念、鶴見済トークイベントやります

「資本主義後をどう生きる!?」というサブタイトルのついた『脱資本主義宣言』発売記念イベントをやります。 まずプロローグとして、自分がこういう本を出すことになった経緯について、など。 第1部は本のひとつのテーマである、我々のこの輸入・ゴミ輸出生活が、海外、特にアジアにどんな迷惑をかけているのかを中心に、色々な話を。 そして第2部では、これも本のもうひとつのテーマである、経済至上主義の国・日本の変化について。我々の生きづらさは、かつてと今とではどう変わり、今後は企業にすがらずに生きていけるのかどうか、など多岐にわたって話をします(だめ連がかつてを振り返るのは、極めて珍しいこと。この面子でないと話せないことがある)。 ************************* 『脱資本主義宣言』発売記念ライブ──資本主義後をどう生きる!?7月24日(火) 18:30開場 19:30開演 プロローグ 鶴見済 第1部 日本とグローバル化の問題 (内田聖子<PARC事務局長>(註1)×鶴見済) 第2部 生きづらい社会の過去・現在・未来 (雨宮処凛×だめ連<神長恒一、ペペ長谷川>×鶴見済)(註2) (本は会場でも販売します。イベント終了後サインなどします) 会場:ロフトプラスワン 前売¥1000/当日¥1300(飲食代別) ⇒ スケジュール/予約受付方法 *************************** (註1)内田さんが事務局長を勤めるPARCは、自分も連載させても…

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新刊『脱資本主義宣言』と「カネではない価値観」

『「経済のためだから、理想論ではなく現実問題として、仕方がない」。 こんな言葉の前に我々は、どれだけ多くのことを諦め、思考を停止させられてきたことだろうか。』(前書きより) こういう書き出しで始まる『脱資本主義宣言──グローバル経済が蝕む暮らし』(新潮社)という本を出した。 『レイヴ力』(対談集)以来12年ぶり、自分で書いた本としては『檻のなかのダンス』以来14年ぶりの本になる。 ここしばらくデモやイベントや畑に足しげく通いながら考えたことを詰め込んだつもりだ。レイヴを通して考えたことももちろん大きな柱になっている。 自分はこの大量生産、大量消費、大量廃棄、大量輸入のあり方を疑わない社会の空気を、どう考えてもおかしいと思う。 自分だってこれまでは知らなかったので、偉そうなことは言えない。けれども、自分の服や食べ物、買っている物が、どこで誰に迷惑をかけながら作られているのかも考えもせずに買い捨てに浮かれているとしたら、やはりそれは愚かなんじゃないかと思う。けれども、我々だって悪意でそうしているわけではなく、愚かにさせられているんじゃないか? 経済のためだとか、景気回復がすべてを解決するとか、そんなことばかり聞かされてきたが、結局は大企業のカネ儲けのためだったんじゃないか? カネがなくて困る人が多いのは、経済の成長が足りないからではなく、富の分配の仕方が間違っているからなんじゃないのか!? ──この本には、こんな「資本主義」という経済の仕組みに対する自分なりの怒りが、身近なも…

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twitter始めました

わけあって、やるまいと思っていたtwitterをついに始めました。短い言葉で言えることはこっちで、長くなることはブログで書くことになると思います。どうぞうよろしく。⇒鶴見済twitter   図は、関係あるわけないが、07年度の宣伝広告費上位10社。東京電力など入っていない。つまりメディアにとって東電以上に批判禁止である大企業はまだまだある。特にトヨタ、電通などは敵に回してはならないことで知られる。

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”安心”が煽られている

“安心を煽る危険な人たち”はついに、「放射性物質を飲み込んでも安全」と言い始めた(註1)。今や東京ですら、乳児が水道水を飲めないのだ。値がもう少し増えて、皆が飲めなくなったらどうするのか?パニックと”風評”を押さえつけるのではなく、原発に近い地域の子どもから順に、水が飲める場所に避難させたほうがいいんじゃないか。そういう形で安心を与えたらどうか。そして我々のこの怒りや不安は、正しく、原発とそれを推進してきた人たちにぶつけるべきだ(註2)。 (註1)放射性物質Q&A:どう対応 ヨウ素、体内8日で半減 (毎日jp)    飲んでも心配なし…入浴・洗髪OK (読売。推進派研究者が語っている) (註2)27日は大きい原発反対のデモがある。 ⇒銀座デモ・パレード(ちなみに同じ日には、宮下公園のナイキ化に反対するデモも。⇒守る会) (参考)放射線による内部被ばくについて:津田敏秀・岡山大教授日本原子力産業協会会員名簿 (これだけたくさんの法人・自治体が原発で儲けてきたのだから、推進派もやめたくないんだろう。ただしこれらのほとんどは、単なる下請け・関連企業だと思うが。)(再掲重要発言)原発「津波に耐え素晴らしい」 原子力行政「胸を張るべきだ」 経団連会長が発言 (北海道新聞) これが16日の発言であることにも驚く。図は、ここ1週間の東京の放射線量の推移。

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エジプト革命を日本人はどう見ているのか?

¡El Pueblo Unido, Jamás Será Vencido! (皆がつながれば、負けることはない。)                ──ラテンアメリカ民衆の抵抗運動のコール エジプトの革命は素晴らしい。そしてこれを見ていると、どうしても「じゃあ、我々は何なんだ!?」と思ってしまう。ヨーロッパや北米でも、もちろん南米でも、大規模なデモが頻繁に起きる(註1)。日本人はなぜこんなに従順なのか、と。気になるのが、「とにかく一日も早い安定を」「周辺諸国も不安定化する懸念」「観光による損失が一日当たり30億円」「石油供給への影響は?」などという、ニュースで散々聞かされてきた台詞だ(註2)。こういう台詞は、民主化に賛成か反対かという域を超えている。そんなことはどちらでもよく、安定していさえすればいいのだ。極めてビジネスマン的である。そしてこれが日本人の革命やデモに対する、平均的な感覚なのではないか?こいう立場はわかっていないのだ。自分たちの意見も聞き入れられない社会に生きているなら、どれだけ安定していも、どれだけカネが儲かっても、幸せでもなんでもないことを。 (註1) 欧州、アラブ諸国…世界各地でデモなのに なぜ日本はこんなに静かなのか? (東京) ここでは記事の前文しか読めないが、大手新聞がこういう特集記事を組んでいるというだけでも、特筆に値する。(註2)ムバラク政権崩壊:日本、不安定化を警戒 (毎日)「(速やかに)憲法からの逸脱状態が回復されることを期待する」(12日、前原誠司外相談話)、…

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正月の山谷で”豊かさ”を感じた

今年の正月(2日)は、山谷(とその近辺)の餅つきと共同炊事に行った(註1)。寄せ場の炊出しというと、支援をする人が猛烈な勢いで食事を作り、配っているのかと思ったら、ここでは支援をする人とされる人の区別はなかった。午前中には皆で、ワイワイと餅をつき、餅をちぎり、それでもあっという間に100人分の雑煮が出来上がった。午後は同じようにワイワイとやっているうちに、チゲ鍋ご飯300人前がズラリと並んだ。これを皆で一斉に立ち食いする様は壮観だ。そして炊き出しに来ている人たちは、初対面であっても、一緒に作業をしていても、とても話しやすい。 “豊かさ”とは対極にあるはずのこの場所で、確かに“豊かさ”を感じた。皆で競争から降りてしまった時のような気分。世の中の空気もこうなればいいのだ。共同炊事は毎週日曜日に行われていて、もちろん誰でも参加できる(註2)。 (註1)渋谷では、ナイキのせいで宮下公園が使えなくなったっため、美竹公園で年末年始の炊き出し・催しが行われた。⇒渋谷越年越冬闘争 (YouTube)(註2)詳しくは⇒ 山谷労働者福祉会館HP写真は以前の、山谷での年末年始の共同炊事の様子。

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APEC反対デモと”NO!APEC TV”出演(追記あり)

大新聞が経済・産業界のための自由貿易推進を叫ぶなか、明日はいよいよ空前の無意味な厳戒態勢を向こうに、反APECデモがある。 そしてその日の深夜(14日)0時から3時間、“NO!APEC TV”というインディ・メディアの番組に出て、国内外のデモの話をする予定。⇒NO! APEC TV 48時間ライヴ・内容 大企業の広告費に依存しているマスコミは、もちろん主張も大企業に追従している。だからこそ、インディ・メディアを見てほしい。 写真は、今年畑で共同で作ったサツマイモの一部。これを他の畑の野菜とともに、その場で煮て食べたのはよかった。夏のジャガイモ収穫の時にも思ったが、自分たちで作物を作って料理して食べるのは、味がどうかというレベルを越えた、得体の知れないよさがある。「生きること」とは単にこれだけのことだ、という本来の単純さに触れるからなのかもしれない。そのくらい我々の「生きること」は、複雑でわけがわからなくなっている。こういう価値を、食べ物など全部輸入すればいいという自由貿易論者は、なかったことにしている。 (追記)NO!APEC TVを夜遅くまで見てくれた皆さん、どうもありがとうございました。番組のアーカイブがアップされました。冒頭には当日のデモの映像もあります。⇒民衆のデモス

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『Rooftop』の宮下問題インタビューに答えた

ロフトが出している音楽文化雑誌『Rooftop』(註)で、宮下公園問題を中心にインタビューを受けた。記事はネットでも読める(誌面に印刷されたものとは内容が若干違っているが、こちらが本文)。鶴見済が語る!! 宮下公園ナイキパーク化問題 宮下問題については、例えば ⇒AIRのサイトのQ&Aのページ などに詳細に書かれているので、そういった話は省かせてもらって(そもそも自分はそれを語るような立場にはない)、ここではこの問題を取り巻く状況や、反対運動に対する人々の反応などについて多く話している。例えば以下のような。「弱い人のために色々と頑張ってる人に向かって、弱い人がガンガン文句を言うみたいなことを安易に、行政に誘導されるがままに、やってきちゃったというか。『小泉最高』とか言っちゃったりして。だから弱い人が弱い人を叩くみたいなバカなことはやめて、まとまって自分たちの生きやすい社会のために抵抗した方がいい。(註2)」「新しい携帯が出たとかいってそれを喜んで買うとか、新しい公園作ってくれないかなとか、そういう受動的なことばっかりが喜びじゃないですか。娯楽に限らずDIY的な生き方をもっとやっていかないと、ほんとに企業の手のひらの上で遊ばされてるだけになっちゃうでしょう。(註3)」 (註1)『Rooftop』はロフトが出している音楽・文化情報フリーマガジンで、レコード屋やライヴハウス、ロフト各店などに置いてある。自分も80年代の頃からの『Rooftop』を今でもたくさん保管しているが、今号で紙媒体とし…

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ヨーロッパとラテン・アメリカの反資本主義事情を聞くイベントやります!(追記あり)

「私は、いまの世の中、こりゃあ、もう一揆か革命しかないとフツウに思う。どこの国へいっても、超金持ちがいて、超貧乏人がいる。金持ちは貧乏人からあらゆる権利を「合法的」に奪って豪邸に暮らしている。貧乏人は100円以下の金でギリギリ以下で暮らしている。「先進国」の貧乏人たちも長時間労働な上、安月給で豚小屋みたいな部屋の中で暮らしている。 もう、これ以上、貧乏人は我慢する必要はないと思う。貧乏人たちは、金持ちから奪われたモノをすべて取り返すしかないと思う。 これは、米国や大国の企業に土地を盗られて貧困から抜け出せないグアテマラの先住民や農民たち(革命前)、先住民の尊厳や自分たちの土地を取り返すために武器をとって自治区をつくっているサパティスタ民族解放軍(革命中)、みんな貧乏だけど最低限の衣食住を守り、とことん分け合うシステムを作ろうとするキューバ(革命後)を見てきて、そう感じる。 もう、政府とか大企業とか選挙とか、誰かの手にすべて任すのはやめて、自分たちのことは自分たちでやってくしかないと思う。やり方は無数にあるわけだし、これは、もう勝手に耕すしかない!文字通り、DO IT YOURSELF、手前でやれ!」 ──志賀直輝(ハードコア・バックパッカー)(註1)  自分が適当にやっている“アンチ・キャピタリズム・カフェ”というイベントで、ハードコア・バックパッカーでアナキストの志賀直輝さんのヨーロッパとラテン・アメリカの旅の報告会をさせてもらうことになった。ヨーロッパでのリクレイム・ザ・ストリ…

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出版フリーランスも黙るのをやめた

フリーライターというのは、常に派遣切りにあっているようなもので、今仕事があってもいつなくなるかわからないという恐怖といつも戦っている。しかもこの世界には「悪いしきたり」があって、仕事の条件など、すべてが曖昧な口約束で成り立っているのだ。例えば仕事を受けてもギャラの話はまずしてもらえない。原稿料がいくらかわかるのは、仕事が終わり請求書を送る時、あるいは口座に振り込まれた時なのだ(註1)。つまり、自分がいくら貰えるのかわからないまま、打ち合わせ、取材をし、原稿を書き、直し、時には全部書き直させられたりしているのだ。しかも400字1枚3~4000円程度の原稿料など、時給に換算したら最低時給を下回ることがほとんどなんじゃないか? 他のライターや編集部が書く記事の下調べをする「データマン」の仕事ともなると、顎足で指図されつつ街頭でアンケートを取ったり、常磐線の各駅前の店の朝食のメニューを聞いて回ったり、それをまた何度もやり直しさせらされた挙句に、小遣い程度のカネが振り込まれたりする。 いや、そんな仕事でも身の危険がない分だけマシだったりするので、悲惨な体験など書いていても切りがないが、確かに心の底からこう思った。「こんな人生、生きてられるかよ。」と(註2)。 けれどもフリーライターは、仕事がなくなる恐怖と戦う、弱い立場にいる。編集者に「こいつに頼むのは面倒くさい」と思われないように、事を荒立てないのが普通である。こうして会社側に都合のいいこの「悪いしきたり」は、恐らく何十年も温存されている(註3)。こ…

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メーデー、ビルマ、沖縄、祝島、高尾山、宮下公園……(追記あり)

今年も最大のサウンドデモ、自由と生存のメーデーの季節がきた。自分も「棄民」の一人として参加しようと思う。 ⇒自由と生存のメーデー2010 (「私たちが棄民である」の呼びかけ文がいい) 選挙で自分たちの意見を社会に反映できない時、人びとは何をするのか? 軍事政権下のビルマでは、07年に僧侶の始めた抗議の行進に、自然発生的に一般人が加わり、10万人の巨大なデモと集会に発展した。『ビルマVJ』という映画では、VJ(ビデオ・ジャーナリスト)によって命がけで撮られたその奇跡的な光景(と弾圧の様子)が見れる。 ⇒『ビルマVJ──消された革命』HP 場所や時代が違っても、結局人は一様にこういう行動に出るものらしい。日本に米軍基地があるのも(註1)、原発がどんどん作られるのも(註2)、地デジ移行も、煙草への増税と喫煙の過剰規制も、高尾山への圏央道トンネル工事も(註3)、自転車の撤去の広がりと2000円の撤去料支払いも、ドラッグへの重罰主義も、有害図書規制も、もちろん宮下公園のナイキ化も(註4)、どれもこれもおかしいことばかりだ。 今や「反対すること」自体に、「ああいうのは、ちょっとなー」などと違和感を持って躊躇している場合じゃないのだ。そういう”躊躇”を嫌というほどやってきた結果が、この有様なのだから。 (註1)1万5000人移設反対 普天間代替 徳之島 住民半数集結(沖縄タイムス)4月24日には新宿で基地反対デモが行なわれる。⇒沖縄を踏みにじるな! 新宿緊急デモちなみに、普天間基地移設についてはこ…

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09年にはどんなデモやイベントがあったか?

今出ている『TOKYOなんとか』というフリーペーパーの1月号に、09年に行ったデモやイベント等々と、それらへのごく簡単なコメントを書きつつ、一年を振り返る記事を書いている。『TOKYOなんとか』界隈に関係のありそうなものをピックアップしたのだが、去年自分がどんなところに行ったのかと言うと…… 年越し派遣村/反イスラエル反戦デモ/麻生を倒せ!ないかくだとうデモ/反貧困フェスタ/春風/宮下公園ナイキ化反対デモ/阿佐ヶ谷メーデー/自由と生存のメーデー/自由と生存の家/高祖岩三郎×廣瀬純トーク/アナキスト・カフェ/ゆんたく高江/フィラスティン・ライヴ上映/カルチュラル・タイフーン/多摩川ドラムサークル/イタリア反G8報告会/デヴィッド・グレーバー来日/ひかり祭り/なんとかフェス/宮下公園サマーフェスティバル/もくもくフラッシュモブ/NO NUKES FESTA/東京都「安全・安心なまちづくり条例」反対デモ/土と平和の祭典/ナイキ主催マラソンでの反ナイキ活動/反ブッシュ・デモ/VEGEのうえん収穫祭/ヨコハマ国際映像祭/はらっぱ祭り/反WTO・反宮下公園ナイキ化デモ/反戦と抵抗の祭<フェスタ>/等々 資本主義や戦争や規制など、我々を生きづらくさせてくる勢力に抵抗しながら、自分がより自然に、より自力で生きられる方向で、あれこれと参加してきたつもりだ。もちろん自分にそんな生活ができているわけでもないし、参加するだけでなく自分でもやらなきゃいけないわけだが、どれもこれも行ってよかったことは間違いな…

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朝日新聞の1面に出ている

「灰色たちは勝利を望む。至急、虹を送られたし」            ──マルコスEZLN副司令官(註) 告知ばかりになるが、今出ている『朝日新聞』(12月16日夕刊)での連載「ニッポン人脈記」に、主に“自殺”に関する自分の取材記事が出ている。15年くらい前によく言っていた、「苦しくても我慢して生きろ、なんて冗談じゃない」的な意見から、最近デモに行ったり畑をやったりしながら、この経済の仕組みに反対していることなどが、(受験のエピソードなど、多くの細かな事実誤認とともに)書かれている。 経済的には世界でも屈指の豊かさを誇るはずのこの国で、なぜ普通に生きているだけで死にたくなるほど苦しいのかは、本当に謎だ。もちろん今の時代について言えば、それだけが原因だとは言わないが、大きな部分がこの経済の仕組み(誤解を恐れずに言うなら「資本主義」)のせいだと思っている。 (註)『貧困と不正を生む資本主義を潰せ──企業によるグローバル化の悪を糾弾する人々の記録』(いいタイトルだ) ナオミ・クライン、はまの出版、より。念のため、EZLNとはサパティスタ民族解放軍の略。 関連日記:経済のせいで自殺が増える時代 図は死亡自殺率と完全失業率の推移のグラフ。98年以降の自殺者3万人時代になってから、日本の自殺率と完全失業率の相関の高さが指摘されるようになってきた。仕事を失ったら生きていけないのだとしたら、生き物としてなんとマズイ、雇う側にとってはなんと都合のいい状態なのか。 追記:と言っている間にも、…

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