2011年03月24日

水道水の安全基準が緩められている

ヨウ素体内被ばく.gif今報道では、水道水のなかの放射性ヨウ素131の安全基準値は300ベクレルと言われている。が、WHOが定めた世界的なガイドラインでは、10ベクレルとなっている(註1)。

厚生労働省に問い合わせたところ、WHOの値は平常時のもので、今は事故が起きている時なので、(日本の)原子力安全委員会が定めた(註2)300ベクレルを使っている、という納得のいかないものだった。

要するに基準値やガイドラインというのはある程度恣意的なもので、東京で検出された値でさえすでに基準を超えているとも言えるわけだ。

原発を推進してきた人たちは当然、「こんなの大したことじゃない、大人しくしていろ」と言いたいだろうが、それは我々のためを思って言っているわけではない。

自衛のためのとろろ昆布にも、いい加減飽きてきた。

 

(註1)WHO飲料水水質ガイドライン 203ページ (ヨウ素の元素記号は“I”)

(註2)「原子力施設等の防災対策について」という資料に載っているそうだ。

(参考)放射能汚染された食品の取り扱いについて (厚生労働省)
     (緩められた放射性ヨウ素などの基準値が載っている。出されたのは今年の3月17日)
         都内の水道水中の放射能調査結果
      (新宿では22日以降にWHOの基準を超えた)

posted by 鶴見済 at 13:03| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年03月21日

原発推進は反省されたのか?(追記あり)

原発推進ポスター.jpg避難していた大阪から帰ってきた。大阪では、毎日のように友人・知人に会ったり連絡を取ったりしていた。驚くほどたくさんの知人が、西日本に避難していることを知った。内輪での大体一致した意見は、「危険な状態は変わっていない」ということだった。


水道水や雨から放射性物質が検出されているのに、安全性ばかりが強調されているのには腹が立つ(註1)。

けれどももっと腹が立つのは、つい2週間前まで国をあげて原発を推進してきたことが、まったく反省されていないことだ。推進してきたのは、まず原発で商売してきた“大企業”、特に電力会社と電機メーカー3社(東芝、日立、三菱重工)(註2)。“官僚”、特に経済産業省エネルギー庁。“政治家”、特に自民党、民主党(註3)。御用学者たち。そして大新聞をはじめとするマスコミだ。

彼らは少なくともチェルノブイリ以降、この地震の多い列島でこんなにたくさんの原発はありえない、と散々言われてきたのに、まったく耳を貸さずに推進を続けた。膨大な税チェルノブイリから飛び散ったセシウム137の分布.gif金を使って、「日本の原発は安全だ」「原発はクリーンだ」と宣伝してきた。しかも彼らは権力の中枢にいるので、誰からも反省を迫られない。今回も、このままうやむやにしてやり過ごすつもりだろう。

ここで反省させないと、またほとぼりが冷めた頃に推進を始める。

とりあえず、雨に濡れないように気をつけたい。


(註1)元ICU教授の田坂興亜氏は、ごく微量でも深刻な結果をもたらす「体内被曝」の可能性を無視し、CTのような「体外被曝」との比較に摩り替えている、と枝野官房長官の発言を批判している。

こんな悲劇的なニュースまである。摂取制限基準の3倍を超えているのに、「飲んでも差し支えない」とは!

福島県飯舘村で水道水の飲用控えるよう要請 「他に水がなければ飲んでも差し支えない」 (産経)  
(註2)なかでも東芝はウラン採掘、輸出、イメージアップ戦略まで、熱心にやっていた。参考:東芝原子力事業部  原子力はクリーンなエネルギーではない(日記)
(註3)菅直人は原発輸出を“新成長戦略”としていたが、この「経済成長のためなら何をしてもいい」という姿勢ごと反省する必要がある。

(参考)福島第一原発で起きていることを理解するために (友人が作ったサイト。いい情報が選ばれている)  

     鎌仲ひとみさんのツイッター
(関連日記一覧カテゴリ)原発
図上は、文部科学省原子力教育支援事業での公募ポスター。ここのサイトのポスター群を見てほしい。下はチェルノブイリから飛び散ったセシウムの行方。

追記)
原発「津波に耐え素晴らしい」 原子力行政「胸を張るべきだ」 経団連会長が発言
 (北海道新聞)
「日本経団連の米倉弘昌会長は16日、東京都内で記者団に対し、福島第1原発の事故について「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と述べ、国と東京電力を擁護した。」
「米倉会長は事故は徐々に収束の方向に向かっているとし「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と発言。」

原発は重要エネルギー源=地震多いのは運命−与謝野経財相 (時事)

「「将来とも原子力は日本の社会や経済を支える重要なエネルギー源であることは間違いない」と語り、あくまでも原発を続けるべきだとの考えを示した。」


これはもう狂気だが、経済産業界の考えであることは間違いない。こういう連中が作っている社会では、我々が幸せになれないことも間違いない。

posted by 鶴見済 at 19:17| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

放射性物質が飛んできた

放射性物質の飛び方大変な被災をしている人がいるのに、原発のことばかりでなんだが、これはこれで極めて重大なことなので、共有したほうがいいと思う情報を。
心配が増すようなものばかりになってしまっているが、パニックになったら困る、などと言って安全性ばかり強調したり、知らせないようなことがあるなら、それはフェアじゃないので(人々をナメている)。

とりあえず放射性物質を吸い込まないこと、雨に濡れないことは誰にでもできる対策。弱い放射線しか検出されなくても、放射性物質が体内に入った場合は話が別だそうだ。 

福島原発の危機について私たちは考えます (原子力資料情報室)
 
(「原発から距離を置くのが最も有効な手段」とされている)
もしも大事故が起こったら (原子力資料情報室)
放射能から身を守るために (よくわかる原子力HP)
東京都日野市での今日の放射線量測定値 (ナチュラル研究所)
 (今日の12時頃ぐんと上がった後下がっている)
核反応生成物、都内で微量検出=セシウムなど、放射線量20倍 (時事)

メルケル独首相、国内原発の稼働延長を凍結 福島原発事故を受け(AFP)

posted by 鶴見済 at 22:16| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

震災が垣間見せる「もうひとつの世界」(追記あり)

1号機と3号機の爆発_edited.jpgニュースでは大丈夫そうなことを言っているが、そう思っている人もいるまい。震災自体が地獄だが、原発のほうもずっと、地獄まで首の皮一枚の状態だ。

炉心溶融寸前が3機もあり、そのうち2機が水素爆発を起こしてるだなんて、もう言葉がない。

震災だって悪いことばかりではないと思いたい。ある意味、「もうひとつの/こうじゃない世界」を垣間見せてくれている。

もし無事に普通の状態に戻れたら、こういうふうに助け合いながら、停電はあってもいいから原発のない社会に、工場は止まってもいいから、エネルギーを浪費してまで成長を目指さない社会にしていけばいい。そう思える。

とりあえず自分も節電するので、飲料自販機のコンセントを抜いてもらって(註)、ネオンサインを消してもらおう。


(註)国内の清涼飲料の自販機260万台が使う電気は、原発1基分の発電量になる。

 ⇒缶ジュースに見る消費社会の問題  自動販売機という無駄

(参考)山口県知事、上関原発の工事中断を要請 (日経。素晴らしい!)

      米第7艦隊、原発風下から離脱 放射線検出受け (AFP)

    原子力事故が起こったら 市民の防災ノート伊那谷版

関連日記:原発の輸出を喜ぶ国  日本の原発輸出を大新聞が推している  
       なぜ原発は推進されるのか

(追記)
15日になって、2号機の爆発、4号機核燃料プール付近の火災で、首の皮一枚つながっているかどうかわからなくなった。
福島第一原発4号機、超高濃度放射能が拡散 (読売)

仏大使館…自国民に外出自粛の呼びかけ (読売)
「福島第一原発での一連の事故を受け、「10時間ほどで弱い放射線が東京に到達する恐れがある」として、都内に滞在する自国民に外出を控えるよう勧告、さらに、「パニックに陥らず、家の窓を閉じよう」と呼び掛けた。」
なぜフランス大使館の呼びかけを参考にしなきゃならんのだ!?
放射線から身を守るために

posted by 鶴見済 at 23:10| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

これでもまだあなたは原発に怒りませんか?

爆発する福島第一原発.jpg原発のニュースを見ていると、まるでジェットコースターに乗っているようだ。

原子炉本体が爆発していないなら、こんなにありがたいことはないが、ではあの爆発は何だったんだ!? 

災害はどの施設も同じように受けた。なのに原発だけが、ここまで危険になりうる。

いつかこの事態が落ち着いた時、原発の計画を180度見直すことができないようなら、それでも「理想論ではなく現実的には原発は不可欠」などという言葉にだまされ続けるなら、ここまでの目にあってもまだ原発とそれを推進してきた連中に怒れないなら、もうこの国の国民はおしまいだ。

と思いながら、晩飯にはとろろ昆布の味噌汁を飲んだ。

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(爆発映像)Japan earthquake: Footage of blast at nuclear plant (BBC)

なんでここで、海外のニュースを紹介しなきゃならないんだ?

(参考)原発事故、世界に衝撃 欧米・新興国で推進政策見直しも (日経)

日経だけに、この期に及んでもまだ日本の原発を精一杯擁護しているところがムカつくが、この原発事故は世界の原発政策を左右し得る。反対するのに地元住民かどうかなんて小さいことは問題にならない。

写真は爆発中の福島第一原発。

posted by 鶴見済 at 23:58| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

原発の批判はマスメディアに出ない

モラトリアム・カミノセキ 記者会見.jpg上関原発の工事を強行せず、立ち止まって考えることを求める「モラトリアム・カミノセキ」の記者会見はためになる。出席者は鎌仲ひとみ、田中優、池田香代子、らんぼう、坂田昌子、坂口恭平、マエキタミヤコ各氏。
特に田中優氏の話が面白い。N新聞社から本を出そうとしたところ、原発に関する部分を次々と削らされた挙句、本自体が出ないことになったという。マスメディアでは出せない”コード”があり、それは都市伝説ではない、と強調している。
3/2モラトリアム・カミノセキ記者会見 (Ustream)  (写真は会見の様子)   
   モラトリアム・カミノセキHP

今ならこうしてインターネットで知ることができる情報も、これがなかった頃はマスメディアが握りつぶしてしまえば、ほぼ埋もれさせることができたはずだ。
原発に限らず、大企業や経済界全般について、日本のマスコミはこういうことをやってきた。90年代にナイキのスウェットショップ・スキャンダルを握りつぶしたように、こうやって経済界を守ることが、彼らの大きな役割になっている(註)。
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(註)その証拠に新聞の経済面には、「○○社の新製品△△が新発売。特徴は×××××。値段は□□円。」などというジャーナリズム精神のすべてをかなぐり捨てた”記事”が、広告としてではなく、毎日のように載っている。あんな紙面は、大企業とベタベタに癒着していなければできるわけがない。
(参考映像)2/16鎌仲ひとみトークライブ (もちろんテーマは原発。途中に出てくる福島みずほとの話が面白い。ここにも日本のマスメディアの腐敗の話がたくさん出てくるが、経済産業省の記者クラブに入った記者は、接待をたくさん受けていて、お土産まで貰っているそうだ。場所はロフトプラスワン)
posted by 鶴見済 at 21:53| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年02月25日

なぜ原発は推進されるのか?(追記あり)

上関工事強行.jpg山口県上関町で、中国電力が何百人もの警備員を集めて原発の工事を始めてから、もう5日目になる。祝島の人たちが30年も反対・阻止してきた工事だ。全国から集まった大勢の人が、激しい抗議を行なっている。
      ⇒ 虹のカヤック隊  祝島島民の会blog

毎日Uストリームで中継もされている。 ⇒ 満月TV
上関、沖縄・高江、アメリカ大使館前と、同時にあまりにも腐ったことが起きてしまい、若者たちに見せるのも恥ずかしいが、残念ながらこれが現時点でのこの国の姿であり、今後変えていく以外にない(註)。

そして、1月に素人の乱12号店でやった、「原発どうする?」というイベントで話した映像がアップされた。

「原発どうする?」(鶴見済氏1) (2) (計約24分)

以下は、聞きながらでないとわかりにくいが、その時に配ったレジュメ。


1.なぜ原発は推進されるのか?


・経済産業省資源エネルギー庁の「エネルギー基本計画」(2010年6月)では、

  2020年までに原発9基を新設! 国際展開を進める、教育・広報事業の推進、などを謳う。

・推進派の構造

@原子力産業  メーカー(東芝、日立、三菱重工)

                      電力会社(東京電力、関西電力など)
                商社、土木・建設、鉄鋼、など

       
A官僚  経済産業省(天下り、審議会に原子力産業から)

Bマスコミ(原子力産業が有力スポンサー) C学者・研究者   D政治家 

          ⇒ これらの勢力が強く癒着している(他の産業でも同じ)

・原発一基3000〜5000億円(火力発電所の3倍) なぜ高いのに作るのか?

   電力会社は投資した分だけ電気料金に上乗せできる → たくさん投資すれば電気料金を上げられる(「日本の電気料金は世界一高い」と言われる) ⇒ 原発を作るほど儲かる

・地方自治体に莫大な交付金が落ちる  ⇒ 結局カネの問題


2.原発の輸出へ


上関工事 ネット.jpg・90年代以降「北」の国で原発需要頭打ち ⇒ アジアでの建設請負に乗り出す

   日本は、台湾(輸出済み)、ベトナム(決定)、中東? タイ? トルコ? インド?等々へ  (ベトナムへは5000億円の融資も(相手国を債務漬けにする))

・2000年代半ばにブッシュの原発回帰宣言 ⇒ 世界中で受注競争拡大(東芝はフィンランドへも)

・世界の三大原発グループ(+ロシア、韓国等)が受注をあさりまくっている

   東芝─ウェスチングハウス(米)

   日立─ゼネラル・エレクトリック(米)

   三菱重工─アレバ(仏)

・東芝はカザフスタンにウラン鉱山を獲得 ⇒ アジアを核燃料の輸入先としても利用(ウラン鉱山でも、原発同様、労働者の被ばくが起きる)

・アジアの人たちは原発を歓迎しているのか?
   →日本と同じく、原発反対運動はアジアでも起きている

   インド、07年に6000〜7000人のハンスト!

   台湾各地で、00年10万人デモ! 抗議の焼身自殺。放射性廃棄物を押し付けられた先住民の反抗

   フィリピン、インドネシア、タイなどでも  ⇒日本に原発を輸出するなと抗議 

・日本は資源や製品をアジアから輸入して、公害やゴミを輸出してきた。が、原発ほどひどい輸出品はない。
  
⇒日本はアジア、世界に放射能を輸出している

・参考:ノーニュークス・アジアフォーラム http://www18.ocn.ne.jp/~nnaf/


3.原子力と人類


・20世紀に入って人類は原子力(核)エネルギーに気づき開発を始めた

・1945年史上初の核実験 → 広島、長崎への原爆投下

・戦後、核実験(2000回以上も行われた)と核爆弾の製造 + 原子力発電 が進められる

・しかし。核実験の禁止、冷戦終了による核爆弾製造競争の終わり

   スリーマイル島(79年、米)、チェルノブイリ(86年、ソ連)原発事故による原発の見直し

   ⇒90年代には、人類は原子力を使いこなせない(放射能が出るから)、という結論に達したはずだった  

   2000年代の原発回帰は、単に原子力産業を儲けさせるため

・原発は人にも環境にも悪いけれども、カネは儲かるという、考える上である意味絶好の問題

「キミの言っていることは理想論としてはわかるけれども、現実問題として我々も食っていかなきゃいけないわけだから」という深く浸透している詭弁が飛んでくる

・自然界のなかで人間だけが永遠の経済成長(カネ儲け)を続けようとすることこそ理想論。現実問題として、人にも環境にも害が少なく、無理のない経済ができないわけがない。

     ⇒こうじゃない世界は可能だ!!!


(註)中部電力:原発2、3基新設へ 三重沿岸部想定か (毎日)
参考:
中国電力の筆頭株主は事実上山口県である (薔薇、または陽だまりの猫)
「中国電力株を13.3%も保有している筆頭株主(財)山口県振興財団の理事長さんは、1996年からずーっと山口県知事をやっている二井関成(にいせきなり)氏なのであった。」
また中国電力は、上関町に18億円もの寄付をしている模様。
写真は、恐るべき人海戦術で工事を行う中国電力。

(追記)
3月4日には、中国電力東京支社前で、デモ(というか抗議行動)と全国一斉キャンドルナイトが行なわれる。抗議の前には衆議院議員会館で院内集会もある。
上関原発いらんよ!緊急デモ&キャンドルナイト  3/4緊急院内集会

またNHKの以下の番組では、上関町で原発を推進する人たちの意見が聞ける。
"原発"に揺れる町〜上関原発計画・住民たちの27年〜(2) (YouTube)
その主張は、「原発で町の活性化を」ということに尽きる。これが原発のみならず、再処理工場や米軍基地やいらないダムや道路を受け入れてきた地方の心情だろう。輸入品をどんどん入れて一次産業をダメにする一方で、地方にこういうものを押しつけてきた国の政策の罪深さに呆然とする。これらの施設は、一時的にカネを落とすかもしれないが、地域のためになるものではないのだ。
もちろん原発を作りさえすればば町が活性化する、などということもない。
柏崎市からのメッセージ〜原発がきて町がどうなったか  (YouTube)

posted by 鶴見済 at 23:06| 原発 | 更新情報をチェックする

2011年01月24日

19、20歳の若者が上関原発反対のハンスト中(追記あり)

今現在、上関原発の工事の中止を求めて、19歳と20歳の若者5人グループが、山口県庁でハンガーストライキを決行中だ(註)。この寒さのなかで、連日何も食べていないという。偉いぞ、若者! それが普通だ。「カネのためなら、どんなこともやむを得ない」という経済界の論理にどっぷり浸かっているのでなければ、原発がいいだなんて理屈はわからない。

全国から集まった10代を中心としたハンガーストライキ 声明文


反原発イベント.jpg自分は、28日(金)に行われる“原発ふざけんなイベント”に出る。原発で儲けている連中のことや、「人間界の経済」というやつがいかに狂っているかを話そうかと、今のところ思っている。

メインは、岩手県で六ヶ所村の再処理工場の反対運動を起こしている永田さん。素人の乱の松本哉君も話す。

トークイベント[原発どうする?] (素人の乱12号店)

(註)原発に抗議 県庁でハンスト (中国新聞)

参考ニュース:前エネ庁長官、東電顧問へ「天下り」 退官から4カ月余 (朝日)

(電力業界は経済産業省と深く癒着している。)

聞きたい:東芝・佐々木則夫社長 (朝日)

(東芝の原子力事業部上がりの社長は、原発を事業の柱に位置づけている。)
関連推薦映画:『祝の島』HP
関連アクション:ストップ!上関原発! あなたにもできる原発反対運動

関連日記:原発の輸出を喜ぶ国  仕事を選べないという問題 原子力はクリーンなエネルギーではない

(追記)
ハンスト9日目.jpgイベントはおかげ様で、50人近い人で一杯で、なんとハンスト中の若者たちのお母さんも来てくださった。
そのハンストも、今日で9日目(!)。皆で彼らを応援するFAXを、山口県庁へと送り、届けてもらおうと話した。彼らに賛同する人は、こちらのブログ(⇒マンデードッキリ大作戦)の「FAXの書き方」を読んで、ぜひ(もちろん彼らの健康が最優先なんだが)。
彼らがブログで、高江のヘリパッド建設にも反対を表明しているのを読んで、グッと来た(⇒五日目終了)。この記事に限らずどれも、なぜかグッと来る。我々の多くは、普通にこう思っているはずなのに、その真っ直ぐな思いをこんなふうに表現できず、いつも引っ込めてしまっているからなのかもしれない。彼らの日々の様子を伝えるUstreamもとてもいい(⇒hungryboys)。
山口県庁 TEL 083-933-2570 FAX 083-933-2599 (県知事は二井関成氏)
中国電力 TEL 082-241-0211 FAX 082-523-6185
上関原発建設計画:反対の県外の若者5人、県庁前ハンスト6日目 (毎日)


(追記2)
イベント当日の鶴見のトーク映像はこちらで見られます。
「原発どうする?」02(鶴見済)(2011年1月28日高円寺素人の乱12号店)
posted by 鶴見済 at 13:48| 原発 | 更新情報をチェックする

2010年11月11日

原発の輸出を喜ぶ国

山口県の上関原発予定地の埋め立てにやってきていた中国電力の船を、反対する人々が猛抗議で追い返したのが、10月25日だった。祝島の反対で有名なこの上関原発問題は、名古屋のCOP10でも取り上げられ、今回はハンガーストライキや、著名人による反対の署名運動もあった(註1)。
けれどもこのことは、ほとんど報道されなかった。

被ばく労働者数の推移.gifその1週間後には、ベトナムに2基の原発を輸出する話が決まったと各大手新聞がトップニュース扱いで報道した(註2)。こんなことで、日本中が大喜びしているかのようだった。

日本で原子炉を作っているのは東芝、日立、三菱重工の3社だが、これに東京電力など電力会社9社、投資ファンド1社、そして政府を加えた”オール・ジャパン”チームが一丸となってベトナムに原発の売り込みをかけていたのだった。


日本は原発に限らず、ダムなどインフラの輸出でも、「南」の国々、特にアジア諸国に大迷惑をかけてきた(註3)。そういう輸出もAPECTPPによる自由貿易を進めることで、一層やりやすくなる。そこで各大手新聞は、政府のなかでも意見が割れているTPP参加について、「参加以外に道はない」「ためらうな」と連日連日、一大キャンペーンをやっている(註4)。

この国のマスコミは政治については、一応いいことも悪いことも言う。けれども経済については、大企業のPR活動のようなことしかできない。だから我々は、大企業に文句を言うことができずにいる。


(註1)参考:祝島島民の会blog

(註2)ベトナムの原発受注で合意日越首脳会談(読売)
(註3)参考日記:アルミはどこから来るのか?
(註4)太平洋FTA―通商国家の本気を示せ(朝日社説) 日本は「通商国家として生きるしかない」そうだ。商社の社説かと思った。
推薦映画:『ミツバチの羽音と地球の回転』HP
参考日記:我々はアジアにゴミを輸出している

図は、増大する、日本の原発で働く被ばく労働者数の推移。この統計では、年間6万人以上にも上っている。必ず生じる労働者の被ばく、放射能漏れ、放射性廃棄物という問題まで輸出するのがそんなに嬉しいのか? 儲けが少なくても、せめて火力発電所を輸出しろと言いたい。

posted by 鶴見済 at 23:06| 原発 | 更新情報をチェックする

2010年08月09日

日本の原発輸出を大新聞が推している

「日本の原発を中東で売る」The Asahi Shinbun Globe
こんな大見出しが、朝日新聞を開いたら目に飛び込んできた。
朝日新聞が時々挟み込む、(グローバル経済を応援するための?)特別紙面だった。


チェルノブイリ原発.jpgチェルノブイリ原発事故以降はコソコソとやっていたはずの原発産業側も、今では堂々と、東芝、日立製作所、三菱重工の各責任者が、顔写真を出して意気込みを語っている(これら大広告主のメリットになるなら、大新聞も反対しないだろう)。

記事では、原子力を「環境に優しいエネルギー」などと同じく堂々と書いているが、放射線を半永久的に出し続ける、安全な処理のしかたもわかっていない“放射性廃棄物”を出す原子力発電なんかより、石油を燃やしたほうがよほど環境に優しいことなど、少し考えれば子どもでもわかる。

そんな原発を、世界最大の石油の産地である中東に売るとは……。


原発を受注すると「1基当たり数千億円にもなる」そうだ。「民主党政権は、官民一体での原発ビジネスを「成長戦略」の一つに位置づけた」ともある。彼らはカネさえ儲かれば何でもいいのか!?

我々が生きている世界は、経済と行政が結託した勢力に支配されていると思う。


関係音楽:ザ・ブルーハーツ『チェルノブイリ(live)』You Tube

関係映画:『ミツバチの羽音と地球の回転』 『祝の島』
関係日記:原子力はクリーンなエネルギーではない

写真は86年に事故を起こして世界中をパニックに陥れたチェルノブイリ原発。

無関係サイト:暑くなる東京(東京都環境局)

posted by 鶴見済 at 13:19| 原発 | 更新情報をチェックする

2007年11月06日

仕事を選べないという問題

rokkasyomura.bmp青森県の六ヶ所村にある使用済み核燃料再処理*)工場のことを考えていくと、この過疎化した村には今のヒトが直面してる問題が凝縮されているように思える。

エネルギーの問題に限らず、「どうやって働いて生きるか」という問題についても考えさせられるのだ。

来年2月に本格的に動き出す予定のこの施設については、かつて反対派と推進派が2派に分かれて対立していたのに、今では人口1万2千人の村民中、反対しているのは5〜6人程度になってしまっている。村会議員の3分の2は、建設関係者だ。
反対派がいなくなった背景には、国がカネをばら撒いて黙らせたという経緯もあるようだが、なによりも、すでに多くの人の生活がこの工場やその関連施設で働いた収入で成り立ってしまっているという事実がある。

もちろん本来ならば、村に仕事がないなら、核処理工場を建てて仕事を作るのではなく、従来からあった漁業や牧畜業を復活させたり、あるいは観光業を興したりするために国がカネを使うべきなのだ。


が、別の意味で深刻なのは、この「すでにそこで働いたカネで生活してしまってるから反対できない」という構造が、この我々がいる企業社会全般についても言えるのではないか、ということだ。

原子力施設に限らなくてもいい。軍需産業でも証券でも広告でも、あるいはなくてもいい缶飲料の新商品の製造でも、すでに多くの人がそれに関係する経済領域で働き生計を立ててしまっている以上、それらの人は、労働条件の改善を要求することはあっても、その産業が存在すること自体をもう否定できなくなってるんじゃないか?
実際に、生きていくためには職業など選んでいる余裕はなく、どこかの企業のために働かざるを得ないというのが、六ヶ所村に限らずこの国全体の現状でもあるのだ。

何百年か前までは、ヒトは「カネがないと生きていけない」わけではなかった(食べ物がなければ生きていけなかっただろうが)。
それをここまで経済やカネに依存せざるを得ないところまで持っていった企業や経済界には、実に上手くやられてしまっていると思う。


*)国中の原発で出た使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物)を集めて、そこからプルトニウムという極めて危険な放射性物質を取り出す作業のこと。そのために大気中と海中に、国内の原発が1年で放出する別の放射性物質を、毎日放出することになる。ただし、プルトニウムを燃料として使う原子炉(高速増殖炉)は今日本では動いていない。

参考サイト:『六ヶ所村ラプソディー』

http://www.rokkasho-rhapsody.com/_news/magazin

STOP ROKKASHO

http://stop-rokkasho.org/information/ja/03.html 
posted by 鶴見済 at 18:39| 原発 | 更新情報をチェックする

2007年08月13日

原子力はクリーンなエネルギーではない

「原子力はクリーンなエネルギーではない」。こんな当たり前のことを、最近は本気で主張しなければいけないのか?
電力会社や政府は「原子力発電はCO2を出さないから、温暖化を進めないのでいい」なんて宣伝をしているようだが、地球環境のために原発を推進するなんてバカげた理屈がこの世に存在するのか?

原発は放射性廃棄物を出す。そのウランが核分裂した後の物質の集まり(いわゆる「死の灰」)は、その後数万年とも数百万年とも、あるいは半永久的とも言われる長きにわたって高レベルの放射線を出し続け、人体や環境に害を与え続ける。人類はこの放射性廃棄物という典型的な「負の遺産」をどうすればいいのか、今でもわかっていないのだ。
放射線を出すくらいなら、CO2を出したほうがまだマシだと言える。

だというのに、原発回帰は世界的な傾向で、アメリカやヨーロッパも、スリーマイル島やチェルノブイリの事故以来脱原発を進めていたのに、ここに来て中東への依存度やCO2の排出量を減らすために(!)、原発に回帰しようとしている。
(人類は20世紀に入って、原子力(核)エネルギーという新たなエネルギー源を見つけた。けれどもそれに伴って出る「放射能」をどうすればいいかわからなかった。──ということで原子力開発への結論は出たんだとばかり思っていたんだが。)
さらに
アジアでは中国やインドなど、経済成長を進めたい国はもちろん、これまで原発などもたなかった国々まで、新たに原発を作ろうとしている(実際に作るのは日本やアメリカやヨーロッパの企業になるんだろうが)。
東芝にいたっては、中央アジア・カザフスタン国にあるウラン鉱山の権益を買い取り、アメリカの原発製造を請け負って、総合的でグローバルな原発産業を打ちたてようとさえしてるのだ!

「東芝、カザフのウラン権益取得へ 丸紅と交渉」
http://www.asahi.com/business/update/0810/TKY200708100363.html



原発問題は、今人類が直面してる問題の雛形のようだ。
原発をどんどん作っていくことで経済は成長するし、産業界は潤うかもしれない。しかしそれによってヒトの体そのものに害が及び(もちろん産業界の人の体にもだ)、自然環境にもいいどころか、最悪に近いダメージを与える。
そして、そんなことはある程度誰にもわかっているのに、バカげた方針がどこかで決まってしまうと、もう止めようがなくなるのだ。

本当に考えなきゃいけないのは、余計なエネルギーを使わないことだっていうのに。

このことについては、六ヶ所村の核燃料再処理工場のことなども含めて、引き続き書いていこうと思う(六ヶ所村については、そんな悠長なことを言ってる場合じゃないんだが)。

posted by 鶴見済 at 13:01| 原発 | 更新情報をチェックする