2010年10月15日

「宮下ナイキパーク」という名前は消えた!

「『宮下公園』の名称はこれまで通り『渋谷区立宮下公園』となります。」
                              ──ナイキジャパン社(註1)


驚いた。ナイキが沈黙を破って、とうとう国内向けにモノを言ったと思ったら、なんと「宮下NIKEパーク」という名前を取り下げてしまった! つまり施設命名権を買ったのに、命名はしないということなのだ!

そこまで当初の計画がボロボロになったなら、スケートボード場もクライミング・ウォールもやめて、一から計画を見直したらどうか。当初は最大の売りにしていたのに、今は隅のほうに目立たないように書いているこれらのスポーツ施設こそが非難されているのだから。公共の公園を、自社の「お客さん」のための施設にすることが問題なのだ(註2)。


宮下公園改造計画 イメージ図.jpgナイキは「反対派に配慮したわけではない」とわざわざコメントしているが(註3)、公共の公園に自社の名前を付けるのはおかしい、と考え直したことは事実だ。誰も反対しなかったら、こうはならなかったはずだ。


我々の生きづらさは、我々が反対しなければ、誰も改善なんかしてくれない(註4)。

忘れてはいけないことだが、小泉の弱者切り捨て政策を弱者が支持したせいで、この国の格差や貧困は悪化した。今政府が、少なくとも表向きは(註5)これらの解決に動いているのは、格差・貧困への反対運動があったからだ。行政の口車に乗って、反対運動(「抵抗勢力」なんて言葉もあった)には反対などと言っていると誰の思う壺なのかを、この過去から考えてみるべきだ。


(註1)ナイキジャパン・プレスリリースより。

「不法占拠」「公園が荒れたのは反対派のせい」といった、渋谷区とまったく同じイメージ操作に励んでいる(ゴミの放置はもちろん渋谷区のせい)。また、自分たちのせいで野宿者が半強制的に追い出されたことを、いいことだったかのように言っているのも不思議だ。

さらにナイキは地域の住民の方々の声をやけに重んじているようだが、渋谷の真ん中という特殊な場所にある公園を利用しているのは、ほとんどがよそから来る人だ。

(註2)あくまでも施設命名権のオプションにすぎないこれらの工事だけやるというのも、詐欺的なんじゃないか?
(註3)共同通信のニュースより。
最近CSRに力を入れている企業には、自らの業界を批判する環境や貧困問題のNGOと共同作業をしているところも増えているが、ナイキにはそんなことは望むべくもないらしい。

(註4)タバコ増税にもゼロ金利にも、普通に怒ったほうがいい。

(註5)国内の”ジニ係数”は、最新の調査で過去最大になっている。国内でも世界でも、格差は拡大する一方だ。
図は、宮下ナイキパークのイメージ図。ナイキは皆が使える公園のイメージを広めようとしているが、左半分はスケートボードやクライミングなどのスポーツ施設で完全に埋まっている。

ちなみに、今日のナイキジャパン社前での抗議に集まったのは約40人(うちスケボーを持っている人2人)。ナイキは出てこなかったが、面白かった。

posted by 鶴見済 at 21:15| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月03日

なぜ野宿者は攻撃されるのか?(追記2件あり)

宮下公園での無理矢理のナイキパーク建設は続いている。

渋谷区は、マスコミを使った反対者のイメージダウン作戦(註1)に続いて、公園内にまだ残っていた野宿者の小屋も壊し、荷物も撤去した。そこは唯一立入禁止区域からも外されていたし、予告もなく、行政代執行の手続も取っていないのに。
これに対して、4日には渋谷区に抗議行動が行われる。その他のアクションも続々と予定されている(註2) 守る会


宮下公園 有刺鉄線.jpg野宿者の存在自体が嫌な人も多いようだが、それなら行政に「ハウジング・プア」問題の解決を要求すればいいのだ。ナイキ・パークを作ることは本来、野宿者対策でもなんでもないのだから。

そもそもこんなに家賃の高い国で、持ち家を持たない全員が、毎月毎月何万円もの家賃を払えるわけがない。家賃を払えない、払いたくない人が出てきて当然なのだ。

生活するうえで家賃が高すぎること、カネのない者に優しい社会でないことは、この国で多くの人が感じている「生き苦しさ」であるはずなのに、怒りはそういう方向へは向かわない。野宿者や野宿者を守っている人たちに向いてしまう(註3)。


「反対運動自体に反対」(註4)という空気を大きくすることについても言えるが、行政は怒りの矛先を、本来向かうべき自分たちに向けず、言わば“仲間割れ”を促すことに全力を注ぐ。それにいちいち乗ってやることはない。


(註1)念のためにまた言うが、反対している人たちは誰でもアクセスできる状態を積極的に作りながら、やむを得ず監視行動をしていただけだ。そうしなければ着工してしまうわけだから。宮下公園は地獄のような場所だったかのようにも言われるが、自分は親子連れが監視のテントがある場所で遊んでいるのも見ている。ゴミが多かったのは、移動した野宿者が残した物が放置され、その上にゴミの投げ捨てが重なったためだ。ゲットー・ガーデンへの投げ捨てゴミの始末も大変だった。

ちなみに、【占拠】1 ある場所を占有して他人を寄せつけないこと。2 占領すること(大辞泉)、だそうだ。

(註2)12日(火)には上智大学で、宮下公園や墨田区の事例から公共空間と商業スペース等について考える緊急シンポジウムが開かれ、自分も出演する予定だ。詳細は後日。

(註3)参考ニュース:ロケット花火でホームレス襲撃 高校生3人逮捕 (産経)
こういう事件が起きる原因は、この社会の空気にあるという見方は当たっていると思う。
(註4)OurPlanetTV映像へのコメント欄YouTube)を参照。
参考映像:宮下公園を救おう!! 手作りサウンドデモ!! (これまでで最高のデモだった!)
写真は、ご苦労にも有刺鉄線まで張られた宮下公園。

追記:
自分も出演する上智大学でのシンポジウムの詳細が決まった。
宮下公園の問題は、特殊な場所で起きている特殊な出来事ではないし、自分自身の生きづらさにも深く関わる問題なのだ、ということを理解するためにも、ぜひ。もちろん無料。

<緊急企画> キラめく街、追い出される人々
テーマパーク化される都市の公共性

宮下公園・行政代執行、墨田区「資源ごみ持ち去り禁止条例」 から公共空間を問いなおす

追記2:
12日(火)、とうとう本格的な工事が始まることがわかり、早朝から阻止行動が行われることになった。
15日(金)には、ナイキ本社前での抗議行動もある。
詳細は ⇒守る会 ニュース ⇒宮下公園12日本格着工(読売)
また居住と人権に関する国連認定の国際的NGOである”HIC(Habitat International Coalition)”が、宮下公園での排除とナイキパーク建設に抗議する声明を発表し、全世界に渋谷区長、ナイキ本社、ナイキジャパンに抗議するよう呼びかけている! 世界の反応は国内とはまるで違う。
Stop the evictions at and the conversion of Miyashita Park to Nike Park! (HIC)
明日は、阻止行動に参加した後、ぜひ上智大学へ。

posted by 鶴見済 at 13:58| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月25日

宮下公園で警察に強制排除された(追記あり)

宮下公園  行政代執行 044.jpgほとんどナイキ化問題専門のブログになっているが、ここまで話題になったらやはり書くだろう。
宮下公園では24日に、反対している人の物を勝手に片づける“行政代執行”が行われた。

午前10時から自分も含めたそれ反対する人々約30人が、搬出に使う公園出入口フェンス前に座り込みを開始。フェンスの後ろは警備員の山、目の前は報道のカメラの山、道の向こう側には私服警官の山という異常な状況のなか、マイクで抗議したり楽器や物を鳴らしたり、雑談したりしながら座り込んでいた。自分たちが今テレビに出ている、という情報も入ってくる。4時間後、そこへ警察官の山が警備員とともに突入してきて、力任せに我々を押し退け(押し倒された人もいた)、騒然とするなかを搬出用のトラックを通したのだ。

こっちは非暴力に徹して、そのまま路上で抗議をしつつ帰った。


その前の日には、大雨のなかを150人もの人が集まって、マイクで2時間ほど文句を言ったり、コールしたりしながら、非暴力的緊急ミーティング・アクションをやったのだった。強引に突入することなどこちらにもできるだろうが、そんなことはしていない。


宮下公園  行政代執行.jpg座り込んだ時、マスコミがフェンスの中からこっちを撮っているのを見て嫌な予感がした。彼らだけは、渋谷区の“ご好意”でなかに入れてもらっているのだ。帰ってニュース映像を見ると、代執行とは関係ない、恐らく一箇所に集めたゴミ類をトラックに積み込むシーンが、「反対派が残した物を積み込んでいる」かのように放送されている(註1。新聞でも、その手の写真が多かった)。区はわざわざこのシーンを、代執行ではないと説明せず、メインに撮らせたのではないか、と疑いたくなる。


これだけよくしてもらっているせいか、マスコミは相変わらず、区の言い分どおりの報道を続けている。公共の場所の私企業化、民主的な手続の無視、野宿者の追い出しなど、ナイキ化の問題点に触れなければ、反対している側への理解は得られにくい。しかしそこには、“巨大広告主ナイキ”という大きな壁が立ちはだかっている(註2)。


宮下公園  行政代執行 061.jpgただ、マスコミの反応の大きさを見ると、この小さな公園のことで、これほど大きな反対運動が起きることへの驚きも感じられる。反対している人は、単に公園の問題だけでなく、その背後にある大きな問題に何かしら気づいて怒っているはずだ。野宿者のことも、民主主義のことも、ナイキのことも含んだ大きな問題がある。新自由主義的なるもの、<帝国>みたいなもの、「灰色」のようなもの…、とでも言えばいいんだろうか? それに気づけなければ、こういう報道になるのかもしれない。
26日はデモだ。

(註1)⇒ANNnewsCH、(この映像は行政代執行ではなく、ゴミの片付け)

(註2)それでも90年代、ナイキの工場での搾取問題が広まったのは、欧米のマスメディアの力が大きかったはずだ。その時も今も、日本のメディアは特に広告主と“なあなあ”の体質なのだと言えるだろう。そのせいで日本人は、ナイキがどんな会社なのか知らされていない。フランスで最も有名な新聞『ル・モンド』など、早速ナイキ化に批判的な記事を載せている。⇒ル・モンド・スポーツ版(OurPlanetTVの番組が大々的に取り上げられている!)

(註3)⇒守る会
ニュース記事のまとめと解説:⇒イルコモンズのふた。

やや参考ニュース:⇒ 朝日新聞(ここでの”地域住民の声”の取り上げ方にも大いに問題があるが)。原宿新聞の映像

大推薦映像:宮下公園 TOKYO/SHIBUYA (後編) (OurPlanetTV)
写真は現場風景。ゴチャゴチャした写真しか撮れなかったが、実際にゴチャゴチャした現場だった。下は、警察がこっちを押し退けている真最中。


追記:

ナイキ化反対デモ.jpg●デモは最高だった。ただし200人もの人が集まったのに、行政代執行であれだけ騒いだ国内のマスコミ報道は一切ない。フランスのAFPとアメリカのAP両通信社はニュースを配信している。この国のマスコミの特殊さがわかる。

記事⇒AFPAP、映像 ⇒Union Tube、写真 ⇒明日も晴れ Also Sprach Mkimpo Kid
(APの記事ではナイキ側の担当者・水上陽子氏がコメントしている。この人と、ナイキ化推進区議・長谷部健の癒着については、ソトコトのこの対談を参照 ⇒水上陽子・ハセベケン
●行政代執行の映像は、やはり渋谷区側がゴミ捨ての場面を中心に撮らせていたことを、現場にいたOurPlanetTVが明らかにしている。

宮下公園代執行〜マスコミが流した映像は代執行ではなかった!?OurPlanetTV

(冒頭ではゲットー・ガーデンの今の様子が見れる。なぜか異常に懐かしい。一応無事であるようだが、公園全体がこうなってしまっては意味がない)

●またOurPlanetTVの白石草さんと渋谷区の宮下ナイキ化推進派議員・伊藤たけし氏が出演しているラジオ番組「Dig」もいい。ナイキ側はこの公園の設計を少しずつ変えているようだが、その内実は恐らく議員にもわからないという。そういうところが最悪なのだ。

DigTBSラジオ)

posted by 鶴見済 at 18:38| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

宮下公園の夏まつりに出店する

ナイキと渋谷区にしてみたらとっくに終わっているはずの“宮下公園夏まつり”が、今年も盛大に開催される。ザマアミロと言いたい。

今年は自分も29日(日)に、宮下ゲットー・ガーデンで採れた葉もの(微量)、国産小麦、天然酵母などを使ったビーガン・サンドイッチ屋“ゲットー・キッチン”を出店する予定(ただしゲットー・ガーデンは現在、日当たりが悪いのと乾燥とで、大変な苦境に陥っているが(註))。よかったら覗きに来てください。

宮下公園夏まつり2010 タイムテーブルなど (守る会)

ナイキによるパーク想定図.JPGA.I.Rのサイトでは、宮下公園問題についてのわかりやすいQ&A集も作られた。

FAQ (A.I.R

そして、あのフリーター全般労働組合も、宮下公園の存続を要求する声明を発表した。この声明自体が、こうした疑問へのわかりやすい回答になっている。

宮下公園をめぐる声明 (フリーター全般労組)


「ナイキパーク化のどこがいけないんだろう?」といった疑問が、スケートボード場にもクライミング・ウォールにも縁のない人から発せられると、思わず唸る。自分自身が公園を使えなくなるんじゃないか、と。

経済や企業の発展のために我々が生きているのではなくて、主役は我々なわけだが、そんな当たり前のことが戦後の日本では忘れ去られてきたのだから、やむを得ないのかもしれない。


(註)万が一宮下公園にいて、暇で暇でどうしようもない人がいたら、フェンスに掛けてあるホ−スかペットボトルのジョウロで、ガーデン入口の左下側にある水道から水をやってもらえると、とてもありがたいです。ホースなら一瞬で終わります。

図は08年にナイキが提出した、ナイキパークの想定図。これのどこが「宣伝ではなく社会貢献」なのか。また、こんな大規模工事なら東急建設もさぞかしやりたいだろうと思う。

ちなみに、より大規模な完全DIY夏フェスの“なんとかフェス”も素晴らしかった。⇒なんとかフェス2010

posted by 鶴見済 at 23:03| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

宮下公園ナイキ化がアメリカ、フランスで問題化!( 追記あり)

ゲットーガーデン 1宮下公園ナイキ化問題が、アメリカの大手放送局CNNとフランス最大のニュース通信社AFPで取り上げられた。

How the homeless are fighting Nike in Shibuya's Miyashita Park (CNN)
渋谷ナイキパーク計画、反対運動で立ち往生 東京(AFP)


CNNの報道では、ナイキ側の代表として水上陽子氏が(ついに!)、渋谷区議会側からはナイキパーク化の主導者としてハセベケン(長谷部健)氏がコメントしている。以前にも書いたとおり、このふたりは『ソトコト』2005年の対談で、ナイキの靴をバックに(長谷部氏はナイキの靴を手に持って)写真に写っている間柄だ。この計画は、一体誰の意向で決まったのか?

ナイキの企業哲学、そのスタイルのクールさに ハセベケンも学ぶところ、いっぱいあり! 

水上陽子 ハセベケン (一番下の写真に注目)


そんなプロセスで決めたことを、ナイキは「企業の社会的責任(CSR、あるいは社会貢献)活動」と主張している(AFPの記事を参照)。少なくとも、ネーミング・ライツの買い取りを「社会貢献」と位置づける企業は前代未聞だ。公園を、自社の顧客ばかりが喜ぶような施設に作り変えて「社会貢献」とする神経についても、言うまでもない(スケートボード場とクライミング・ウォールの恩恵ゲットーガーデン 2にあずかれる人がどれだけいるというのか?)。

企業に売ってしまったら、どうしたって企業の利益に沿ったものになってしまう。公共(皆)の公園を民意も汲まずに、一企業に売り払うのはおかしい、「共有のもの(コモンズ)」というのはとんでもなく大事なものなのだ、というのが相変わらずの自分の考えだ。

この大企業のやりたい放題な現状に、少しでもいいから疑問を持つべきだ。
我々は大企業と行政がやることを、黙って
見物させられている観客なんかじゃない。ほとんど忘れかけているが、「主役」は我々なのだ。
宮下公園では、監視行動と、公園を企業になど頼らずにいいものにしていこうとする様々な試みが、誰にでもアクセスできるように注意を払いつつ、続いている。ハッキリ言って大盛況である。
⇒ A.I.R  守る会

この反対行動の意義については、⇒ イルコモンズのふた。

渋谷区には、スケートボード場をどこか他の場所に設置できないかどうかも含めて、ナイキには勇気ある撤退を、再検討してほしい。


ゲットーガーデン 3参考日記:ナイキは説明会に来なかった(の追記2)

写真は、公園の緑化をささやかに推進中の「宮下ゲットーガーデン」。フェンス外の死んだスペースを有効活用して、様々な人が訪れてはゴミを取り除き、耕し、種を蒔き、収穫し、そしてデコレーションを施している。今あるのは、ペパーミント、コリアンダー、シソ、三つ葉、葉ネギ、かきちしゃ、べんり菜、ラディッシュ、春菊、トウモロコシ、菜の花、等々。イチゴは苗作りを怠り前途多難。西洋石竹とバジルは芽が出ず、代わりに蒔いたるこう草とマツバボタンに薄く期待。まだスペースは余っていて、誰でも参加できます。秋蒔き種だったために、いきなり花が咲いて失敗したほうれん草を収穫して、別のものを蒔いてもいいかも。

追記:イギリスの公共放送局BBCでも、ニュースとして取り上げられた。ナイキはここでも、「社会的責任活動」だと言い張っているが、野宿者を追い出すことを「社会貢献」と呼ぶのは、日本ではどうだか知らないが、ヨーロッパでは通用しない。それにしても日本の大手メディアは、この件を報道しない。
Nike park hits problems in Japan (BBC)

posted by 鶴見済 at 14:59| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月12日

アースデイが宮下公園ナイキ化に反対声明!

「現在、特に問題視されているのは宮下公園のナイキ化です。自治体と企業が共謀して行う街の美化という見せかけの環境配慮によって、エコロジーが商業主義の道具となり、公共空間の企業広告のための私有化という、本来のエコロジーからかけ離れた、グリーンウォッシングが行われようとしています。」     
                                   ──アースデイJP

 

アースデイJP(註1)が、エコロジーの立場から宮下公園のナイキ化に反対している。新自由主義、野宿者、公共空間等の問題にも積極的に言及している。
エコロジーの視点から見る宮下NIKEパークの問題点

 

宮下公園のテーブルと椅子.bmpエコロジーの側がナイキ化に反対するのは、自分としてはとてもよくわかる。何しろ世界中で起きている環境破壊の元凶も、企業と行政が癒着して進めている、どう考えても持続不可能なこの経済の仕組みそのものだからだ。

何か新しいものを建設することを“いいこと”として喜ぶ時代は、とっくに終わっている。今あるものを、どのようにうまく使っていくかが問われているのだ(今の時代に“クリエイティブ”なんていうものがあるとしたら、そういうものであるはずだ)。ゴミを使ったアート作品やゴミを使った生活も、もっとそういう視点で評価されるべきだ。


今も反対の集会と監視行動を続けざるをえない宮下公園では、自分たちの手で作った、誰でも使えるベンチとテーブルが設置された。公園を“クリエイティブ”に使うための素晴らしいアイデアだ(註2)。


(註1)アースデイとは、70年から始まった、毎年4月22日(地球の日)に全世界で行なわれる環境イベント。日本でも代々木公園をはじめとする全国で開催され、近年は代々木公園2日間で12万人以上もの来場者がある、国内で最大の市民フェスティバルとなっている。

(註2)こんなことは当然行政がやるべきことだが、彼らは逆にこの公園からベンチを撤去してきたのだ。
写真は宮下公園に設置された、皆のためのDIYベンチとテーブル。カフェや上映会も、もちろん利用者の邪魔にならないように配慮しつつ開かれている。⇒守る会 A.I.R HP

ちなみにこの問題について、頻繁に意見が交わされているtwitter上で(「宮下公園」「#miyashita」で検索すると読める)、ナイキ化に肯定的な発言を行なっている渋谷区議会議員・鈴木けんぽう氏は、渋谷公会堂が「CCレモンホール」となる起点となった提案を行なった人だ。宮下公園についても、公共(皆)のものを私企業に売り渡すこと自体が問題なんだが。⇒鈴木けんぽう氏のブログ

posted by 鶴見済 at 12:40| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月30日

小沢健二『うさぎ!』から見る宮下公園問題(追記あり)

「貧しい」国々では、水道や、電気や、ガスや、保険や、学校や、植物の種や、安全の基準や、刑務所や、鉄道などの、みんなでつくった、みんなのものが、どんどん灰色に「プライヴェタイゼーション」されていました。(略)
プライヴェタイゼーションは、国によって、「私有化」とか、「民営化」とか、「社会化」とか、呼ばれていました。(略)
しかし起こることは、どの国でも同じでした。一言で言うと、それは、「人のことを人が決める」やり方から、「人のことを灰色が決める」やり方になることでした。(略)
政府を中心とした「民主主義」は、下から、人びとが怒って、やることを変えられる仕組みでした。灰色は、そんな仕組みは、気に入らないのでした。

                   ──小沢健二『うさぎ!』 第二話(註1)より


宮下公園ナイキ化は、もちろん民営化(=私有化)の一種だ(註2)。

こうして、なんでもかんでも企業や経済の(つまりカネ儲けの)原理に従わせて、「公共」の部分を小さくするのがいいと進められたのが、日本では小泉・竹中の構造改革だった。
その結果、例えば社会福祉やセーフティーネットがなくなり、今は世界中でその見直しの時期に入っているのに、まだまだ「官から民へ(公から私へ)」や「官民連携」がいいと信じて疑わない人たちがいる、ということなんだろう。


宮下でのバナー作り.jpg渋谷では28日(日)に、年間3万人の自殺者を出すこんな社会にも、宮下ナイキ化にも反対する「葬式パレード」が行なわれた(註3)。これらのことは、一見関係ないように見えるかもしれないが、カネ儲けの原理が我々の生活を蝕むことから来る「生きづらさ」を考えれば、自分には別のことだとは思えない(註4)。

その後、宮下公園でバナーを作り、掲げた。原宿―渋谷間の電車に乗れば、山手線の内側のほうの窓の外に見える(註5)。ぜひ見てほしい。

そして明日31日はいよいよ反ナイキ化デモ(註6)、そして明後日4月1日は工事着工予定日だ。一体どうなるのかわからないが、せっかくの「下から、人びとが怒って、やることを変えられる仕組み」を諦めてしまっても、いいことはなさそうだ。


(註1)『子どもと昔話』2006年冬号掲載。個人的には、「もう古いの計画」についても書かれているこの第二話が特にいい。言うまでもないが『うさぎ!』は必読だ。

(註2)参考日記 ⇒宮下公園ナイキ化の真相がここに の参考の部分

(註3)宮下公園アーティスト・イン・レジデンスのHPに写真が9枚出ている。ノーナイキ・ファッションショー夜の部の映像もアップされている。宮下公園ではカフェや集会など、毎日のように何かが起きている。

(註4)参考日記 ⇒日本人が豊かになれない理由

(註5)A.I.R のHPにもある「Ghost Travelling,,29 March 2010」という映像作品は、そのハッとする瞬間を見事に捕らえているので必見。

(註6)詳細 ⇒みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会(ピーター・バラカンさんからのメッセージも紹介されている)

写真は宮下公園でのバナー作りの様子。また、前回の日記の追記(特に追記2)も参照してほしい。

追記:4月1日午前1時半。デモは180人以上もの人を集めて、今までのどの反ナイキ化デモよりも盛り上がって、無事に終わった。何十人もの参加者はそのまま宮下公園で火を囲んで話をしたり、楽器を軽く鳴らしたりしながら、深夜を迎えた。そのまま公園に留まる多くの人や、一度家に帰って朝駆けつけようとする人たちが、今、静かに夜明けを待っている。
posted by 鶴見済 at 15:09| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月23日

反ナイキ化デモと宮下ゲットー・ガーデン計画のお知らせ

宮下公園カフェ.jpg急遽、宮下公園ナイキ化反対のデモが行なわれることになった!
日にちは工事着工予定日の前日の3月31日(水)、場所はもちろん渋谷、ルートはナイキショップ前、渋谷区役所前などを通り、宮下公園前まで。こんな空気のなかで行なわれるデモがどんなことになるのか、ちょっとゾクゾクする。

1割反対、9割野次馬という人でも、もちろん大歓迎。デモには、何か音の出るもの(楽器でも、ビンや缶でも)があると、より気持ちがあがると思う。

詳細⇒みんなの宮下公園をナイキ化から守る会(24日のナイキによる誰でも参加できる工事説明会の詳細もあり。またこの問題は海外でも反響を呼んでいるので、世界同時行動も呼びかけられている。)


そしてもうひとつ、誰でも参加できる“宮下ゲットー・ガーデン(註)計画”というのを立ち上げようと思う。
宮下公園の緑化・美化、DIYな生活と空間作りのささやかな試み、食料自給率の向上……等々を狙って、この公園にハーブや野菜や花を植えてしまおう、というもの。
すでに公園の明治通り沿い、一番原宿に近い方のフェンスの外側に小さな畑を作り、この島の代表的ハーブであるシソ、そしてほうれん草、春菊、かきちしゃの種を蒔いた。1週間ほどで芽が出るはずだ。まだまだそこに空いたスペースがあるので、硬くなっている土を軽く耕して、種でも苗でもいいので植えてしまおう(種を蒔いた所には、四隅に棒を立てるなど目印を付けておいてください)。
こうやって、公園をよくするためには企業の力を導入するしかない、などという誤魔化しをどんどん暴いていきたい。

(註)“ゲットー・ガーデン”については、次の日記を参照 日本の農業がほぼ終わっている

写真は21日に開かれた宮下公園カフェの様子(A.I.R Miyashita Park HPより)

posted by 鶴見済 at 01:36| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月21日

渦中の宮下公園でシンポジウムをした

準備中の宮下公園シンポジウム会場.jpg昨日の“宮下公園ナイキ化問題ドキュメンタリー”の上映会&シンポジウムは、なんと渦中の宮下公園に80人もの人を集めて行なわれた。シンポジウムでは事情があって、あまり思ったことが言えなかったけれども、言ったことのなかから、念のためにあまりにも基本的なことをひとつ。
公園が公共(皆)のものであるということは、その命名権も我々皆が持っている。本来なら名前も公募するなりして、皆が決めるのが筋だ(百歩譲っても、選挙で選んだ代理人が、民意を汲みながら決めるべきだ)。ましてや公園をどういうものにするか、に至っては言うまでもない。それをどこかの企業に勝手に売る、任せるなんていうナメた真似を許してはならんのだ。
そんな当たり前のことを忘れてしまうほど、我々は“民主主義”から遠ざけられてしまっている。

それから言えなかったことだが、今回のアーティスト・イン・レジデンスは素晴らい試みだった。一言では言い尽くせないが、公園はカネで企業にやってもらわなくても、自分たちの手でこんなによくできるのだ、ということを実際に示すこと(=自律的な空間作り)が、(結果的にかもしれないが)力ずくの公園封鎖に対するブロック(=直接行動)にもなったというウルトラC級の技だ、と勝手に思っている。

展示期間は終わってしまったけれども、この作品というか空間はまだしばらくは見れるので、ぜひ。


成功してしまった表参道ナイキショップ前・ファッションショーの様子は、⇒A.I.R iyashita Park

この公園に野菜の種を蒔くというプロジェクトも勝手に考えている。
関連日記:宮下公園のナイキ公園化に当然反対する
写真は準備中の会場(A.I.RMiyashita Park HP より)

posted by 鶴見済 at 00:59| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月16日

宮下公園は燃えている!

宮下公園の作品.jpg宮下公園が大変なことになっている。
昨日アーチスト・イン・レジデンスが始まったこの公園に、今朝渋谷区がナイキ化工事のためのフェンスによる囲い込みにやってきた。が、集まっていた反対者たちの猛抗議により、彼らを追い返し、フェンスも開放させたのだ。

民主的な手続を一切踏まえず、強引にこんなことをしようとしたら、当然こうなる。

明日は、自作の服で表参道を歩く「ノー・ナイキ・ファッションショー」があり、彼らがまた囲い込みにやってくるかもしれないし(16日か17日が囲い込み予定日となっていた)、ドラムサークルまであるかもしれないので、行こうと思う。

今日の経緯や明日の予定は⇒A.I.R Miyashita Park 前のブログの追記も参照


インターネットやテレビの画面でもそうだが、企業は自分たちの広告が出せるスペースを全力で探している。例えば、日本では自動販売機の新たな置き場所はもうなくなったとまで言われていて、今では他社のスペースを奪い合っている状態だ。アメリカやイギリスでは学校への自販機の進出が著しい(註)。
我々の視界は企業の広告で埋まっていて、すでに窒息しそうだが、止めないとまだまだ増えるはずだ。

(註)ちなみにアメリカの小学校の授業には、「ナイキのスニーカーをデザインする」という課題まで登場した。「教育」という公共ジャンルへの企業の侵略も激しい。

写真は宮下公園におけるアーチスト・イン・レジデンスの作品。A.I.R Miyashita Park HPより

posted by 鶴見済 at 18:57| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月27日

ナイキ公園というブランド戦略(追記あり)

Our PlanetTVによる宮下公園ナイキ化問題ドキュメンタリーの上映ツアーが始まった。自分も3月19日(金)に渋谷区内“某所”で行なわれる上映会後のシンポジウムに参加する。

この小さな公園をめぐって、恐ろしく裾野の広い何と何が対立していたのかは、もはや明らかだ(前々回の日記の最後のほうを参照)。

「宮下公園」から世界を見つめる〜上映&スピーキングツアー2010

ナイキのポスター.jpgそれにしてもナイキは、自社の商品の宣伝もせずにこんな活動をして儲かるのだろうか? 儲かるのだ。
例えばYouTubeでナイキのCMを見てみると「ナイキ」という名前すら言わず、スポーツ選手の“クール”な映像と“just do it”というコピーと、スウッシュというあのロゴマークが出るだけだったりする。
これは“ブランド・マーケティング(ブランディング)”というかなり前から主流になっている広告戦略で、従来のように個々の商品の長所を強調するよりも、自社ブランドのいいイメージを消費者に植えつけることで、そのブランド商品全般を継続的に買わせようとしているのだ。

より最近重視されてきたのは、企業が社会貢献活動によってイメージをよくする“ソーシャル・マーケティング”だが(註1)、ナイキのように企業名がブランドそのものであるなら、これもまたブランドの宣伝になる。
こういう流れのなかで、ナイキは代々木公園にバスケットボール・コートを作り(註2)、ジョーダン・コートを作り、そしてついに宮下公園にまで進出しようとしているのではないか。ナイキ公園化もやはりブランド戦略なのだ。

自分たちの貴重な“公共”や“共有地”や“親密圏”や“つながり”や“共同体”を、こんなくだらないカネもうけにぶち壊されないためにも、頑張ってシンポジウムやろうと思う。


(註1)今なら”CSR(企業の社会的責任)”という、環境保護や「南」の国の貧困援助といった社会貢献活動が流行っている。ただし、実態は自社の環境破壊や搾取を覆い隠すために行なわれる場合が多く、こうしたエコ活動は「グリーン・ウォッシュ」と呼ばれ批判されている。

(註2)代々木公園 バスケットボールコート開設について(東京都建設局) その2年前には、同公園にバスケット・ゴールも作っている。どちらもカネを出しているのはナイキ。

参考:ブランドとは何か(入門編)(ナイキの例も挙げられている)
図は、スター選手の写真、「私たちは皆目撃者だ」のコピー、そしてロゴだけが描かれたナイキのポスター。こうしてブランドを”クールでカッコいい”と思わせることこそ彼らの狙いだ。


ナイキ・ボイコット・キャンペーン.bmp追記:ついにナイキ・ボイコットキャンペーンも始まった! ⇒NIKE BOYCOTTE CAMPAIGN 
このページには、宮下公園ナイキ化やナイキの搾取工場に関する詳細な情報が紹介されている。

追記2:
ナイキは、工場労働者の搾取で世界から批判を浴びた後の90年代末頃から、PLAY(Participating in the Lives of American Youths:アメリカの若者の生活への関与)という対地域社会戦略を開始している。これはアメリカ中の都市や貧しい地域に遊び場を寄付して、子どもをスポーツ(と自社ブランド)になじませようとするもので、これを世界中に展開しようと計画していた(この頃からリサイクルなどの環境対策プロジェクトも立ち上げている)。
この日本版が、東京都や渋谷区への靴をリサイクルしたバスケットボール・コート寄贈であり、ナイキパーク(結局は”有料の”スポーツ施設になる)なんだろう。彼らは世界に、着々と自分たちの宣伝スペースを拡大している。
そして、この逆風のなかで渋谷区は、11月オープンまでの工事スケジュールまで出してきた。24日(水)にはナイキによる説明会も行なわれる。
渋谷区、宮下公園の工事日程を公表(Our Planet‐TV)
これに反対するアーチストたちのアクションも、今宮下公園で(!)始まっている。
A.I.R Miyashita Park 宮下公園アーチスト・イン・レジデンス
その他、16日朝からの着工を止める集まり他、もろもろの反対アクションもあり。守る会

posted by 鶴見済 at 13:52| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月08日

宮下公園ナイキ化の真相がここに

新年早々またこの話だが、宮下公園ナイキ化の真相がおおむね明らかになっている、非常にいい映像作品が作られた。

宮下公園 TOKYO/SHIBUYA(前編) (後編) (Our Planet-TV


07年インドネシアでの反ナイキデモ.jpgこの作品は全編が見ものだが、後編14分35秒から始まる長谷部健氏(元・博報堂)のインタビューは特に面白い(この計画を中心になって進めたのは長谷部健、伊藤たけしという二人の区議のようだ)。

恐らく、同じく渋谷にある“ジョーダン・コート”について彼は、ナイキがスニーカーをリサイクルしてることを知り、「渋谷のど真ん中にナイキが、スニーカーをリサイクルしたコートを作ったらニュースじゃん」と思ってナイキにその話を持ちかけ、実現させたと言う。この「企業との癒着」に対する疑いのなさは一体何なのか? 施設の名前であれスペースであれ、皆のものを一企業にくれてやるなんてことは、本来許されない優遇措置なんだが。

それに続く後編17分15秒からの伊藤たけし区議の発言では、この人は野宿者の追い出しを念頭に置いて、宮下ナイキ化計画を進めていたことがわかる。


また後編3分49秒からは、ナイキ工場での労働者搾取と反対運動について、8分02秒からは、公共空間への市場主義(コマーシャリズム)の侵略について、各々専門家が解説していて非常にためになる。

世界でナイキへの反対運動がピークを迎えていた97年、日本はエア・シューズによる空前のナイキブームに湧いていたことは、この国に住む者として知っておくべきだろう。そんな情報鎖国状態は、今でも変わっていないからだ。


参考:PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)について

宮下公園の“民営化”戦略には、ここにも書かれているPFI(Private Finance Initiative)が使われていて、長谷部氏もその点を高く評価しているようだ。PFIは日本では小泉政権によって全国に普及した。けれどもPPPと呼ぼうがPFIと呼ぼうが、そんなものは単に「企業と行政の癒着」なのだ。民営化を大きな柱とする新自由主義は、まだまだ反省されていない。

参考2:宮下NIKEパークのスケートボード場予想図(シブヤ経済新聞)

こんな大工事を行なう予定だとは思わなかった。

写真は、インドネシアで07年に行なわれた、工場労働者による反ナイキデモ。

posted by 鶴見済 at 22:40| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

宮下公園がなくなる

イルコモンズ作「ナイキ主義」(野外掲示板).bmpとうとう9月から来年4月まで、ナイキ・ジャパン社と渋谷区が宮下公フェンスを張り巡らせて、野宿者も追い出して、大改造工事を始める。フェンスが取られた時には、そこはもうスポーツ施設で埋まったナイキ・ランドになっているだろう。
ナイキは、発展途上国で貧困に苦しんでいる少女たちを救済するための「ナイキ基金」まで設立しているが(註1)、日本の野宿者については、社会的責任とやらを感じないのか?


着工直前の8月30日(日)と31日(月)の2日間、宮下公園ではサマーフェスティバルが盛大に開催される。
行ける人はぜひ。


(註1)ナイキ・ジャパンHPより http://www.nike.jp/nikebiz/responsibility/giving.html

そんなことをするよりも、労働者にもっと賃金を払えばいいと思うが。
(註2)フェスの詳細は「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」HPにて

http://minnanokouenn.blogspot.com/

フライヤー http://www.scribd.com/doc/18775982/

図はイルコモンズさん作の「ナイキ主義」(野外掲示板)

「イルコモンズのふた。」より http://illcomm.exblog.jp/

posted by 鶴見済 at 01:31| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月12日

明日は反ナイキ化デモに行こうと思う

just doiteうなぎ.bmp新聞でも大きく報じられたが、今月内にも宮下公園をナイキ化する契約が結ばれてしまいそうだ。
宮下公園は、あの自由と生存のメーデーのアフターパーティをやった場所でもある。
ということで、明日は渋谷のナイキ化反対デモに行こうと思う。
公共のものをこれ以上企業に売るな、と思う人も、普通の公園がいきなり「ナイキ公園」になるだなんて、そりゃおかしいと思う人も、あるいは単に暇な人も、ぜひ(サウンドカーは出ないが)。

しかし、この国のCO2削減対策を見ても思うが、行政と大企業が癒着して進めてることには反対していかないと、我々の生活がどんどん締め上げられていくだけだ。


「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」HPにおけるデモの告知

http://minnanokouenn.blogspot.com/2009/06/blog-post.html

渋谷・宮下公園 ナイキ公園に 『市民活動に制約』反発も(東京)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009061002000229.html

ナイキ化に反対する理由(計画の内容には若干の変化あり)

http://tsurumitext.seesaa.net/article/105179756.html
posted by 鶴見済 at 22:40| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月23日

宮下公園のナイキ公園化に当然反対する

nike just don't do it -見えない帝国主義.jpg渋谷駅から歩いて数分の山手線・明治通り沿いという絶好のロケーションにある宮下公園を、「ナイキ公園」に変えようという計画が持ち上がっている。
「ナイキ公園」になると言っても、渋谷公会堂が「渋谷C.C.Lemonホール」に変わるとか1)、東京スタジアムが「味の素スタジアム」になる2) といったネーミングライツ(施設命名権)売却だけの問題ではない。

これについては次号の『オルタ』にも書いたが、渋谷区はナイキジャパン社に10年間で1億5000万〜2億円の施設命名権売却をするだけでなく、同社の資金援助を受けて、約5億円かけて有料のスケートボード場やロッククライミング施設を新設しようとしている。
これによって皆が気軽に休むこともできなくなるばかりか、夜間は鍵がかけられ、ここで生活している野宿者も追い出される可能性が大きい。
こうした「カネを払わないと休むことも遊ぶこともできなくなり、生活空間が企業の宣伝広告で埋まる」なんてことは、単に宮下公園で起ころうとしている特殊なことではなく、我々の身の回りでもすでに、そして世界中でますます広がっている由々しい事態だ。

新自由主義(ネオリベラリズム)は、労働力でも農作物でも公共のサービスでも、何でもかんでも(グローバルな)市場の自由競争にゆだねることをよしとする思想だが、そうやって公共のもの、共有のものをどんどん民営化3) していった末に出来上がる世界は、例えばナイキ公園のような世界だ。
それで得をするのは競争力の強い大企業(あるいは多国籍企業)だけであって、その戦略に何の疑問も持たない従順な消費者・利用者でさえ、いいようにカネを巻き上げられる被害者だと言える。
しかし、その大企業でさえグローバルな自由競争にさらされ、合併・買収されないように日々経営の合理化や際限のないコストダウンを強いられているんだから、新自由主義的グローバリゼーションによって「よくなる」と主張されている、その「よくなる」主体は一体誰(何)なのか、もうわからないのだ(それがヒトでも「環境」でもないんだとしたら、「よくなる」だなんて言えるのか?)。

宮下公園では23日(土)、24日(日)の二日間、今年はナイキ公園化反対の意味も込めて、大々的に「夏まつり」が開催される。自分も行くつもりだが、合理化競争や企業価値の向上なんかに全員が追い立てられているより、皆でこういうものを作っていくほうがよほど人々も世界も「よくなる」はずだ。


1)
 2006年に渋谷区が、電通を介してサントリーにネーミングライツを売り渡すことで名前が変わった。
2) 2003年。石原都知事によって、公営施設としては日本で初めてネーミングライツが企業に売却された。
3)「民営化」とは”privatization”、つまり私有化・私物化のこと。 新自由主義者は「官から民へ」などと提唱しているが、元の英語では「publicから privateへ」つまり「公から私へ」が正しい。


参考:

みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会HP

http://minnanokouenn.blogspot.com/

『週刊金曜日』 2008年7月18日号
『民営化の戦略と手法ーPFIからPPPへ』 野田由美子編著、日本経済新聞社刊、他


図はアジア太平洋資料センター(PARC)刊、『NIKE:Just don‘t do it 見えない帝国主義』の表紙。ナイキ社の悪行が報告されているブックレット。

posted by 鶴見済 at 01:12| 宮下公園ナイキ化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする