2012年08月12日

鶴見済「脱資本主義講座」が渋谷・ディクショナリー倶楽部で開催!

283541832_934b72135e_z.jpg●桑原茂一さんによるスペース、渋谷・ディクショナリー倶楽部で、トークイベントをやります。
第1部は鶴見が新刊『脱資本主義宣言』に即して、このクソな経済の仕組みが、我々の人生をどれだけ貧しくしているか、そしてその解決策を、本に書けなかったことを盛り込みながら話します。例えば、今も社会を牛耳る経済界のこと、「経済のため」主義による洗脳、消費と輸入漬けにされる我々とアジアの貧困・環境破壊の関係、誰にでもできる対抗手段、自然界とのつながり直し方、等々。編集者の大久保さんに、聞き手役をやってもらう予定。

そして第2部は、小川てつオさん、いちむらみさこさんと鶴見のトーク。
小川さんといちむらさんは、もう10年も都内の公園で暮らしています。そのカネに依存しない暮らしとはどういうものか、食べ物はどうしているのか、いいところと大変なところなど、あれこれ聞こうと思います。他にも、公園の生活からこっちの世界はどう見えるのか、カネに頼りきった我々は何を失っているのか、等々、聞きたいことばかり。
入場料は無料! このイベントは同会場で行われている「ART PICNIC#6 ROCKN ARROW」の一環として行われるもので、会場も展示など見所が満載。これに来ない理由がよくわからない。

脱資本主義講座 出演:鶴見済、小川てつオいちむらみさこ

/19(日) 1部18:00〜 2部19:30〜(予定)、入場無料
詳細 ⇒ 鶴見済 脱資本主義講座 (ディクショナリー倶楽部HP

5625978303_7212fc4ba5_z.jpg●『脱資本主義宣言』は残念なことに、ほとんどの書店で経済・ビジネス書のコーナーに入ってしまっています。「書店で見つからない」「経済の棚でやっと見つけた」という声が多く聞かれますが、見つからない方は、経済・ビジネス書の棚を探してみてください。
書店の方々には、ぜひこの本を「格差・貧困」や「社会問題」などのコーナーに置いていただくようお願いします。この本は確かに経済の仕組みを扱っていますが、いわゆる経済書とはまったく異なり、我々の生活や生き方について書かれたものです。対象としているのも、サラリーマン層よりは、“オルタナティブ系”の読者層です。

●現在本書のメッセージ入りサイン本を置いてもらっているお店は、下北沢・気流舎、新宿・IRA、新宿・模索舎、三軒茶屋・ふろむあーすカフェオハナです。すべて自分の一押しの店ばかり。この機会に、まだ行ったことのないお店を覗いてみよう。IRAなど、通販で買えるお店もあり。

●新潮社の『脱資本主義宣言』のページは使えます。「書評/対談」をクリックすると、鶴見済インタビューが読め、「感想を送る」の欄から感想を送ってもらえれば、著者・鶴見が見ることができます。
立ち読み」では前書きも読めます。
『脱資本主義宣言』 (新潮社HP)

●現在発売中の雑誌『atプラス』で、「経済至上主義と原発――脱資本主義を迫られる日本」という記事を書いてます。この国の原発がいかに産業界のものであるか、この国がどういう経緯で「エコノミック・アニマルの国」になったか、経済学には何が欠けていたのか、などを解き明かしています。

写真上は、本の表紙に載っているインド北西部のスラムの少年。下は同じく表紙にある、世界最悪といわれるタイ・バンコクの交通渋滞。
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2012年07月22日

『脱資本主義宣言』発売記念、鶴見済トークイベントやります

4966209782_000c7172a6_z.jpg「資本主義後をどう生きる!?」というサブタイトルのついた『脱資本主義宣言』発売記念イベントをやります。
まずプロローグとして、自分がこういう本を出すことになった経緯について、など。
第1部は本のひとつのテーマである、我々のこの輸入・ゴミ輸出生活が、海外、特にアジアにどんな迷惑をかけているのかを中心に、色々な話を。
そして第2部では、これも本のもうひとつのテーマである、経済至上主義の国・日本の変化について。我々の生きづらさは、かつてと今とではどう変わり、今後は企業にすがらずに生きていけるのかどうか、など多岐にわたって話をします(だめ連がかつてを振り返るのは、極めて珍しいこと。この面子でないと話せないことがある)。


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『脱資本主義宣言』発売記念ライブ──資本主義後をどう生きる!?

7月24日(火) 18:30開場 19:30開演

プロローグ 鶴見済
第1部 日本とグローバル化の問題 (内田聖子<PARC事務局長>(註1)×鶴見済)
第2部 生きづらい社会の過去・現在・未来 (雨宮処凛×だめ連<神長恒一、ペペ長谷川>×鶴見済)(註2)
(本は会場でも販売します。イベント終了後サインなどします)

会場:ロフトプラスワン
前売¥1000/当日¥1300(飲食代別) ⇒ スケジュール/予約受付方法

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(註1)内田さんが事務局長を勤めるPARCは、自分も連載させてもらっていた『オルタ』を出している大御所NPO。⇒ PARC HP 
会員になると、『オルタ』も送ってもらえ、活動を支えられる。自分も会員。
日本では、こうしたNPO、NGOが注目・サポートされないので、我々も輸入したものがやってくる先で起きている問題を知ることができないし、企業もやりたい放題ができてしまうという事情がある。
(註2)雨宮さんとの対談の一例。松本哉×雨宮処凛×鶴見済、『貧乏人の逆襲』鼎談
神長氏とは一緒に、ネットラジオRadio Freedomを長らくやっていた。
写真は、新刊の表紙をよく見ると載っているブラジル、リオ・デ・ジャネイロのスラム。
posted by 鶴見済 at 18:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月26日

新刊『脱資本主義宣言』と「カネではない価値観」

帯つき表紙.jpg『「経済のためだから、理想論ではなく現実問題として、仕方がない」。
こんな言葉の前に我々は、どれだけ多くのことを諦め、思考を停止させられてきたことだろうか。』(前書きより)

こういう書き出しで始まる『脱資本主義宣言──グローバル経済が蝕む暮らし』(新潮社)という本を出した。

『レイヴ力』(対談集)以来12年ぶり、自分で書いた本としては『檻のなかのダンス』以来14年ぶりの本になる。
ここしばらくデモやイベントや畑に足しげく通いながら考えたことを詰め込んだつもりだ。レイヴを通して考えたことももちろん大きな柱になっている。

自分はこの大量生産、大量消費、大量廃棄、大量輸入のあり方を疑わない社会の空気を、どう考えてもおかしいと思う。
自分だってこれまでは知らなかったので、偉そうなことは言えない。けれども、自分の服や食べ物、買っている物が、どこで誰に迷惑をかけながら作られているのかも考えもせずに買い捨てに浮かれているとしたら、やはりそれは愚かなんじゃないかと思う。けれども、我々だって悪意でそうしているわけではなく、愚かにさせられているんじゃないか?
経済のためだとか、景気回復がすべてを解決するとか、そんなことばかり聞かされてきたが、結局は大企業のカネ儲けのためだったんじゃないか?
カネがなくて困る人が多いのは、経済の成長が足りないからではなく、富の分配の仕方が間違っているからなんじゃないのか!?
──この本には、こんな「資本主義」という経済の仕組みに対する自分なりの怒りが、身近なものに関する細かいデータを満載しつつ、ぶつけてある(もちろん原発についても書いている)。


では資本主義ではない「依って立つもの」「カネではない価値観」をどこに求めたらいいか?
その答は人により場所により様々だと思う。ある人にとっては、「フリー・エコノミー(タダの経済)」かもしれないし、「有象無象(マルチチュード)の連帯」を考える人もいるだろう(自分もそう考えてもいる)。
だからこの本では、それは何々だ、という書き方はしていない。けれども自分が何かひとつ挙げるなら、それは「自然界とのつながり」になってしまう。
この本の最後の章「自然界とのつながり」の冒頭にある「人間界の外側」という文章は、他のページは斜め読みであっても、ぜひじっくりと読んでもらえたらと思う(BGMはルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』か?)。
この世界は相変わらずどうしようもなくひどいが、時にはこういう気分になるのもいい。そうでなければ、やっていられない。


この本は、書き下ろしに加えて、『オルタ』やこのブログに書いてきたことを大幅に書き直して一編にまとめたものだ。なのでこれまで自分の書いたものを丁寧に読んできてくれた人には、見覚えのある文章が並んでいるかもしれない。が、ぜひ手に取って、そのまとまった質感を感じてほしい。
この本はもしかしたら、自分が今まで作った本のなかで一番いいんじゃないかと思うこともある。


●新潮社のHPでは、目次と前書きの前半が読めるようになってます。⇒『脱資本主義宣言』立ち読み
●7月24日(火)には、ロフトプラスワンで発売記念イベントをやります。出演は、鶴見済、だめ連(神長恒一、ペペ長谷川)、雨宮処凛、内田聖子(PARC事務局長)。前売り:1000円、当日1300円(飲食代別)(脱資本主義的スペシャルプライス!!)。詳細はあらためて告知します。
●本はどこで取り寄せても同じなので、なるべく地元の書店で買えば、自分の地域の活性化につながります。
●下北沢・気流舎、新宿・IRAでは、メッセージ付きサイン本を売ってくれています。他にもこの後、サイン本を置いてもらえる店が増えるかも。
●ブログはなかなか更新できませんが、twitterで言いたいことを言っています。最新情報などはこちらを ⇒ twitter(@wtsurumi鶴見済)  過去のツイート ⇒ twilog  favstar


posted by 鶴見済 at 12:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月18日

twitter始めました

広告宣伝費 上位10社.gifわけあって、やるまいと思っていたtwitterをついに始めました。

短い言葉で言えることはこっちで、長くなることはブログで書くことになると思います。どうぞうよろしく。

鶴見済twitter  

図は、関係あるわけないが、07年度の宣伝広告費上位10社。東京電力など入っていない。つまりメディアにとって東電以上に批判禁止である大企業はまだまだある。特にトヨタ、電通などは敵に回してはならないことで知られる。

posted by 鶴見済 at 17:54| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

原爆に二度目はないと思われていた

世界の核実験地点.jpg1945年の8月9日、日本の上層部は、2番目の原爆を載せた飛行機が飛んできたことを、投下の5時間前に無線を傍受して気づいた。そこですぐに人々を避難させておけば、被害は少なくてすんだ。けれども何の対応もせず、空襲警報すら出さなかったため、被害は甚大になった。それは「アメリカがいくつも原爆を落とせるはずがない」と、何の根拠もなく考えていたからだった(!)。

それを明かしたNHKのドキュメンタリーが非常にいい。

原爆投下─活かされなかった極秘情報 (NHKスペシャル、字幕切れてるが)

 

まったく愚かしい。そして今の政治の愚かしさは、その頃にそっくりだ(註1)。

けれども「原爆は二発」という我々にとっての“常識”から離れてみたら、一発目の威力があまりにもすさまじかった場合、愚かにもそう思ってしまうかもしれない。

ならば福島はどうなのか? 我々はそのすさまじさに、こんなことは一回だけしかないような気がしていないか?(そうでなければ原発維持だなんて言えるわけがない。)(註2) 


(註1)唯一まともなことを言っている首相を引きずりおろして行われる、レベル7の真っ最中の民主党代表選の争点は、「消費税増税」になりそうだという! 開戦も徹底抗戦も、原発維持も、やっても無駄だとわかっているのに、言い出せずにズルズルと進んでしまう。大惨事の責任を追及できないところは、戦後にそっくり。そしてこんなニュースがまた。

メルトダウンの可能性、12日には認識保安院長 (読売)

(註2)世界では、大事故は3回しか起きないような気もしていないか? 原発輸出先の「南」の国で大事故が起きることを想像できているだろうか?

(参考)
税金で「国民洗脳マニュアル」を作っていた「原発推進」行政(現代ビジネス)

「〈父親層がオピニオンリーダーとなった時、効果は大きい〉〈母親の常識形成にも影響が大きい。父親は社会の働き手の最大集団であり、彼らに原子力の理解者になっていただくことが、まず、何より必要〉」

『原子力PA方策の考え方』についてのより詳しい記事が出た。日本の推進派はこのパブリック・アクセプタンス(PA)を特に重視していて、アジアにも広めていた。そして「父親層」は、あらゆるPA戦略の最大の被害者だ。

図は世界の核実験場。現カザフスタンにソ連の、新疆ウイグルに中国の核実験場があり、今も放射能の被害(癌や先天的な障害など)が続いていることを知らなかった。
posted by 鶴見済 at 23:03| 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

それでも社会は浪費を促す(追記あり)

東電管内の産業別電力消費.jpg●これほど節電しよう、エネルギーについて考えようと言っている時に、地デジ移行で薄型テレビの売れ行きが絶好調だと騒がれている(註1)。またエコポイントを導入して、「節電のための省エネ家電の販売促進」(!)まで国は検討している(註2)。ついでに東京でオリンピックをやって、でかい施設を作って日本経済を活気づかせようとも騒いでいる。

自分にはこういうことは、「気が狂っている」としか思えない。

日本で一番電力を浪費しているのは製造業であり、なかでも「機械」はトップだ(註3)、なんてことを言わなくても、誰だって感覚的にわかる。そういうことでは、我々は幸せにはならないと。

原発も建物もダムも、自動車も家電も、もう一杯だからいらないのだ。そんなものより、汚れていない食べ物や空気や水や土のほうが、はるかに大事だ。あとは少なく稼いで、それを公平に分けて、のんびり生きていけばいいのだ。

「経済のために原発を」と言っている連中が、こんな目にあってもまだわかっていないのは、「豊かさとは何か」ということだ。

(註1)薄型TV、駆け込み需要ピーク 地デジ移行まで1週間 (日経)


(註2)今冬に家電エコポイント復活も 玄葉氏、電力不足対策で具体案 (SankeiBiz


薄型テレビは、去年11月にエコポイントの半減効果で、空前の売り上げを記録したばかり。


(註3)業種別電力消費の内訳PDF、26p) (経済産業省)


2位鉄鋼、3位化学、4位パルプ紙板紙、5位窯業土石(セメントなど)(06年)。ただし数あるエネルギーのなかから電力の消費量だけ取り上げても、あまり意味はないかも。 ⇒家庭、業務など部門別電力消費の内訳



●23日()にまたtwitter発の脱原発デモがある。集合は渋谷・宮下公園。31日(日)には原発なくても大丈夫!!パレード、そして8月6日(土)はまたまた「原発やめろデモ!!!!」が、今度は東電本社前から

日本全国デモ情報(マガジン9)


(関係リンク)

日本に原発必要、核兵器持つべき 石原都知事インタビューAFP

「原発に対する「一種のヒステリー」が起きると予想されるが、日本には原発がまだ必要だとの認識を示した。」

これほど“民意”というもの軽んじている人間を選挙で圧勝させてやるんだから、ますます人々がバカに見えてしょうがないだろう。

風評懸念し市長に原発再起動を要望 敦賀・西浦地区 (中日)

敦賀原発ともんじゅの地元が、原発が止まったままだと観光などで“風評被害”があるから、早く再稼動しろと市長に申し入れた。理屈じゃないんだ、とにかく動かしたいんだ、と。

玄海原発再稼働の裏に! 知事と町長と九電の「ズブズブの関係」 (現代ビジネス)

玄海町の岸本町長の弟は、公共事業の多くを受注し、原発でも潤った土木建設業「岸本組」の社長。こういうことは、原発関係でなくてもいくらでもあるはず。

原発推進用「世論操作マニュアル」を取り上げたTV番組


(無関係リンク)

田代まさし被告実刑確定=懲役3年6月、双方控訴せず (時事)

覚醒剤やコカインの所持や使用だけで(それも大量ではない)、3年半も刑務所に入る罰を受けるだなんて考えられない。誰にそれほどの迷惑をかけたんだ?

図は、東電管内の産業別電力消費。3月24日、読売新聞より。1位は自動車・電機などで、476万世帯分。


(追記)

8・6原発やめろデモ!!!!!は、コースが変更になって、日比谷公園から。東電前を3回も通る、すごいコース。集会では自分も話す予定。


(追加参考リンク)

50年代米公文書:「日本は核に無知 原子力協力で治療」(毎日)


「(アメリカの)国務省極東局は大統領あて極秘覚書で「日本人は病的なまでに核兵器に敏感で、自分たちが選ばれた犠牲者だと思っている」と分析。(…)「放射能」に関する日米交流が「日本人の(核への)感情や無知に対する最善の治療法」になると指摘した。」


石原慎太郎 原発についての冷静な討論を (産経)


「日本は世界で唯一の被爆国であり、その痛ましい経験が一種のトラウマを造成し、それがさらにこと原子力に関しては、それを疑い忌避する強いセンチメントをもたらしていることは否めない。」


原発導入期から今に至るまで、社会を牛耳っている連中にとっての一般の人々は「無知」で「感情(センチメント)的」で、その怒りは単なるヒステリー(精神障害のひとつ)にすぎない。


「民主主義」なんていうのは単なる建前で、前近代と同じく上の人間が人々を導いてやらなきゃいけないと思っている。それはある程度ハッキリした。


だったら黙っているわけにはいかない。


posted by 鶴見済 at 12:18| 人間界の経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月06日

なぜ日本人は世論操作されやすいのか?

世界と日本の新聞の発行部数比較.jpg「灰色の存在に気がつくと、偽造された歴史、ねつ造された『普通の感覚』、というものが見えてくる。一度気がつくと、周りにあるものが、今までとは全然違う風に見えてくる。(…)『何だ、こんな簡単なことに騙されていたのか。考えてみれば当たり前だ。何で気づかなかったんだろう』って、自分にも腹が立つ。」
  ───小沢健二 『うさぎ!』第7話より(註1)

「ひとつはっきりしているのは、単に原発の問題ではないと、みんな思っている。むしろ日本の社会が持っていたそもそもの構造の問題だ。」
  ―――毛利嘉孝(社会学者)(註2)

(註1)『子どもと昔話』31号掲載。この雑誌は図書館にあるかもしれない。

(註2)radioactivist 』予告編より


●「原発は安全」という明らかな嘘に、これほど完璧にだまされていたことを、我々はこの機会によくよく考えてみなければならない。なぜ日本に住む我々は、これほどあっさりとだまされるのか、を。

自分なりに理由を考えてみると──、


@まず、少数の全国紙が国中で圧倒的に読まれているので(それも朝夕2回も)、それらを押さえてしまえば世論操作しやすい(註3)。

A記者クラブの存在。全国紙とその系列化したテレビ局(註4)、NHK、通信社2社(共同、時事。地方紙はここから配信を受けている)。これらの大メディアばかりが記者クラブのメンバーとなって、官僚や政治家や経済界と癒着しつつニュースを貰っているため、ニュースも社説も「全部同じ」になりやすい(例:TPP参加、消費税増税。対抗できるのは『週刊金曜日』『世界』『赤旗』くらいか?)。

新聞発行紙数.jpgBスポンサーに対する弱さ。スポンサーを降りる、広告を出さないと脅されれば、テレビに出る人の私生活での発言にまで口出しを許してしまう、この国のメディア(特にテレビ)の大企業に対する弱さも原因。

これは原発に限った話であるはずがない。大企業の利益がらみで進めている大事は、同じように批判禁止になっているはずだ。

C人々が怒らないこと。『赤旗』が明かした、日本原子力文化振興財団の「世論操作マニュアル」は、我々が戦時中も正力松太郎の頃も、今も、変わらずエリートに世論操作されていることを教えてくれる、戦慄すべき内容(註5)。それでも人々が文句を言わなかったことも大きな原因だ。

(註3)世界の新聞の発行部数上位100位(05年)World Association of Newspapers

1位読売、2位朝日、3位毎日、4位日経、5位中日、7位産経。これは日本のではなく、世界のランキングである。

(註4)言うまでもないが、日本テレビ=読売、TBS=毎日、フジテレビ=産経、テレビ朝日=朝日、テレビ東京=日経。
(註5)
原発推進へ国民分断、メディア懐柔/これが世論対策マニュアル (赤旗、この記事は必見!)

「読者は三日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る」「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆であることを忘れないように」


●7月9日(土)は、渋谷で久々の脱原発デモがある。文句があるなら言わないと、ナメられるだけだ。

福島/青森/新潟にリスクを押し付けるな!デモ@東京・渋谷


(参考)

「反原発の機運抑えろ」 英政府 産業界に働きかけ (東京)

「英政府が反原発の機運が高まらないよう、産業界に世論を誘導するよう求める電子メールを送っていたことが1日分かった。」

NHKの「シリーズ原発危機」では番組で使うアンケートを受け付けている。答えよう。

図上は、世界と日本の新聞発行部数比較。データは、外国紙が96年、国内が98年とやや古い。下は各国の新聞紙数、つまり新聞の種類数(08年)。日本は16位と少ない。つまり、日本ほどいくつかの新聞だけが読まれている国は珍しい。

posted by 鶴見済 at 13:07| 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月04日

電力を浪費しているのは「製造業」である

日本の電力使用量内訳 2005年.bmp●「原発がなくても電力は足りている」(註1)、という批判をなかったことにして、「原発がないから電力不足」の猛キャンペーンが始まっている。

日本は世界でもアメリカ、中国に次いで電力を使っている国だ(4位ロシア、5位インド)。ドイツやイギリスやフランスの使用電力量など、日本の半分かそれ以下だ。だからもともと、日本は電力を使いすぎなのだ。

そして国内でその電力を一番浪費しているのは、家庭のクーラーやオフィスの照明などではなく、「製造業(の工場)」が圧倒的だ。製造業のなかでも、電力を大量に使っているのは金属機械(自動車、家電を含む)、鉄鋼業、化学工業などだ(エネルギー多消費型の業種は他に、セメント、製紙など)(註2)。けれどもこの国に生きていて、鉄筋コンクリートや鉄骨、ビニールやプラスチックが多すぎると思わない人がいるだろうか? そもそも工業製品自体が多すぎる。 

電気を使わないのは簡単だ。これら余計なものの生産を減らせばいいのだ。今、電気を浪費している製造業がまったく批判されないのは、驚くべきことだ(註3)。けれども、こうした重厚長大型製造業は日本経済界(というかこの国)の中枢にいるので(経団連会長・米倉は住友化学の会長)、なかなか批判できない。


国別電力消費量.gif(註1)原発なくても電力足ります 環境保護団体が試算 (共同)

電力が足りていることは、多くの論者・専門機関・マスコミが指摘している。2003年春には東電の原発がすべて止まったが、電力は足りていた。


(註2)日本の製造業エネルギー消費の推移 業種別の電力消費量については、EDMC(日本エネルギー経済研究所)の統計による。


(註3)この産業はCO2排出の多さでも、環境団体から批判されてきたが、なぜか社会的にはまったく批判を受けていない。⇒ 企業の各事業所の温室効果ガスの排出実態 (下のほうのファイルに、各企業の工場ごとの電力消費量まで書いてあるが、細かい。自動車や電気機械の工場も電力を浪費している)

Radio Freedomまでが、あまりの原発へのムカつきで復活してしまった! 鶴見済、神長恒一、ココペリが、「原発が大好きなヤツが本当にいるのか?」「このもやっとした権力は何か?」などの日本社会の話、デモの話、自然界の話などを交えつつ、311以降を振り返り、怒りと希望を語ってます。

ポスト3.11  ふざけるな、原発社会!@下北沢・気流舎  (Rdio Freedom)



(参考リンク)

モンゴルに国際的核処分場建設を 東芝が米高官に書簡 (共同)

「東芝の佐々木則夫社長が5月中旬、米政府高官に書簡を送り、使用済み核燃料などの国際的な貯蔵・処分場をモンゴルに建設する計画を盛り込んだ新構想を推進するよう要請、水面下で対米工作を進めていることが1日、分かった。」

単なるゴミを「南」の国に送るだけでも国際的な非難を浴びているのに、これは言語道断だ。また、一企業の社長がここまでやるのかと驚かされる。東京と福島や青森の関係は、日本とモンゴル、日本とアジアの関係、つまり南北関係に等しい。⇒ 東芝へのご意見・ご要望(不買するだけでなく、自分の不買を伝えよう)

前原前外相「急激な脱原発はポピュリズム」 首相を批判 (朝日)

ポピュリズムというのは、「X JAPANのファンだ」「プレスリーが好きだ」などと言って、「知能が低い」と見なしている国民に「小泉最高!」と言わせることであり、国民の意見を政治に反映させることは、それとは全然違う。それだけが政治家の仕事だ。


図上は、2005年の電力消費量の内訳。家庭の努力など大した影響はない。下は主要国の電力消費量。

posted by 鶴見済 at 23:30| 人間界の経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月18日

自然界を汚せば人体も汚れる

スタジオジブリの屋上横断幕.png●農水省がまたしても、遺伝子組替え(GM)作物を認可しようとしている。しかも今回は、世界最大のGM企業であり、悪名の高いモンサント社のナタネ、綿花などを認めようとしてるのだ。21日までパブリックコメントを受け付けているので、文句を言おう。

GM作物とセットで売られる除草剤は、遺伝子操作をしていないすべての植物を枯らすほど強力なものだ。自分がGMに反対する第一の理由は、その除草剤が環境や人体に悪いからだ。

けれども悲しいのは、今進行中の大放射能汚染に比べたら、農薬による汚染は軽いものに感じられることだ。

農水省遺伝子組み換えパブリックコメント概要  フォーム


参考日記:グローバル企業は種も独占する



●原発事故のおかげでわかったことのひとつは、自然界のなかの物質の循環のしかたであり、ヒトが自然界にいかに含まれているかだった。

福島で大気中に出た物質は、風で東京に運ばれ、雨で川や湖に落ち、水道水に混ざって我々の体に入る。牧草につけば、それを食べた牛の乳に混ざり、それをヒトが飲む。川から海に流れれば、それを魚が食べ、それをヒトが食べる。どのくらいの時間に、どのくらいの範囲を物質が巡っているのか、こんなにハッキリわかったことはなかった。

「身土不二」(体と土は別物ではない)という言葉は、地産地消を勧める時によく使われるが、今は「土が汚れれば生物の体も汚れる」という意味で説得力がある。

日本のカレイ・ヒラメのセシウム汚染.png大体の野菜の9割は水なので(ヒトは7割が水)、水が汚染された場所の野菜は当然汚染されている。ヒトも牛も哺乳類なので、牛乳に混じるものは、ヒトの母乳にも混じる。


嫌になるほどすべてはつながっていて、土や水や空気を痛めつけるのは、自分の体を痛めつけているのと同じだ。

で、あのエコロジー・大ブームはどこに行ったんだ?


(参考)

「メルトスルー」どころじゃない!建屋突き破って地下めり込み(小出裕章氏)  発言映像 

「したがって、もはや水をかけようが循環冷却をしようが、「炉心を冷やすことは不可能」だという。さらには、燃料がコンクリートをも突き破り、地下水と接触して、(超高濃度の?)汚染水が海に流れ出すことが懸念されるという。」

飯田哲也氏が推進派の構造を語ったインタビューと文字起こし (脱原発100万人アクション)

「原発輸出で成長なんてできるわけないのに狂ってますよ。あれはただの東芝に儲けさせるためだけの物であってですね」

「日立と三菱は提携しているだけだけど、東芝は6000億円突っ込んでるからそれを取り返さなければいけないのですよ。巨悪は東芝です」

原発再稼働、経産相が要請「安全対策は適正」 (読売)

「日本経済のため」というやつに抵抗しないと、我々はぶっ殺されてしまう。

3月12日にはメルトスルーの事態に 福島氏指摘 (IBTimes

テルルが出ていたことを発表していれば、メルトスルーもバレていた。保安院は「国民に示すという発想がなかった」と言いやがったが、ちゃんと考えてデータを伏せているらしい。今起きていることも、我々は2ヶ月くらい後になって知り、また怒るのだろう。

図は、関係ないが、上がスタジオジブリの屋上に張られた脱原発横断幕。下が日本のカレイ、ヒラメに含まれる放射性セシウム量の変化。核実験の頃よりも今のほうが桁違いに多い。チェルノブイリの頃、少し上がっているのがわかる。

posted by 鶴見済 at 18:19| 人間界の経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月19日

浜岡原発を誘致したのは産経の社長である(追記あり)

都内環境放射線測定結果.png産経新聞は今最も原発推進的な新聞と言えるが、浜岡原発を今の場所に誘致したのも、元産経新聞社長・会長の水野成夫(しげお)だった。
この男は、文化放送初代社長、フジテレビ初代社長を歴任して、「メディア三冠王」と呼ばれ、フジサンケイグループの基盤を確立した。経団連理事も努め、「財界四天王」の一人とも言われた。その彼が、生まれ故郷の浜岡町(現・御前崎市)に、「泥田に金の卵を生む鶴が舞い降りたようなものだ」と原発を勧めたのだ。

読売新聞・日テレの正力、フジサンケイの水野、こういう連中が推進してきたのだから、メディアが原発を批判できないのもよくわかる。さらに、こういう少数の人間にマスコミ、経済産業界、政界を牛耳られていることに怒るべきだ(註)。

浜岡原発の歴史の記事
 (朝日)

「地元出身で、「財界四天王」の一人と称された故水野成夫・元産経新聞会長が当時の町長に原発受け入れを勧めた」

水野成夫 (ウィキペディア)

(註)参考本:『持丸長者─戦後復興編』(広瀬隆)

「浜岡原発建設主導者」として水野成夫が紹介されている。また、この本で暴かれている日本の「閨閥(けいばつ)」には驚く。閨閥とは、婚姻関係で有力者の家が網目状に結びついている血縁ネットワークで、日本では経済界と政界を縦横無尽に結んでいる。格差社会の上にいるのも、民主主義を無視して社会を動かしているのも、この連中だと思う。知らなかったわけじゃないのに、そうハッキリとは意識していなかった。

(参考ニュース)
原子力発電 首相は再稼働を命じよ 電力不足は経済の活力を奪う (産経)
産経新聞への文句は ⇒ msnニュ−スへのご意見・ご感想 産経新聞・記事に対するご意見・ご要望 (自分も言っておいた)

図は、関係ないが、3月以降東京で測定した環境放射線量。15日の異常に高い値が、何の爆発のせいだったのか、わからないで済まされるのか?

(追記)

福島の牛乳、給食で復活.jpg5月22日(日)には渋谷で、「さよなら原発 野菜デモ」の第2弾。5月23日(月)には、子ども20ミリシーベルト撤回のための、「文部科学省包囲・要請行動&院内集会」がある。福島の親たちも駆けつける。

「不正に慣れた」「怒らなくなった」などという声も聞くが、自分はまったくそうならない。「メルトダウンは予想していたので驚きはない(斑目)」だの、「プルトニウムが見つかったが、核実験の時のもの(文科省)」だの(註)、「福島の小学校給食で福島産の牛乳が復活」だのと、いちいちが怒りの種であって、デモや抗議行動があってくれるととても助かる。


(註)ウラン・プルトニウムは確認されず 原発10キロ圏内 (朝日)

「プルトニウムは3カ所で微量の239と240を検出したが、1980年代までの大気圏内核実験によるもので、今回の事故による飛散は確認されなかったという。」

こういう報告は以前にもあったが、どうすればわかるんだ、そんなこと。

 

(その他の怒りの種)
「原発ほぼ制御不能のところまで行った」細野補佐官 (読売)

4号機、燃料溶融寸前だった…偶然水流入し回避 (読売)
だったらその時にそう言え!

東芝:原子力事業に事故「影響ない」…副社長 (毎日)

「売上高の約9%を占める原子力発電事業について、「(福島第1原発事故に伴う)影響が出るとは思わない」と述べ、12年3月期も同事業の増益を確保できるとの認識を示した。」
福島第一原発を作った責任を取らずに、ソロバン勘定だけはしっかりやっているとは!
写真は福島の牛乳の給食復活を喜ぶ小学生。

posted by 鶴見済 at 21:32| 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする