2010年10月15日

「宮下ナイキパーク」という名前は消えた!

「『宮下公園』の名称はこれまで通り『渋谷区立宮下公園』となります。」
                              ──ナイキジャパン社(註1)


驚いた。ナイキが沈黙を破って、とうとう国内向けにモノを言ったと思ったら、なんと「宮下NIKEパーク」という名前を取り下げてしまった! つまり施設命名権を買ったのに、命名はしないということなのだ!

そこまで当初の計画がボロボロになったなら、スケートボード場もクライミング・ウォールもやめて、一から計画を見直したらどうか。当初は最大の売りにしていたのに、今は隅のほうに目立たないように書いているこれらのスポーツ施設こそが非難されているのだから。公共の公園を、自社の「お客さん」のための施設にすることが問題なのだ(註2)。


宮下公園改造計画 イメージ図.jpgナイキは「反対派に配慮したわけではない」とわざわざコメントしているが(註3)、公共の公園に自社の名前を付けるのはおかしい、と考え直したことは事実だ。誰も反対しなかったら、こうはならなかったはずだ。


我々の生きづらさは、我々が反対しなければ、誰も改善なんかしてくれない(註4)。

忘れてはいけないことだが、小泉の弱者切り捨て政策を弱者が支持したせいで、この国の格差や貧困は悪化した。今政府が、少なくとも表向きは(註5)これらの解決に動いているのは、格差・貧困への反対運動があったからだ。行政の口車に乗って、反対運動(「抵抗勢力」なんて言葉もあった)には反対などと言っていると誰の思う壺なのかを、この過去から考えてみるべきだ。


(註1)ナイキジャパン・プレスリリースより。

「不法占拠」「公園が荒れたのは反対派のせい」といった、渋谷区とまったく同じイメージ操作に励んでいる(ゴミの放置はもちろん渋谷区のせい)。また、自分たちのせいで野宿者が半強制的に追い出されたことを、いいことだったかのように言っているのも不思議だ。

さらにナイキは地域の住民の方々の声をやけに重んじているようだが、渋谷の真ん中という特殊な場所にある公園を利用しているのは、ほとんどがよそから来る人だ。

(註2)あくまでも施設命名権のオプションにすぎないこれらの工事だけやるというのも、詐欺的なんじゃないか?
(註3)共同通信のニュースより。
最近CSRに力を入れている企業には、自らの業界を批判する環境や貧困問題のNGOと共同作業をしているところも増えているが、ナイキにはそんなことは望むべくもないらしい。

(註4)タバコ増税にもゼロ金利にも、普通に怒ったほうがいい。

(註5)国内の”ジニ係数”は、最新の調査で過去最大になっている。国内でも世界でも、格差は拡大する一方だ。
図は、宮下ナイキパークのイメージ図。ナイキは皆が使える公園のイメージを広めようとしているが、左半分はスケートボードやクライミングなどのスポーツ施設で完全に埋まっている。

ちなみに、今日のナイキジャパン社前での抗議に集まったのは約40人(うちスケボーを持っている人2人)。ナイキは出てこなかったが、面白かった。

posted by 鶴見済 at 21:15| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年10月03日

なぜ野宿者は攻撃されるのか?(追記2件あり)

宮下公園での無理矢理のナイキパーク建設は続いている。

渋谷区は、マスコミを使った反対者のイメージダウン作戦(註1)に続いて、公園内にまだ残っていた野宿者の小屋も壊し、荷物も撤去した。そこは唯一立入禁止区域からも外されていたし、予告もなく、行政代執行の手続も取っていないのに。
これに対して、4日には渋谷区に抗議行動が行われる。その他のアクションも続々と予定されている(註2) 守る会


宮下公園 有刺鉄線.jpg野宿者の存在自体が嫌な人も多いようだが、それなら行政に「ハウジング・プア」問題の解決を要求すればいいのだ。ナイキ・パークを作ることは本来、野宿者対策でもなんでもないのだから。

そもそもこんなに家賃の高い国で、持ち家を持たない全員が、毎月毎月何万円もの家賃を払えるわけがない。家賃を払えない、払いたくない人が出てきて当然なのだ。

生活するうえで家賃が高すぎること、カネのない者に優しい社会でないことは、この国で多くの人が感じている「生き苦しさ」であるはずなのに、怒りはそういう方向へは向かわない。野宿者や野宿者を守っている人たちに向いてしまう(註3)。


「反対運動自体に反対」(註4)という空気を大きくすることについても言えるが、行政は怒りの矛先を、本来向かうべき自分たちに向けず、言わば“仲間割れ”を促すことに全力を注ぐ。それにいちいち乗ってやることはない。


(註1)念のためにまた言うが、反対している人たちは誰でもアクセスできる状態を積極的に作りながら、やむを得ず監視行動をしていただけだ。そうしなければ着工してしまうわけだから。宮下公園は地獄のような場所だったかのようにも言われるが、自分は親子連れが監視のテントがある場所で遊んでいるのも見ている。ゴミが多かったのは、移動した野宿者が残した物が放置され、その上にゴミの投げ捨てが重なったためだ。ゲットー・ガーデンへの投げ捨てゴミの始末も大変だった。

ちなみに、【占拠】1 ある場所を占有して他人を寄せつけないこと。2 占領すること(大辞泉)、だそうだ。

(註2)12日(火)には上智大学で、宮下公園や墨田区の事例から公共空間と商業スペース等について考える緊急シンポジウムが開かれ、自分も出演する予定だ。詳細は後日。

(註3)参考ニュース:ロケット花火でホームレス襲撃 高校生3人逮捕 (産経)
こういう事件が起きる原因は、この社会の空気にあるという見方は当たっていると思う。
(註4)OurPlanetTV映像へのコメント欄YouTube)を参照。
参考映像:宮下公園を救おう!! 手作りサウンドデモ!! (これまでで最高のデモだった!)
写真は、ご苦労にも有刺鉄線まで張られた宮下公園。

追記:
自分も出演する上智大学でのシンポジウムの詳細が決まった。
宮下公園の問題は、特殊な場所で起きている特殊な出来事ではないし、自分自身の生きづらさにも深く関わる問題なのだ、ということを理解するためにも、ぜひ。もちろん無料。

<緊急企画> キラめく街、追い出される人々
テーマパーク化される都市の公共性

宮下公園・行政代執行、墨田区「資源ごみ持ち去り禁止条例」 から公共空間を問いなおす

追記2:
12日(火)、とうとう本格的な工事が始まることがわかり、早朝から阻止行動が行われることになった。
15日(金)には、ナイキ本社前での抗議行動もある。
詳細は ⇒守る会 ニュース ⇒宮下公園12日本格着工(読売)
また居住と人権に関する国連認定の国際的NGOである”HIC(Habitat International Coalition)”が、宮下公園での排除とナイキパーク建設に抗議する声明を発表し、全世界に渋谷区長、ナイキ本社、ナイキジャパンに抗議するよう呼びかけている! 世界の反応は国内とはまるで違う。
Stop the evictions at and the conversion of Miyashita Park to Nike Park! (HIC)
明日は、阻止行動に参加した後、ぜひ上智大学へ。

posted by 鶴見済 at 13:58| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月25日

宮下公園で警察に強制排除された(追記あり)

宮下公園  行政代執行 044.jpgほとんどナイキ化問題専門のブログになっているが、ここまで話題になったらやはり書くだろう。
宮下公園では24日に、反対している人の物を勝手に片づける“行政代執行”が行われた。

午前10時から自分も含めたそれ反対する人々約30人が、搬出に使う公園出入口フェンス前に座り込みを開始。フェンスの後ろは警備員の山、目の前は報道のカメラの山、道の向こう側には私服警官の山という異常な状況のなか、マイクで抗議したり楽器や物を鳴らしたり、雑談したりしながら座り込んでいた。自分たちが今テレビに出ている、という情報も入ってくる。4時間後、そこへ警察官の山が警備員とともに突入してきて、力任せに我々を押し退け(押し倒された人もいた)、騒然とするなかを搬出用のトラックを通したのだ。

こっちは非暴力に徹して、そのまま路上で抗議をしつつ帰った。


その前の日には、大雨のなかを150人もの人が集まって、マイクで2時間ほど文句を言ったり、コールしたりしながら、非暴力的緊急ミーティング・アクションをやったのだった。強引に突入することなどこちらにもできるだろうが、そんなことはしていない。


宮下公園  行政代執行.jpg座り込んだ時、マスコミがフェンスの中からこっちを撮っているのを見て嫌な予感がした。彼らだけは、渋谷区の“ご好意”でなかに入れてもらっているのだ。帰ってニュース映像を見ると、代執行とは関係ない、恐らく一箇所に集めたゴミ類をトラックに積み込むシーンが、「反対派が残した物を積み込んでいる」かのように放送されている(註1。新聞でも、その手の写真が多かった)。区はわざわざこのシーンを、代執行ではないと説明せず、メインに撮らせたのではないか、と疑いたくなる。


これだけよくしてもらっているせいか、マスコミは相変わらず、区の言い分どおりの報道を続けている。公共の場所の私企業化、民主的な手続の無視、野宿者の追い出しなど、ナイキ化の問題点に触れなければ、反対している側への理解は得られにくい。しかしそこには、“巨大広告主ナイキ”という大きな壁が立ちはだかっている(註2)。


宮下公園  行政代執行 061.jpgただ、マスコミの反応の大きさを見ると、この小さな公園のことで、これほど大きな反対運動が起きることへの驚きも感じられる。反対している人は、単に公園の問題だけでなく、その背後にある大きな問題に何かしら気づいて怒っているはずだ。野宿者のことも、民主主義のことも、ナイキのことも含んだ大きな問題がある。新自由主義的なるもの、<帝国>みたいなもの、「灰色」のようなもの…、とでも言えばいいんだろうか? それに気づけなければ、こういう報道になるのかもしれない。
26日はデモだ。

(註1)⇒ANNnewsCH、(この映像は行政代執行ではなく、ゴミの片付け)

(註2)それでも90年代、ナイキの工場での搾取問題が広まったのは、欧米のマスメディアの力が大きかったはずだ。その時も今も、日本のメディアは特に広告主と“なあなあ”の体質なのだと言えるだろう。そのせいで日本人は、ナイキがどんな会社なのか知らされていない。フランスで最も有名な新聞『ル・モンド』など、早速ナイキ化に批判的な記事を載せている。⇒ル・モンド・スポーツ版(OurPlanetTVの番組が大々的に取り上げられている!)

(註3)⇒守る会
ニュース記事のまとめと解説:⇒イルコモンズのふた。

やや参考ニュース:⇒ 朝日新聞(ここでの”地域住民の声”の取り上げ方にも大いに問題があるが)。原宿新聞の映像

大推薦映像:宮下公園 TOKYO/SHIBUYA (後編) (OurPlanetTV)
写真は現場風景。ゴチャゴチャした写真しか撮れなかったが、実際にゴチャゴチャした現場だった。下は、警察がこっちを押し退けている真最中。


追記:

ナイキ化反対デモ.jpg●デモは最高だった。ただし200人もの人が集まったのに、行政代執行であれだけ騒いだ国内のマスコミ報道は一切ない。フランスのAFPとアメリカのAP両通信社はニュースを配信している。この国のマスコミの特殊さがわかる。

記事⇒AFPAP、映像 ⇒Union Tube、写真 ⇒明日も晴れ Also Sprach Mkimpo Kid
(APの記事ではナイキ側の担当者・水上陽子氏がコメントしている。この人と、ナイキ化推進区議・長谷部健の癒着については、ソトコトのこの対談を参照 ⇒水上陽子・ハセベケン
●行政代執行の映像は、やはり渋谷区側がゴミ捨ての場面を中心に撮らせていたことを、現場にいたOurPlanetTVが明らかにしている。

宮下公園代執行〜マスコミが流した映像は代執行ではなかった!?OurPlanetTV

(冒頭ではゲットー・ガーデンの今の様子が見れる。なぜか異常に懐かしい。一応無事であるようだが、公園全体がこうなってしまっては意味がない)

●またOurPlanetTVの白石草さんと渋谷区の宮下ナイキ化推進派議員・伊藤たけし氏が出演しているラジオ番組「Dig」もいい。ナイキ側はこの公園の設計を少しずつ変えているようだが、その内実は恐らく議員にもわからないという。そういうところが最悪なのだ。

DigTBSラジオ)

posted by 鶴見済 at 18:38| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月22日

宮下ナイキ化問題がYAHOO!のトップニュースに

YAHOO!トップ・ニュースbmp宮下公園問題も、いよいよYAHOO!のトップニュースになった(註1)。

今さら自分が動向をまとめる必要もないのだが、ついに渋谷区が公園内の物にまで勝手に手をつけると通告してきた。24日午前10時に公園内のテント、椅子、作品、宮下さんなどを無理矢理取り払う“行政代執行”を行うという。

これら一連の強引なやり方に対して「守る会」は、23日には緊急ミーティング・アクション、24日には記者会見と提訴、26日にはデモと、反撃に出る。(⇒守る会) 一体どうなるのか?


そして行政のマスコミ利用も相変わらずだ。
渋谷区は「区民からも『早く公園整備を』とおしかりをいただいており」となどと言っているが(註2)、ほとんどの区民は新設されるスケートボード場もロック・クライミング施設も必要としていないはずだ(註3)。
またほとんどのマスコミが、反対しているのがひとつの団体であるかのように報道しているが、実際に反対しているのは、なだらかにつながった多くの人たちなのだ。そうでなければ、これほど多様なイベントなど行えるわけがない。
そんなことを書くなら、ナイキ化計画の問題点にも触れたらどうかと思うが、なぜかそれについてはまったく言及されない。

(註1)出ていたのは⇒ナイキ公園に暗雲 オブジェ設置にホームレス徹底抗戦(夕刊フジ)
(註2)宮下公園整備計画で渋谷区『行政代執行』 区『撤去警告してきた』 (東京)
(註3)だからと言って、スケートボード場が要らないとも思わない。もっと広い代々木公園などに作れないかと普通に思う。ここまでして作ってもらったスケートボード場になんか、カッコ悪くて行けないという人だって多いんじゃないか?

参考映像:宮下公園全面封鎖・渋谷区の実力行使に市民らが抗議DROPOUT TV

Drifter / MIYASHITA PARK (はーぴー日記。泣ける)

参考にならないニュース:宮下公園問題 24日に渋谷区が強制撤去実施へ (産経)

宮下公園:渋谷区、24日に行政代執行 テント撤去へ (毎日)

posted by 鶴見済 at 23:44| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月21日

宮下封鎖への抗議声明に賛同を

拡大する立ち入り禁止.jpg「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」が公園封鎖に対する抗議声明を発表した。

封鎖に反対の人は、ぜひ賛同を。「賛同します」と書いて送るだけでもいいと思う。

守る会 抗議声明に賛同をお願いします

宮下公園の“要塞化”はどんどん進んでいる。

立ち入り禁止区域は根拠もなく広がり、区の担当者がフェンスのなかから、「警察に渡すから。顔を映しなさい」と言って、部下にビデオカメラで抗議に来た人を撮影させたりする(公務員<公僕>が一般人を犯罪者扱いするのは問題だろう)。集まっているだけでも、フェンス内から「逮捕」をほのめかす言葉が次々と飛んでくる。


拡大する立ち入り禁止 2.jpgこんなことをされるくらいなら、大人しく黙っていたほうがいいと思う人もいるだろう。そのために、彼らはこんなことをしているのだから。

行政側はこんなふうに、反対していると分が悪いような空気を作ろうとしてきた。その甲斐あってか2000年代に入ると、どんなことであれ反対している人は気に入らないという、この上なく彼らに都合のいい人までたくさん生まれてしまった。その結果、立ち入り禁止区域がどんどん広がるように、我々が生きる世界もどんどん生きづらくなっているのだ。


宮下さん.jpg全国の野宿者支援の現場からも、激しい抗議が行なわれている。「寄せ場野宿者運動全国懇談会」と笹沼弘志・静岡大学教授の抗議声明は、ブログ「薔薇、または陽だまりの猫」を参照。

写真上、中は拡大を続ける立ち入り禁止区域。下は人質に取られ、彼らのリストに掲載された「宮下さん」。

ちなみに、DIY夏フェスの「なんとかフェス」が朝日新聞で取り上げられた。⇒これぞ楽園? 手作り「オルタナティブフェス」

posted by 鶴見済 at 00:34| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

宮下公園、なかは無事

宮下公園 9月17日 018.jpg17日も宮下封鎖反対行動は続いた。

昼からは渋谷区役所前の公園通りでビラを撒きつつ、「公園を返せ!」とマイクでアピール。自分もかなり話した(註1)。そのまま皆で渋谷区役所内に突入して、必要な手続等を済ませ、さらに宮下公園でなかに閉じ込められた所有物の引き出し。自分もガーデン関係の物を取り返しに行った。


封鎖以来見ていなかった公園内(原宿側)に入る。木々、椅子やテーブル、作品や装飾など、一応、今のところはそのままの状態で、ややホッとした(註2)。つい数日前まであんなに和やかだった場所が、今はフェンスで狭苦しく仕切られ、自分たちは2人ずつ、警備員に取り囲まれてでないと居られなくなっていることに、ちょっと涙腺が緩みそうになった(外では涙を流している人もいた)。


「公園はみんなのものだ」。封鎖への反論なんて、散々言ってきたその一言で、本当は十分なのだ。
だからまずは一旦、この予告もない、手続も無視した封鎖を解除させることだ。


宮下公園 9月17日 029.jpgちなみに、宮台真司氏もラジオで宮下公園ナイキ化に、「隙間のない社会批判」など三つの観点から、激しい疑問を呈している。

「渋谷・宮下公園の未来」宮台真司 (荒川強啓デイ・キャッチ! TBSラジオ)

「公園のような公的な土地の利用については、公の意識を聞いたうえで決めていくのが一般です」

「公園というのは、都市の隙間としての機能が重要なんじゃないでしょうか」


(註1)自分の考えについては、「宮下公園ナイキ化問題」カテゴリー(特に最初の文章)を参照。

(註2)予告もなしに封鎖して、人の物にまで手をつけたら、それこそ最悪なんだが。ただし、渋谷側の木は相当切られている。

写真上は、宮下公園スロープ入口に掛けられた、園内の物の写真の一部。18日までの引き取りを、彼らは要求している。下は、どんどん広がる立ち入り禁止区域。15日は、階段のところまでは上がれた。

posted by 鶴見済 at 00:49| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月17日

宮下封鎖反対の大集会がある!

15日の告知.bmp●宮下公園では、16日も抗議行動が行われた。


●東京新聞によると、渋谷区は1週間程度剪定などを行い、このまま今月中にも工事を始めるつもりだ。

『区によると、封鎖の直接の目的は、台風シーズンを前に、樹木の剪定やごみの除去などに一週間程度、取り組むため。だが、「続けて今月内にも着工したい」(土木部)としている。』 (16日朝刊)
(新聞各紙の報道については、⇒イルコモンズのふた。を参照)

●ちなみに、渋谷区が封鎖の根拠としている「渋谷区立都市公園条例」の7条は、こんな文面になっている。『(利用の禁止又は制限)
第七条 区長は、公園の損壊その他の理由により、その利用が危険であると認められる場合又は公園に関する工事のためやむを得ないと認められる場合においては、公園を保全し、又はその利用者の危険を防止するため、区域を定めて、公園の利用を禁止し、又は制限することができる。』

渋谷区立都市公園条例

つまり、今は台風で木の枝が落ちる危険が認められるので、これだけの大封鎖をしているということになる。これに納得できるほうが不思議だ。
16日の告知.bmp
●その重要な利用禁止区域が、写真のように、15日より16日は大きく広がっている。
立ち入り禁止のテープの範囲も、どんどん広げてきている。本来、ナイキと渋谷区の密室の会談で決められた計画のための工事に正当性などないのだが、今彼らがやっている封鎖はあまりにもデタラメなのだ。
(写真は、⇒はーぴー日記より)


●それに対して当然のごとく、23日と26日に大抗議行動がある。

23日13時宮下公園大包囲行動「抗議1000人大集会」
26日13時「抗議デモ」(集合場所など未定)

詳しくは、⇒守る会

17日(金)は12時から渋谷区役所前で抗議行動だそうだ。

●今回の報道で、行政がいかにマスコミをうまく使って、自分たちの言い分を広めるのかがよくわかった。その空気に乗って、自分の得にもならない政策を何となく支持していたり、行政の言い分を力説していたりしないように気をつけたい。

posted by 鶴見済 at 02:08| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月15日

宮下公園が全面占拠された!(追記あり)

宮下公園封鎖 041.jpg呆れ返る事態になった。

宮下公園に今朝6時半頃から抜き打ちで、100人ほどの渋谷区職員、作業員、警備員、警察官らがやってきた。彼らはそこに寝ていた抵抗する野宿者を、一人を20人ほどで取り囲むなどして、力ずくで外へ担ぎ出した。そしてすべての公園入口にフェンスとテープを張り巡らせ、警備員を並ばせて、全面立ち入り禁止にしたのだ!

その後午後3時くらいから、100人ほどの人々がやってきて抗議を始めた。宮下公園封鎖 033.jpgそこへ続々と詰めかけた私服警官は、50人くらいにはのぼっただろう。
反対する人々は話し合いを求めたけれども、彼らは野宿をしていた人など、どうしてもなかに入る必要がある数人としか話をしようとしない。とりあえず今日のところは、すぐにも必要な荷物を置いている人が、それを取りに行くだけで許してやった。これ以上やると逮捕するようなことも、拡声器で言っていたし。

渋谷区土木部の言い分は以下のとおり。

区立宮下公園の部分閉鎖について (“部分閉鎖”と言っている時点で事実と全然違うが)


宮下公園封鎖 002.jpg公園のゴミを捨てたり、木を剪定するくらいなら、公園を全面立ち入り禁止にする必要はない。彼らは「反対団体が不法占拠していた」ということにしたいようだが、そんなことはない。反対してる側は、誰でも利用できる状態を保ちつつ、イベントをやったり椅子を作ったり、区が持っていかないゴミを片づけたり、公園をよりいいものにしていたのだ。不法占拠をしているのは、今の彼ら自身だ。


「宮下NIKEパーク」は力ずくでも作る、ということなんだろう。結局パークの建設計画宮下公園封鎖 014.jpgから今まで、彼らは一度も人々の意見に耳を貸していない。NIKEに至っては一切自分の手を汚さず、説明会も封鎖もすべて高見の見物である。彼らが公園は誰のものなのかまったくわかっていないことが、これで明らかになったと思う。

明日午前10時から近くの美竹公園に集まって、その後抗議行動がある予定だ。ゲットー・ガーデンの大事な作物の手入れもあることだし、彼らの占拠を見逃してやるわけにはいかない。

参考サイト:A.I.R  守る会
参考ニュース:15日から宮下公園を閉鎖・利用禁止、渋谷区が「緊急対応」で (原宿新聞)
参考にならないニュース:
宮下公園立ち入り禁止 (日経) 
“ナイキ公園化”で反対派が宮下公園占拠 渋谷区が出入り口部分閉鎖 (産経)
(日本経済を応援する両新聞だけあって、区の言い分をたれ流している。特に、この産経の見出しは血迷っている)
写真の3番目は、宮下公園に立てられた告知。利用禁止区域以外の場所まで、単なる勢いで立ち入り禁止にされている。

(追記)
参考映像:渋谷区が宮下公園を封鎖、野宿者を強制排除 (OurPlanet TV。とてもわかりやすい)
参考詳細ブログ:宮下公園封鎖1日目まとめ (ねごろのぷくぷく日記3)
          宮下公園強制排除・封鎖 (HARA Hideki's Blog)
多少参考ニュース:宮下公園:一部閉鎖 渋谷区、整備へ「緊急の対応」 (毎日。朝日、読売、東京各新聞にも記事あり)
念のために言うと、どれだけ渋谷区が「ナイキ」という名前を隠しても、これは「宮下NIKEパーク」建設の始まりだ。

posted by 鶴見済 at 23:59| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする

2010年09月13日

15年前、自然界に気づいた

エネルギー循環図.gif自分にとって革命的だったこととは何か? それは15年くらい前にレイヴ・パーティーに行くようになって以降、「他の生き物の存在(というか自然界)に気づいたこと(というか思い出したこと)」だ。

──という原稿を『革命への手紙』というzine(同人誌)に書いたので、以下にその一部を抜粋してみる。


『沈丁花やスイセンの“匂い”。スズムシやカエルやシジュウカラの“鳴き声”。ツツジやアゲハやメジロや、木の幹を覆うカビや地衣類、紅葉や新緑の“色”。それまで完全に無視していたこれらのものが、急に飛び込んできた。いつの間にか、「こんなものは、取るに足らないものだ」と思っていたのかもしれない。(もちろん、空や川や石の色、雪の結晶の形といった生物でないものにも惹かれたので、「自然界に気づいた」と言ったほうがいいのだが。)

モノクロの世界がフルカラーに、モノラルだった音が5.1chサラウンドに変わったようだった。』


カビの顕微鏡写真.jpg『生き物には、植物、動物、菌類の三種類があって、植物だけは太陽の光のエネルギーを、物質(ブドウ糖)を作る時に閉じ込めること(光合成)ができる。動物と菌類はそれを分解(あるいは消化)して、閉じ込められた太陽光エネルギーを取り出すことで生きていることも知った。

菌類の存在に気づいたことは、自分にとって特に革命的だったと言える。菌類はカビやキノコという形で時々目にするだけで、普段目には見えないが、土の中や自分の体の中にも無数にいて、昼も夜もなく、生物が合成したものを分解する活動(発酵や腐敗)を続けている。それがなければ、植物も土から養分を得られず、この生き物の世界が回っていかないのだ。

つまり、ヒトの世界の動きがどうであれ、他の生き物どうしが密接に関係した世界がそこらじゅうで営まれていた。そしてよく考えれば(特に太陽光のエネルギーの流れから見れば)、自分もやはりそのなかに組み込まれているとしか言いようがないのだ。』


革命への手紙 001.jpg都市に住んでいると、こういうことを忘れずにいるのは難しい。
他の生き物は一見いないように見えるし、自分が食べているものがどこでどうやって作られたのかもわからず、それどころか服であれ建物であれ、ありとあらゆるものが何からどうやってできているのか、さっぱりわからないのだ(それらは本来、絶対に何かの自然物なのだが)。

もちろん、そんなことは忘れていても生きていける。けれどもそのまま生きていると、「この世界って一体なんなんだろう?」といった現実感の希薄さみたいなものをぼんやり感じているようになるかもしれない(自分も部屋でビデオを見たり、街でCDや雑誌を見ては消費をしていた頃は、常にそうだった)。

こういうことは、このブログに書いているような、反格差、反カネ儲け主義、反経済成長、DIY肯定…と関係があるのかというと、入口は別だったが、もちろん自分のなかでは深くつながっている(詳しくは『革命からの手紙』を参照)。

このzineは、新宿のCaféLavanderia(註1)に置いてあり、無料で貰える。「あなたにとって革命的だった(である)こと」について皆が書くという趣旨で、様々な人が“手紙”を寄せている(註2)。


(註1パスティスなどおいしい酒をたっぷりと安く飲め、革命的なイベントもやっている注目すべき店。(⇒CaféLavanderia

(註2)鈴木孝弥さん(⇒3軒茶屋40男辞典)や杉山敦さん(⇒TUK TUK CAFÉ日記)たちが、いい“手紙”を書いている。

関連日記カテゴリー:自然界

図上は自然界のエネルギー・物質循環図。中は自然界の超大御所・カビ。下は『革命への手紙』。
posted by 鶴見済 at 18:59| 自然界 | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

宮下公園の夏まつりに出店する

ナイキと渋谷区にしてみたらとっくに終わっているはずの“宮下公園夏まつり”が、今年も盛大に開催される。ザマアミロと言いたい。

今年は自分も29日(日)に、宮下ゲットー・ガーデンで採れた葉もの(微量)、国産小麦、天然酵母などを使ったビーガン・サンドイッチ屋“ゲットー・キッチン”を出店する予定(ただしゲットー・ガーデンは現在、日当たりが悪いのと乾燥とで、大変な苦境に陥っているが(註))。よかったら覗きに来てください。

宮下公園夏まつり2010 タイムテーブルなど (守る会)

ナイキによるパーク想定図.JPGA.I.Rのサイトでは、宮下公園問題についてのわかりやすいQ&A集も作られた。

FAQ (A.I.R

そして、あのフリーター全般労働組合も、宮下公園の存続を要求する声明を発表した。この声明自体が、こうした疑問へのわかりやすい回答になっている。

宮下公園をめぐる声明 (フリーター全般労組)


「ナイキパーク化のどこがいけないんだろう?」といった疑問が、スケートボード場にもクライミング・ウォールにも縁のない人から発せられると、思わず唸る。自分自身が公園を使えなくなるんじゃないか、と。

経済や企業の発展のために我々が生きているのではなくて、主役は我々なわけだが、そんな当たり前のことが戦後の日本では忘れ去られてきたのだから、やむを得ないのかもしれない。


(註)万が一宮下公園にいて、暇で暇でどうしようもない人がいたら、フェンスに掛けてあるホ−スかペットボトルのジョウロで、ガーデン入口の左下側にある水道から水をやってもらえると、とてもありがたいです。ホースなら一瞬で終わります。

図は08年にナイキが提出した、ナイキパークの想定図。これのどこが「宣伝ではなく社会貢献」なのか。また、こんな大規模工事なら東急建設もさぞかしやりたいだろうと思う。

ちなみに、より大規模な完全DIY夏フェスの“なんとかフェス”も素晴らしかった。⇒なんとかフェス2010

posted by 鶴見済 at 23:03| 宮下公園ナイキ化問題 | 更新情報をチェックする